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【短歌】冬の記憶 5首
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埠頭 入り江 河口 城 冬カモメ そしてぼく 無為なる 反復
夕焼けの壜の欠片の流離の果ての極東の入り江のこの冬ざれ
いきよりもひくくものをいふひとのゐてしばらくはかんつばきさひてた
紙コップよ冷や酒よ友よ夜よ冬よ哀しみよ 安下宿よ
雪 髪に、睫に、頬に、肩に、清らかに受肉する君なりき
1.少年期の冬はこんな感じ。一日に二度やったこともある。意味の無い行
ったり来たり。何も目指すでなく、なにがしたいでもなく・・・
そんな冬の日。
2.啄木の「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」が少し
入っているかなぁ。蟹ではなくて壜の欠片ですが。
3.「いきよりもひくく・・・」は源氏物語にあったような気がします。こん
なかそけきひとがいるか、といえば、わが心中にはひとりまします。
冬枕ににはときにそのおひとがせまってくるんですよ。はい。
4.学生時代。仕送りの届く前あたり、共同出資の酒盛り。この時期沁みた
のが森田童子の歌でした。♫きみぃ~のすきぃ~なつよいさけ♫だった
かなぁ。
5.白熊短歌に投稿した歌の再掲。これも学生時代。ほんと雪の夜の彼女は
きれいだったなあ。記憶は濾過作用があるかも。
できるだけ形式は尊重するけど、はみ出すものはしかたがない、それなりのリズムや調べがあればいいかなあ、ということで破調になりました。