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【詩】自由へ

嵐の音ははじめは

静かだったのに

次第に轟音をとどろかせ

近づくのに気が付いて

走っても

文字で出来た嵐は

僕をその風と雨と共に

巻き込む


悪いことはしていない

陥れてもいない

それでも嵐は強烈

文字は言葉となり

手や足に

突き刺さる

木片が胸を貫く前に

体を丸めて固くする

心臓だけは誰にも渡さない


渦の中でどこに

連れていかれるのか

わからない


Set me free

自由になりたい


囚われるために

ここにいたわけじゃないのに

嵐の中で言葉の刃を

受けるために

ここにいたわけじゃないのに


一瞬見えた晴れ間は

嵐の中心

こんなきれいな空があるのに

僕はまた嵐の中で

壊れた体に傷をつける


渦の中で大笑いする黒い影

後ろに銃を隠し

優しい顔をする紳士のような男

後ろを向くと人格が変わる

ジキルとハイド


自由になりたい

自由でいたい


涙を流しながら

渦の外に手を出して

その手を

握ってくれたのは君


Set me free







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久住ハル
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