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シニア産業カウンセラーの講座までまだ何カ月もあるので、基本に立ち返ってカール・ロジャーズの本を読むことにしました。

産業カウンセラーの試験が終わった後に、フロイト、ユング、アドラー等は読んで、各人に特徴的な理論や技法だけでなく、人そのものの背景を知ると、だいぶ理解が進むなと思ったものです。

そのまま続けてロジャーズを読まなくてはダメでしたね、産業カウンセラーとしては。お待たせ~。

まずは『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』を読みましたら、自分の理解が浅かったことがわかりました。ロジャーズの人生における研究や発言の変化、ジェンドリンをはじめとした人との関わりを知ると、「受容」「共感的理解」「自己一致」を表面的にわかったつもりでいた時よりも、自分の事として消化できる気がします(消化中)。

なるべく源流に触れる主義なので、肚落ちしない部分については英語で読んだらわかるだろうか、とも思っていました。ただ、同じexperiencingでもロジャーズとジェンドリンでは使い方が違うので訳語を変えていたという話もあり、ただ「ふ~ん、experiencingね」で済むものではないようです。訳も難しいですね。

「共感」一つ取っても、心理学で言う共感と、世間で言う共感は違います。存在する言葉を使うとその違いが伝わらないので、新しい言葉と定義を作るのだ、とジェンドリンが著者にアドバイスしたのはわかる気がします。

ロジャーズは初期の技法で「感情の反射」「ただ繰り返すだけ」と誤った理解をされて以来、技法ではなく態度の事を言うようになってきたそうです。にも関わらず、未だに誤解され続けていること、私達が習うテキストにもややその傾向のあることは、勿体ないと思いました。

それはアドラーもそうで、「アドラーの考え方、結構合うかも」と言いましたら「あの、褒めない・叱らないってやつ?」と言われて、センセーショナルな、人目を引く部分しかヒトは見ないものだなと思いました。なぜ褒めないのか、なぜ叱らないのか、そうするとどうなるのか……大事なのはこちらですよね。

ちょうどこの本を読み始めた頃、日本産業カウンセラー協会東京支部の特別講演会を見つけました。
『カール・ロジャーズがたどり着いたリスニングの “二重の洞察”とは何か』
講師は、関西大学大学院心理学研究科教授の池見 陽先生。ジェンドリンのお弟子さんだそうです。

テキストの「自己一致」の説明がどうも理解できない、と言っていた友人に声をかけると、彼女も受けていました。

3時間の講座の冒頭では上述の本と同様に、日本での言われ方に違和感があるというお話があり、実際にロジャーズの講演を見ながらご説明頂くと、確かに日本語訳されてきたものではわかりづらかった部分が、深く理解できるようになりました。

後半にはデモンストレーションもあり、その前に逐語記録で体験過程を追ったものを思い出しつつ見ていました。自分がクライエントだったら?自分がカウンセラーだったら?という視点で見ると、追体験はできたのではないかと思います。

この講座は定員100名。友人のように、非会員でも産業カウンセラーでなくても受講できたので、全国から色々な人が受講していたのではないかと思います。オンライン受講は場所を問わないので便利でした。

そして、友人は「自己一致」がわかったそうです!良かった良かった。
私はちょうどカウンセリングに行ったり、ロジャーズを読んでいたことで見つけた講演会です。やはり、気にしていると感度が上がるものですね。

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