《絵本レビュー》地獄
『ママ、風会議をやろう?』と長女に言われ私はズーンと頭が重くなった。
(風会議:わたしと娘たちの心の話合いなのだ)
それは数分前…宿題にもたついている彼女たちを怒ったからだと思った。案の定、議題は『ママはなぜ怒ったのか?』についてだった。
ここでは、掘り下げないが鬼の形相の母ちゃんでしたよ。(たまには叱るよ?)
ということで今日は、泣く子も黙る恐怖の絵本【地獄】のレビューをしたいと思います。
〔監修〕宮次男
〔構成〕白仁成昭・中村真男
〔装幀・レイアウト〕貝原浩
〔初版〕1980年8月
漫画家・東村アキコさん絶讃!
40年で40万部突破!
《ストーリーについて》
主人公の五平は明け方、池の底に引きずりこまれ、鬼によって地獄へ連れて行かれた。尖った岩が裸足の足に食い込み、痛くて苦しい。周りを見渡すと恐怖の視界。
かまゆで地獄に、針地獄….悪いことをしてきた五平の運命はいかに!?
どうなる五平!
どうする五平!
子供達に絶賛大恐怖、母親たちは感謝感激!死の怖さを学習できる刺激的な地獄の物語です。
《10コの好きなところ》
【表表紙・裏表紙】
表表紙には、鬼から舌をぬかれている人間が描かれていて、もうほんとに吐き気がするくらい怖い。
裏表紙は、お地蔵様が救ってくださっているところが描かれている。それでも、怖い。(もう、ここを見ただけでもゲッソリする)
【見返し】
発行している風濤社の想いや解説が書かれてあり、一部抜粋すると〝これをみる子供らが、『死ぬことはこわいことだ』ということを強く心に刻むであろうと、それを主題に絵本づくりを思い立ちました〟と。少しのズレもなく間違いなく、そうなると私も思った。
【題字の文字】
黄色で太めの明朝体が、ど迫力と恐怖を感じさせる。
【絵】
この本の中の地獄絵は、千葉県安房郡三芳村延命寺に所蔵されている十六幅の絵巻をもとに構成したものだそうな。江戸の絵師は、なんちゅうもんを描いてくれたんじゃと思うくらいえげつない絵ばかり。リアルかも解らないのにリアルと思わせられる。
【文】
殺生すれば〝なます地獄〟
嘘つき約束破りは〝かまゆで地獄〟
盗みを犯せば〝火あぶり地獄〟
悪口ぶりっこは〝針地獄〟
最後に地獄で死ぬことができない〝無限地獄〟
…ねぇ、こんなことありますか?
書いてて指が震えます。
恐怖の文ですよ(五平に文句言いたい)しかも更に怖いのは赤文字でところどころ文字のサイズを大きくして表現されているところ..勘弁してよね。
【構成】
五平地獄行き→閻魔大王とお地蔵様の話し合い→地獄見学→五平この世に戻る
【キャラクター】
怖い鬼・怖い閻魔大王
愚かな五平
苦しんでる地獄に堕ちた人間ども
唯一の救い神、お地蔵様
【舞台設定】
地獄(詳しくは読んでみてください..悍ましい世界ですよ)
【しかけ】
五平が地獄ツアーのデモンストレーションをして、私たちも擬似体験させられるところ。
【ハッピーエンド】
いや、ハッピーエンドは五平が生き返るんだが、本当のハッピーエンドは読者の姿勢を正すところに有るのではなかろうか?
《読み聞かせをしてみて》
『ぜーーーーーーったい じごく いかないしっ』
『おにはね こうやって こうやって やっつければ いいたい!』
『ままぁ かたもみしようか?』
と言ってました。
私の感想としては、本気の吐き気がきました。読み聞かせが苦しいくらいだったので、なぜか平謝りしたくなりましたよね(笑)
《おしまいの言葉》
ハァハァハァ…やっとここまで書けました。あともう少しだ…
今回のレビューは非常に非常に億劫でした。(もちろん素敵な絵本ということを前提にですよ?)
子供の頃、おばあちゃんに
『コタツの上に足を上げたら大事な部分が腫れるけんダメよっ!!』
とキツく言われた矢先、テレビで大相撲夏場所を見ながらこたつに足を上げてたおばあちゃんをみて、大人の理不尽さを学んだことを思い出しました。
まぁ物事の善し悪しは、自分が一番判ってるんですよね。
自分には嘘はつけませんぞ。
だから、この本書の想いのように自分の命を大切にし、他者への思いやりも持ちながら生ねばならんですね。
やっとレビュー終わります。ゼェィハァー。私を褒めてくだされば極楽浄土いけますよ?(笑)
次は極楽の絵本で会いましょう☆彡
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