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わたしの好きな曲(証明写真考)

アラベスク第1番/ドビュッシー

10億年ぶりにスタジオで証明写真を撮った。嘘です、でもほんとうに10年ぶりに。無加工のスタンダードタイプは4枚で1,980円、ほんの少し肌を明るく補正してくれる美肌補正がプラス550円、美肌補正・目を大きく・小顔・白目を明るくのライトレタッチは4枚で3,500円。「どのコースにしましょうか」と、撮ったばかりの写真を画面に映しながら慣れた様子で説明をするお兄さん(推定34歳)。もちろん見た感じは3,500円のライトレタッチがいいに決まっているのだけれども、それはおそらく実年齢よりもマイナス5~10才くらいは若く見えるし、シミもほくろもそばかすも、ほうれい線さえも全部消えているし、ほんとうの自分じゃない感に驚いたので、1,980円にプラス550円の美肌補正付きに落ち着いた。(いや美肌補正はするんかーい。)「WEB申請用データ」サービス(1,100円)もつけて〆て3,630円。安くはない。

顔も髪型もそう大きな変化がないので、10年前に撮った写真と今回の写真とでたいした変化はない。もちろん頬のたるみやほうれい線という加齢による多少のトッピングはあるにせよ。

証明写真なんて証明写真機で手軽にちゃちゃっと撮れる時代だけれども、わたしは知っている。スタジオで撮影したものか、証明写真機で撮ったものか、はたまた自撮りか、わかる人にはわかるのだということを。そしてスタジオで撮影された証明写真の安心感たるや。わたしは仕事で、たくさんの人の履歴書や職務経歴書に目を通しているので、履歴書に貼付する証明写真の重要性は侮れないと知っている。

例えば資格試験で求められる証明写真は、本人確認のためなので、証明写真機で撮ったもので十分だと思う。写真の良し悪しで合否が判断されるものではないし。しかし、就職活動や転職活動においての証明写真は、第一印象としてこの人に会ってみたいと思ってもらえるかどうかがとても重要なので、右肩が少し上がっているとか、顎を少し引いて、とか自分では気づきにくい細かい点を指摘してもらえて、あとは写真全体の配置バランス(画面に対して顔が大きすぎず、小さすぎず、左右の余白も同じくらいにきれいに配置されている感じ)も完璧に仕上げてもらえるスタジオでの撮影を強くおススメしたい。

証明写真を撮るからには少なくともジャケット着用がわたし的には必須で、普段ニットだのカーディガンだののゆるい服装で働く身としては、わざわざジャケットを持って仕事に行き、帰りにスタジオという名のキタムラに立ち寄ることは極めて煩わしく、休日に家からスーツを着て電車に乗ってスタジオへ行くこととなった。このスーツは5年ほど前にDIFFERENCEで採寸して作ったわたしのわたしによるわたしのためのセットアップで寸分の狂いもなくわたしにぴったりであったはずなのに、久々に着用したそれは、ちょっと小さくなっていた。フィット感が異常。ヒップラインが主張しすぎている。幸い、今回はコートを羽織ることで事なきを得たけれども、薄着の春に向けてダイエットをしなくてはならない。このセットアップは秋冬用の生地で作っているので春にはもう着られないのだけれども。

そういえばDIFFERENCEで生地を選んで型を選んでボタンを選んで裏地を選んでとセットアップを作った体験はとても楽しかった。生地については一番安いタイプはぺらっぺらでオススメしませんと言われて、「なんだそれ、よく見る2着で48,000円キャンペーンは幻なのだな。」と思いつつ中間層のものから選んだのだけれども、黒とネイビーの細かいチェックのパターンは今でもとても気に入っているし、たくさんの種類の中から選び抜いたボタンや裏地も今でも見るたびにわくわくするし、今はちょっときつく感じる(気がする)とはいえ、自分の体にぴったり合ったサイズのスーツには既製品ではなかなか出会えるものではない。中間層の生地から選べば上下セットで5万円を少し越えるくらいの金額で自分にぴったりなスーツができるので、たいして着る機会のないスーツを数年ごとになんとなく間に合わせで買い替えているというような方にはオススメかもしれない。実際このセットアップを着ていると褒められ率がとても高いのだ。

さて、冷蔵庫に眠っていた大幅に消費期限の切れたカレールー(未開封)で今日はキーマカレーを作る!カレーは水を使わずにトマト缶かトマトジュースで作りたいのだけれども、どちらも買い忘れたので今日は水を使います。

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