【詩】オール

小鳥のさえずりは

仕事漬けの体には優しい

今は家でくつろぐ気分ではない

ノートパソコンの入った

リュックを背負いながら

自然の音を聞き

仕事の続きをする場所を探す

犬の散歩をしている親子を見て

思わず顔がゆるむ

会社に長く縛られない

僕らの周りに一生同じ会社に

勤め続けると言う人は

殆どいない

僕の会社も入れ替わり

立ち替わり

昭和過ぎてついて行けないと言う

友達もたくさんいる

僕ももしかしたらその一人かも

しれない

会社に縛られない人生を選んだのは

僕自身だし後悔などない

会社は嫌いでなくても

変化を受け入れないのなら

仕事はそのまま

理解が及ばない偉い人々に

このままだと大変なことになると

言ったところで

変化を望まず自分たちだけ

安泰ならそれでいい

そんなところに

誰だっていたくない

僕らの正直な気持ち

きっとそのまま会社にいた方が

生きるのは楽だ

でも右肩下がりの人生はしたくない

沈没していく船から降りて

小さい舟でもいい自分のオールを持つ