2025年SwitchBot (スイッチボット)帰省の旅
この年末年始、隣町にある実家に、形なりに帰省した。帰省といっても片道1時間弱と近い。帰省というと遠方から移動するイメージがあるので少々大げさな気もするが、まあ、実家を出て独立した身としては、これはこれで立派な帰省である。
そんなわけで大みそかから実家で過ごし、いよいよ帰る日。2025年1月3日。ご飯とみそ汁、焼きホッケに松前漬の夕飯を食べている時、ひらめいた。
「そうだ、部屋のエアコンを遠隔操作でつけておけば寒い思いをしなくてすむ」と。
なんという賢明な判断。われながら、素晴らしい先見の明である。
実はわが家、何を隠そうスイッチボットの製品を使ってスマートホーム化しているのだ。むしろ、ちょっと自慢したい。
このうち温湿度計は、スマホのアプリから温度や湿度など5項目のデータを記録し閲覧することができる。「ハブ」なる装置と連携すると、外出先からも確認でき、さらには温度や湿度に応じて、エアコンなどの家電も制御できるすぐれものなのだ。
そして通信は途絶えた
まずは、今の部屋の温度を調べようと、アプリを開いてみる。連日、外気温は氷点下なので、暖房をしばらく入れていない部屋は1けた台まで下がっているはずだ。どれどれと画面を見ると...ん?何やら様子がおかしい。
気温のデータが元日の午後3時台を最後に取得できていないのだ。通信は1月1日の午後3時16分に気温10.8度を記録したのを最後に途絶えていた。
ははん、とわたしは名探偵のように思う。これはあれだ。自宅のネット環境が不具合を起こしているに違いない。前にも似たようなことがあった。
わが家ではhome 5Gを使っているのだが、このルーターがよく落ちる。共通テストの時期を前に申し訳ないがとにかく落ちるのだ。ずっと働きっぱなしで疲れたという無言の抗議なのか、単なるサボリなのか。こちらの都合はおかまいなしに回線が切れる。そう、反抗期の子どものように。
ボイジャーは頑張っているというのに…
ここで、わたしの"豊かな"想像力は、ワープドライブのように、一気に宇宙まで飛躍する。
想像してごらん。打ち上げから40年以上、マイナス270度の極寒宇宙空間を秒速17kmで飛び続け、地球から240億km離れた場所からいまだに信号を送り続けるボイジャー1号のことを。2号も地球から約203億km離れた場所から交信できているという驚くべき事実を。
ボイジャーは放射線、宇宙線、隕石という困難を乗り越えて通信できているというのに、わが家の通信環境ときたら、リビングの隅っこで電波が途切れ気味になり、隣の部屋に行っただけで接続が不安定になるありさま。
「少しはボイジャーの頑張りを見習うべきだ。そういうとこだぞ」
アプリの画面に向かって親のように説教しつつ、ダメ元でエアコンをオンにするボタンを押し、スマート電球もひとまずオンにして実家を後にした。
宇宙のように冷え切った青い部屋
冷たいハンドルを握って、ところどころアイスバーンになっている道を緊張感を持って走り、家の近くまで来たところで、部屋の電気が付いているのが見えた。
あれっと思う。電気が付いているということは、ネットの環境は無事で、指示がきちんと届いたことを意味する。ただ、色がおかしい。レースカーテン越しなのでぼんやりとしているが、青っぽいのだ。青? ジェームズ・キャメロンの「アバター」の世界である。
恐る恐る部屋に入ってみると、エアコンがぐわんぐわん音を立てて動いている。宇宙船のエンジンのような轟音である。聞いたことはないが。ただし暖かくないんである。
落ち着いて調べてみると、原因が分かってきた。ネット環境は、問題なかった。温湿度計のデータが取得できていなかったのは、"単に"電池切れだったのだ。電池は"単四"だったが。
アプリをよ~く見ると、右上に通知を見るボタンがあり、昨年12月28日の時点で「まもなく電池なくなるよ~」と救いを求める信号が発せられていた。わたしは気付かなかったのだ。まるでSOSを無視した非情な宇宙船のように。
これはアプリが悪い。アプリ内ではなく普通に通知を出すべきである。いや、通知されていたかもしれないが見た記憶がない。だからわたしは悪くない...悪くない。うん、絶対に悪くない(必死)。
部屋が青かったのは、スマート電球の色の設定をいじった時に、面白がって青くしたままほったらかしていたためだ。その後は使っていなかったのだ。宝の持ち腐れである。
しかし青で良かった。ピンク色?とかだと、あれですよね、いけない植物を栽培しているかも、と近所から通報されるんですよね。新年早々、家宅捜索されるのは避けられたのであった。めでたしめでたし。
全ては初歩的なミス
…全然、めでたくない。部屋が寒い。体感温度は、氷点下70度を下回るという火星の夜のような寒さなのだ。もちろん、行ったことはない。
これも原因は似たようなものだった。部屋にあるエアコンはダイキンの2023年製だが、リモコンの設定を覚えさせる時に冷房の状態のままにしていたのを忘れていて、そのままONにしたのだ。初歩的なミスである。
というわけで、スマートホームと気取っていたが、最新のIT機器を導入していても、ツメが甘くてスマートになるばかりか、むしろポンコツさが際立つわたしなのでした。
要は機械のせいにせず、自分の行動を改めよ!ってことですな。
ボイジャーよ、わたしはまだまだ成長が必要なようです。
Switchbotの各製品については、みつさんの記事に分かりやすくまとまっています。