【詩】星屑の詩

ただ怠惰なだけだよ、謙虚さっていうのは。
自分で自分に価値を見いだせないからこそ、他人に、その価値を見いだしてもらおうとしているのだ。いつしか現れるかもしれないきみが、「あなたは、この世界にたったひとりだけしかいないんだよ」と言ってくれること、虚ろに、けれども、それでも確かに待ち望んでいるように、殺風景な部屋のなか、僕は、意味もなくずっと夜空を見つめていた。
なにもしなくても綺麗と言ってもらえる、あの星が羨ましいんだよ。でも、けども、あれ、なんていう名前の星だったっけな。思い出せないな。お母さんもお父さんも確か、知らないって言っていた。きみも、晴れた夜は星ばかり見ているはずなのに、きっと、知らない。
ほら、あの星。いや、もしかしたらあっちの星だったかもしれない。いつのことだったか、もう忘れてしまったけども、誰かと一緒に、「綺麗だね」とか、心から思う前に呟きながら見ていたのは。

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