【詩】まとわりつく
あなたの優しさ
弱いところを引き出して
そこに砂糖をまぶして
食べなさいと
両の手の上に置いて
こちらに向かって
差し出し続ける
食べられないと
後ろを向くと
音の外れた鐘を鳴らして
目を引く
それでも
食べられないと逃げると
自己憐憫を積んで追いかける
振り返り
すっかりやせ細った
あなたを見て
酷いことをしたと
責任を感じて
食事を用意する
せっかく
逃げ切るつもりだったのに
元の木阿弥
幻にすがり
朧げな優しさは
やっぱり正しかったと
間違っているのは
あなたじゃないと
自分を責める
思考は何かに支配され
むしろ
何も考えない方が楽
あなたはそれを見て笑って言う
それでいい
心の乾いた地に
水ではなく砂糖をまぶしたあなた
優しさも正しさも
一体何が本当のことなのかわからない
靄の中に佇む
無意識が大声で叫ぶ
逃げなさい
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