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ミケランジェロを主人公にした作品紹介

7月にローマやフィレンツェを訪れました。目的は主にミケランジェロに関わる現場を見ることだったので、その写真などを特集して投稿する予定でしたが、急遽気が変わりまして💦、こちらから先に投稿することにしました。
ミケランジェロに関する、私の好きな2作品を紹介いたします。


①L'avventura di Michelangelo(ミケランジェロの冒険)

まず、こちらフィレンツェのウフィツィ美術館の売店で、衝動買いしてしまったものをご紹介いたします。
下の写真が表紙ですが、下記の通りタイトルが"L'avventura di Michelangelo" 、著者Costantino D'Orazio(コンスタンティーノ・ドラツィオさんとお読みするのでしょうか)です。

"L'avventura di Michelangelo"  di Costantino D'Orazio 
Battello a vapore  Anno 2024 Edizione 2

フィレンツェを発つ直前にウフィツィに行ったのですが、いつものごとく館内じっくり廻っていると、半日かかりましたね。
列車の時間もあったので、売店でゆっくりしている時間もなかった中、これを買おうか迷ったんですよ~、だってイタリア語読めないし😅
でもこの、少女漫画的というか、女性が喜びそうな表紙絵(自分の感想です)に惹かれてしまったのです🥰
そして、この表紙はカバーで、後ろを見たらダヴィデを優しくした顔😍
これは2版のようですが、初版は2022年となっていて、新しいし…。
迷ったけど、ここで逃したら二度とお目にかかれないと思い、手に取りレジに駆け込みました。

カバー全体

昔もフィレンツェかローマで、イタリア語のミケランジェロの本を衝動買いしたことはあるのですが、大概表紙はミケランジェロの作品か、よく見るあの、髭生やした肖像画ですよね。
私が以前訪れた最後は17年も前ですが、その頃の書籍はこんな日本風というか、単行本にカバーなんてなかったと思うのですが(間違っていたらごめんなさい)。
ミケランジェロの本が、こんな風に女性向けのカバー絵になっているなんて、私的にはそれだけで💛💛💛です🥰
とにかくイタリア語が読めない私でも、この絵に惹かれて買ってしまい、こうして紹介しております。

↑検索したら、Amazon(Japan)にありましたね。
余談ですが、私は30代の時、学生やっていた時期があるのですが、その時まだAmazon Japanが存在してなくて、洋書を本店のAmazon(シアトル)のサイトで取り寄せた記憶があります。
グーグル翻訳なんて影も形もなかったし😂、外国のサイトで注文するなんて初めてだったし緊張したけど、それまで書籍を取り寄せるのは、書店に頼むしかないという認識(検索なんてもちろんできない)だったから、Amazonなんて便利なものができたんだなーと思ったものです。
そんな頃と違い、今ではAmazonで何でも手に入るから、外国旅行で目にしたものは、たいがいありますね💦。
でも手に入れるなら、現地に行く機会があれば、当然その時購入した方が安上がりです😊。

内容は小説で、Amazonによると、対象年齢は11歳から。
これらは想像した通りでした。
1ページ目から読めないとはいえ、会話が多く、ドラマ仕立てになっていることが想像でき、文字が大きめなので、子供向けかもしれないと思ったからです。
美術史の大学教授の方が執筆されているので、史実に沿ってはいるのでしょうけど、実は自分もフィクションを作っているので、自分の作品に他人の影響が出てはいけないかなと、伝記小説を読むのは、避けるようにしていました。
買うのをためらった理由の一つはそれですね。
帰国してからは表紙のカバー絵を眺めた後、暫く棚に置きっぱなしだったのですが、この記事を投稿することもあり、どうしても内容も気になってしまい、イントロの数ページをグーグル翻訳しました。
(イントロだけですが、もしネタバレが嫌と思われたら、次の目次に飛んでくださいませ)

L'avventura di Michelangeloの表紙の絵はアダムだ〜と思ったけど、よく見たら向きが違う💧


1ページ目の冒頭のセリフで
「アスカニオ!アスカニオ…」
と書かれていましたので(固有名詞のそこだけは読めた💦)あのアスカニオのこと?と思いました。
ジョルジョ・ヴァザーリに続いて、当時(生存中)のミケランジェロの伝記を執筆した弟子、アスカニオ・コンディヴィのことですね。

私は20年程前に手に入れましたが、現在この翻訳本は絶版になっています、残念ながら。
(デジタル化されないかしら?)

物語は晩年のミケランジェロが、弟子のアスカニオに、自伝をこれから述べるから、書き留めるように、というところから始まります。
何故なら弟子だったジョルジョ・ヴァザーリが執筆して出版するという、自分の伝記を読んでみたら、もっと高く評価してくれていると思いきや、不愛想でいつも人と口論しているような酷い人柄だとか、ウソが並べ立ててあり、自分が一押ししてる作品の言及もないことがわかり、憤慨して自分が直接述べたものを伝記にするぞ、と思ったからです。
アスカニオは最初状況が読み込めず、大量の紙を見せられ、それに自分が絵を描かないとならないのか、手紙を代筆しろと言われているのか…!?
戸惑って飲み込みの悪いアスカニオに、ミケランジェロが怒り出して、トスカーナ訛りになり始めた…。
粗筋はここまでにしますが、私は「ミケランジェロ伝」を知っているので、それが出来たいきさつが、ドラマ化されているのがわかりました。
そして次の章から、過去へと遡り、ミケランジェロのストーリーが流れていくようです。

ここではミケランジェロがヴァザーリの「美術家列伝」(1版目)に不満を持ったとなっていますが、私としては、このヴァザーリのミケランジェロ編より(翻訳されているのは2版目なので、相違があるかもしれませんが)、アスカニオの「ミケランジェロ伝」の方が、ミケランジェロの偏屈ぶりが表れてるなーと感じてしまったのですが。
ミケランジェロの言われるままに書いているんだなーっていうのがわかるのですが、その中で「こいつ何言ってるんだ⁉」と思う箇所が結構ありますね。
「ミケランジェロ伝」の内容については、また別の記事で取り上げます。

L'avventura di Michelangeloには、そういう箇所は記述しないか、書き改めているのでしょうね。
「ミケランジェロ伝」を知らない方でも、子供向けでもあるということから、読みやすい内容なのだというのが伝わって来ます。
あと「先生は怒るとトスカーナ訛りになる」という箇所が、参考になりました。
ミケランジェロは晩年、ローマに移り住み、フィレンツェに戻ることはなかったのですが、「トスカーナ訛り」が話し言葉にずっと残っていたということを、以前何かで読んだのですが、どういう時にそれが現れるのかは、わかりませんでした(自分の創作で生かせるか……)。

自分の創作が終焉になったら、これを含めた他のフィクションの作品も、じっくり読ませていただきます。(いつになるやら💦)
あと無料グーグル翻訳の不自然な日本語だけに頼らず、少しでも原文で読めるようイタリア語勉強しないと、ですね😅

②彼方の天使(かなたのミケランジェロ)

もう一つの作品は、こちらになります。
noteの記事を挙げさせていただきました。

「彼方の天使ミケランジェロ」高城玲 作 (月刊プリンセス9月号に掲載)

先に述べたように、自分のストーリーやイメージに影響が出てはと、フィクションに目を通すのは考えてしまうところがあったのですが、少女漫画でミケランジェロもの!?
これは読みたい!読まないと!と、その欲求には勝てませんでした😅

高城先生のことは存じてはいました。
きっかけはXで、別の漫画家さんのフォロワーをさせていただいているのですが、昨年リツイートされていた中に、高城先生のものがありました。
その時、ルネサンス時代の作品を、「月刊プリンセス」に初連載されるという内容でしたので目が留まり、noteのクリエイターでいらしたことも後でわかりました。
以前の作品はミケランジェロに関わるストーリーではなかったこともあり、試し読み以外拝読する機会もなかったのですが、今回はミケランジェロの読み切り作品が、有名な漫画誌に掲載されているということで、ぜひ取り上げたく、恐れながら挙げさせていただきました。

月刊プリンセス9月号というと、今だとバックナンバーになってしまうこともあり、私は「コミックシーモア」で購入しました(電子なので割安です)。
さーっと読んでしまいましたが、良かったです!
ストーリーについての、ネタバレ的なことは申しません。
とにかくジーンと来て、とても感動しました!
あと所々に絵画、彫刻のミケランジェロの作品が登場しているのも目に留まり、改めてミケランジェロのストーリーだと認識できて(当たり前だろ)嬉しくなりました。
さらに嬉しいのはミケランジェロが、私の創作のイメージと違って、凄く美青年なんですよ~!
私の作品のミケランジェロが、喜んで惚れそうですね😆
こういうのも、少女…というか女性向け漫画ならでは、なのですか。
でも最近は、こういった絵柄、キャラは男性から見ても、あまり違和感ないのでは?
ミケランジェロファンの方々、一読の価値ありです。
私の作品では、ミケランジェロが惚れた相手が美男、イケメンにしてます😊

ところで「プリンセス」は昭和の時代からある少女漫画誌ですが、私がその対象年齢?だった時は購入したことがなく(個々の単行本はあるのですが)、今回、そして昨年他の作品を読むため購入しました。
これも余談ですが、久しぶりに少女漫画誌を拝読すると、高城先生のような最近の漫画家さんの優れた作品も多く掲載されていますが、昭和時代に人気があった作品も、掲載されているのが、私としてはなつかしさも感じ、嬉しく思いました。

フィレンツェ、カーサ・ブオナローティ所蔵 「ユリウス2世に謁見するミケランジェロ」より

私の今の創作でのミケランジェロのイメージで、一番近いのはこれかなあ…でも髭がありすぎなのだけど😅

旅行をしていた時は、向こうの書店に足を運ぶ時間もなかったのですが、他の方の記事だと、日本の漫画も多く出回っているようですね。
もっと長く滞在出来たら、ゆっくり本屋さん巡りでもしたかった~。
お読みいただきありがとうございました。

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