おとんが言うにはな # なんのはなしですか
尾崎豊の名曲「15の夜」。
フィクションかと思っていたら、この時代、本当に普通にあったらしい。
父が僕が大学に合格した時にふと話していた。
「お父さんの通ってた中学校はなぁ、校舎の中でバイクが走り回っとったで」
「え、中学生で !? 」
「そうや、盗んだバイクやろなぁ。校舎に火つけて消防車が来たこともあったし、すごかったわ」
父が通っていたのは地元で一番荒れてることで有名な学校だった。そこへ赴任した教員の給料は他の中学校の教員の給料より随分高かったらしい。
リアルに怖すぎてちょっと引いた(笑)
続きを父に聞いた。
「高校、大学はそんな荒れてなかったん ? 」
「高校は普通やったけど大学は面白い先生が多かったな(笑)」「何が ? 」
「期末試験てあるやろ。お父さんほとんど真面目に行ってなかったから、全く解答が出てこんくてな。飽きたから松田聖子の『赤いスイートピー』の歌詞を全部書いて出したんや。そしたら合格したんや(笑)先生も遊び心があったんやろな」
なんちゅう時代や。おもろいやないか。
「他にも、1回も出席してないのに、先生の出張先がお父さんの家のそばで、家に一泊させてくれたら単位あげる言われてほんまに泊めて合格したこともあったわ」
満面の笑みを浮かべる父を見て思わず笑った。
そんなおもろい話何で今まで言わんかったんや(笑)
まぁそれはともかく、これから大学生活をがんばっていこうとしてる息子に何の話してんねんな。
案の定、父は母に怒られた。
「あんた、そんな話やめ ! 」
そら怒られるわ。
大学に入り迎えた初めての期末試験。
僕も答えがちんぷんかんぷんな試験に遭遇した。
(そうだ、あの手があった)
急いで答案用紙いっぱいに宇多田ヒカルのFirst loveの歌詞を書いて提出した。
落ちた。
英語の部分をカタカナで書いたのがいけなかったのか、そもそも先生がこの曲を知らなくてただのアホな学生と思われたのか···。いやいや、違う違う。父親の頃はそういう時代やったんやろなぁ。
緩い時代から厳しい時代へ変化したのがよかったのかどうか。もちろん学力という面では今の方がいいのだろうけど、教える側に粋な心を持った人が多くいた時代も僕なんかからすれば何か素敵やなぁって思ってしまう。
まぁでも時代は違えど、血は争えないものである。
親子そろって何をアホなことをしていたんだろう。
で、何の話をしたかったんやったっけ ?