【詩】バレリーナ
回らせられて
踊らされて
おだてられて
バレリーナは踊る
瞬間風速
拍手する人は
増える増える
旗振りは
ぱたぱたと
バレリーナは真摯に受け取る
似合う衣装は黄色
アイシャドウは青
指先は紫
唇は赤
倒れそうな体に
着せ替え人形が始まる
自分の意思のない世界
もてはやされた言葉を聞いて
自分色を消し
あてがわれた色を出す
喜ぶ顔に合わせて
バレリーナも笑う
息切れは皆にみせない
疲れた指先に苦情
膝の傷に陰口
あれほど
喜んでくれていたのに
バレリーナを見て言う
君は考えが甘い
世の中はこんなもの
持ち上げる人が居て
何も知らず
持ち上げられる人がいる
持ち上げる人は
わかって持ち上げてる
右も左も
知った顔で
構造は踊る前から
すでにあっただけ
それを知らないのは
バレリーナだけ
ショーケースで踊る
痛んだ足のバレリーナ
幕間で腕を組んで苦笑いする
物を知った人々
すげ替えるバレリーナを
用意しながら
第三の目が言う
バレリーナよ
踊らされないで
踊れ
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