【双裸玉】逆王手、そして邪魔駒消去 22.08.30.
解きたい方はここでSTOP。
初手は▲6三角か▲5四角か▲4七角かで迷いそうなところだが、▲5四角が限定打で正解。角成の含みがある▲6三角には▽4五銀(限定合)で金連打による捕獲を防がれてしまう。▽4六玉~▽5五玉~▽6六玉への逃走ルートをあらかじめ潰すには▲5四角しかない。▲4七角は▽4六玉と角頭に交わされて金が4枚あっても駒が足りない。
初手▲5四角に対して玉方は▽4五飛と逆王手で切り返す。仮に、2手目▽4五香(逆王手)なら、例えば次の手順で詰む。
▽4五香 ▲4七金 ▽2六玉 ▲2七香 ▽1七玉 ▲2八金
▽同 玉 ▲3九金 ▽2七玉 ▲4五角 ▽1六玉 ▲1八香
▽1七歩 ▲同 香 ▽2六玉 ▲3六金 ▽1七玉 ▲1八歩
▽同 玉 ▲2八金打▽1九玉 ▲2九金寄まで早詰(23手;2A図)
横利きがない香では、下段に落とすことによって作意よりも短手数の詰みになった。飛車の横利きがあることを頼りに、8図のように玉は上へ上へと逃げていくことになる。
作意9手目、手順に飛車を取るために腹金を打ち込む。取ると▲4五角からの早詰なので▽1三玉と逃げる。これで打った3四金は拠点となった。
作意12手目では▽2二玉(変同)もあり、作意通りに進めて2手後に同じ図に合流する微キズとなっている。12図と▲2三金左~▲1二金と押し売った16図とを対比させてみると、実は3四金が消えた以外何も変わってはいない。双裸玉で偶然生まれた邪魔駒消去で、拠点かと思っていた3四金は打ってからすぐに邪魔駒と化していたのだった。
ようやく飛車を手に入れて後は収束に移る。21手目は▲同角不成でも▽同玉が最善の対応であるため、成/不成非限定の手だ。ここまでくると最初の方で放った4七香が光っていて、左辺への脱出を阻止してくれていることが分かる。
作意27手目、ここでも▽1一玉以下▲3一飛成▽2一合▲2二金までの変同(27A図)があるのがキズだ。
見栄えを考えた結果、作意27手目を▽2一玉とした。31図は部分的に綺麗な対称形になっている。
スペシャルサンクス
窪田義行(空気から整えていく 環境派)峰王尊師:拙エレベーター詰に対して ”詐術的印象を与える” と迚も心温まる難癖を拝賜し、双裸玉を探索する契機を頂戴致しました