詩が書けなくても詩人として今やっていること、いつかやりたいと思っていること
先日詩が書けなくなったという記事を投稿した。
それならばと最近少しづつだがまたやり始めたことがある。
それは過去の詩の読み直しと再編集作業である。
じつはまだどこにも出していない詩集の原稿が、ブレイルメモの中に12冊ほどある。
mixiやアメブロなどで投稿していた詩を、画面音声読み上げ機能が入った携帯の音声を聞きながら、ブレイルメモを使って点字で書きとってデータを残す作業を始めたのは6年ぐらい前。心身の不調で仕事に出られなくなり、完全に自宅にひきこもるようになった時、どうせやることも無いので、ずっとやろうと思っていた詩集を出すための作品整理でもするかと思い立ったのが始まりだった。
点字のデータを作った後、こんどはそれを読みながら画面音声読み上げソフトが入ったパソコンに打ち込む作業を始めた。
じつはこの作業が今だに終わっていない。後3冊ぐらい残っている。
ちなみにその中で1番最初にまとめた原稿が、その後2020年に出版されることになる第1詩集『世界と繋がり合えるなら』になった。
そんなこともあって、第1詩集製作時から第2詩集、第3詩集、第4詩集と原稿の構想がすでに存在していたのである。
第1詩集を出版した翌年、その頃メインで活動していたステキブンゲイで、第2詩集を有料公開してみた。
しかしこれが第1詩集以上に売れなかった。というか、ステキブンゲイでの有料作品の購入方法が、クレジットカードしかないことを公開してから知った。私もクレジットカードを持っていない身なので、これでは詩集を購入したくてもできない人が出てしまうのが申し訳なく思い、公開をやめてしまったのだ。
この出来事から、投稿サイトでの有料公開や、キンドルなどでの電子書籍として出すよりも、紙の本として出した方がたくさんの人に手に取ってもらいやすいのではないかと思うようになった。
だからなけなしの貯金を叩いてできるだけ少部数で出版しようと考え、昨年の夏、第1詩集出版時にお世話になった出版社代表に原稿を送った。
さらに私の大切な読者の一人でもある友人に表紙絵をおねがいしたところまでは話が進んだ。
あれから1年、とくにこれといった進捗は無い。やはり出版は現実的にいろいろと難しいようだ。
それでもせっかく作り貯めた詩集の原稿があるので、それらをどうにかして形にできないかと最近また考えるようになった。
過去に書いた詩なので、一般流通に乗せられるほど作品クオリティには自信は無い。それに出版費用もそんなに出せるわけでもない。
それでもこんな詩も書いていたんだよというようなことを、出す側にも読む側にもより安価でより気軽に手に取ってもらえるような私家版や同人誌やzinといった形で出せたら良いなあと考えている。
さらにもっと欲を言うなら、そうやって作った本たちを、いつか文学フリマやポエケットで販売もしてみたいとも思っている。
しかし同人誌や私家版やzinを作るにも、文学フリマやポエケットに参加するにも、全盲の私一人ではなかなかハードルが高い。パソコンで打った原稿を、本になるようにプリントアウトしたり、会場で販売したりするにも、誰かの目が必要になってくる。そのような作業を、信頼しておねがいできるような人が近くに居てくれたらと切に思う。
こういうことはあまり書きたくないが、こんな時自分にもう少し視力があったら、やりたいことがもっと自由にできるのにとはがゆい気持ちに苛まれることが多々ある。
まあとにもかくにも今は過去の詩の読み直しと、詩集を出すための再編集作業である。
一般流通の有無に関わらず、生きているうちにできるだけたくさんの本を出すためにも、まずはそこからだろう。