#75 つらい経験を力に変える「ベネフィット・ファインディング」
つらい経験をしたとき、
どうやって回復しますか?
「とにかく忙しくして、気を紛らわせる」
「好きな音楽を聴いたりして、癒される」
など、人それぞれ方法がありますよね。
挫折や逆境、
「どうしたら抜け出せるんだろう」と思うほどのつらい経験は、誰しもあると思います。
「今まさにその状況にいる」という方も、
いるかもしれません。
そんな苦しい状況も、
ほんの少し考え方を変えるだけで、
あなたを強くする力になります。
つらい経験は、あなたを強くする
「つらい経験は、人を強くする」
と言ったら、
「そんなのは詭弁だ」
と思うかもしれません。
苦しいときは、
「早くこのつらさから抜け出したい」
と思いますよね。
私も、仕事もプライベートも
つらいことばかりで、
1年くらい「生き地獄」と思いながら
生きてたことがあります。
そのときに救ってくれたのが、
「つらい経験は人を強くする」
という言葉でした。
これは単なる慰めの言葉ではなくて、
科学的な根拠があります。
ニューヨーク州立大学の心理学者、
マーク・D・シーリーの研究では、
逆境やつらい経験がある人は、
あまりない人に比べて、
幸福感や健康状態が良くなる
ことが分かっています。
また、つらい経験をした人ほど
「レジリエンス」が強化されるそう。
レジリエンスとは、
ストレスを感じても回復が早くなったり、
困難な状況でも、うまく適応できる能力のこと。
逆境やつらい経験をするほど、
メンタルは強くなって、
大変な状況も乗りこえられる力がつくのです。
これは、実感がある方もいるでしょう。
「部活でつらい思いをしたけど、
おかげで打たれ強くなった」とか。
このように、つらい状況でも
「良いこと」に目を向けることを、
「ベネフィット・ファインディング」
と言います。
逆境でも「良いこと」を見つける
逆境のさなかにいると、どうしても
「つらいこと」や「ストレス」ばかりに
目が向いてしまいますよね。
すると、
「自分はもうダメだ」
「もう人生で良いことなんてない」
と、ネガティブ思考にはまって、
つらい状況から抜け出せなくなります。
ベネフィット・ファインディングでは、
逆境の中で「良いこと」を見つけることで、
前向きになったり、
ストレスへ対処ができるようになります。
マイアミ大学の実験では、
まず参加者たちに、
「傷つけられたときのこと」を
思い出してもらいました。
浮気された、ウソをつかれた、批判された…
など、参加者たちは、
つらい気持ちになったときのことを
思い出します。
そのあと、
「その経験によって、
人生がどのように変わったか?
良い方向に変わったか?
何かを学べたか?」
を書いてもらいました。
すると参加者たちは、
相手を許す気持ちが強くなったり、
「復讐してやりたい」といった思いが
弱まったそうです。
うつ状態も軽くなる
また、うつ状態も軽減することが
分かっています。
アルツハイマー病の家族を介護していて、
軽度〜中程度のうつ状態になっている人たちに、
「介護をしていて良かったこと」
「励みになったこと」
を、毎日記録してもらいました。
すると数週間後には、
その人たちのうつ状態は、
大幅に改善していたそう。
つらい状況の中でも、
「良いことがある」
「得られるものがある」
と考えるだけで、
メンタルが強くなったり、
うつ病のリスクを下げる力があるのです。
まとめ
今、つらい思いをしている方。
過去につらい思いをして、忘れられない方。
ネガティブなことばかり考えてしまって、
苦しくなりますよね。
どうしようもなく苦しいときは、
こんなことを考えてみませんか?
✅ つらい状況でも、得たものはあった?
✅ 良くなったことはあった?
✅ 精神的に成長したり、考え方が変わった?
その苦しみは、あなたを確実に強くします。
生きていると、
つらいこともたくさんありますが、
一緒に乗り越えて、強くなっていきましょう。
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この記事はこちらの本を参考にしました↓