【詩】12月とヘッドフォン

交差点、
ヘッドフォンから流れる音楽が、
自分の瞳を空色に染めたくて、見上げた夜空が、 
わたしだけを、この世界から綺麗に切り取ってしまってるみたいに思えた、
12月、
あのとき思えば、制服だけがわたしを証明するものだったよ、
どこにもいかなくていいと歌う夜の音楽だけが18歳のわたしを彩っていたよ、
淡い信号機の明かりにも、立ち並ぶ誘蛾灯の光にも、通りすがる車のヘッドライトにも、
何にも染められないような気がしていた、なんて馬鹿みたいだね、
世界から切り取られるまでもなく、わたしはひとりで、
わたしを証明する人なんて誰もいないのに


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