【詩】逃避
爆弾は音も立てずに
佇まいだけはしんとしている
ボタンを押さなければ
凪の波のよう
静かに見える
その実
押さなければ
それで済むのか
爆発は
大雨の日の雨粒みたいに
ひたひたと
時が近づいてくる
もうずいぶん大雨が続いている
一部の雨降りだけを見て大災害は
自分の元には来ないと
いつだって誰もが思っている
その瞬間の引き金はもう引かれている
横の人が
その手を叩けば
弾丸は勢いよくボタンを襲う瞬間
悪い予兆は気のせいと思いたい
もう崩壊の地獄絵図が
遠く近くに見えているのに
カーテンをひいて
電気をつけて
和んだ食卓
押される用意はいつでも出来ている
こないといい
そんな希望的観測は通じない
来る
混ざり物の言うことなど聞かず
自分の嗅覚を信じて
やれるだけのことをして待つ
いま
現実を見る
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