【純正飛角図式】玉響の玉転がし
【背景】「全王手生大駒詰」記録
全王手が生大駒で詰みあがる条件下ではこれが自分の最長記録作だが、世にはもっと恐ろしい化け物があるに違いない。今回はこういった作品を一つ紹介したい。
玉響の玉転がし
先ほどと同様大駒4枚を一直線に配置した図だ。11手と比較的短いので是非解いてみていただきたい。
答え
2手目▽3六玉は▲4七角で、▽1七玉は▲2八角以下下記の手順で詰む。
▲2五飛 ▽1七玉 ▲2八角 ▽1八玉 ▲2九角 ▽同 玉
▲7三角成 ▽3八玉 ▲2八馬 まで早詰(9手、2A図)
次は、4手目の歩合(4図)。
飛角図式ではかなりの頻度で歩香非限定の合駒が発生するが、これは珍しく歩限定となっている。香合なら▲同角▽1七玉▲1八香までだし、桂合でも▲同角▽1七玉▲2九桂で詰む。歩合にしておけば丁度打ち歩詰で詰みを回避できているわけだ。こういった限定は初めて見たから感動的だ。
作意5手目▲1五飛に代えて、▲同角▽1七玉▲4四角でも詰みそうだが▽2六歩(5A図)の捨合があった。
▲同角には▽2八玉(5B図)と二重の角の裏側に潜り、▲4八飛なら▽3八歩、▲2九歩なら▽同玉▲4九飛▽3九銀でわずかに逃れている。
ちなみに、7手目に▲2五飛右は▽1六玉で(4図)と同一局面になってしまうから注意だ。最後に詰めあがりまでを書いておこう。
玉が六段目で右へ左へ、ほんのわずかな間転がされて戻ってくる還元玉でタイトルを回収した。
最終手▲3七角(11図)に代えて、▲2五飛右以下の最終手余詰がある。
▲2五飛右 ▽1六玉 ▲2七角 ▽1七玉 ▲2八角 ▽同 玉
▲6三角成 ▽2七合 ▲同 馬 ▽1九玉 ▲2八馬
まで最終手余詰(21手)
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無好手&質の低い手順ばかりの詰将棋を淡々と発表しているマガジンです 無いとは思いますが、万が一どこかでこちらの作品を 取り上げたり、紹介…
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