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東京国立博物館のHello Kitty展で、偶像崇拝について考える……←嘘です。たいして考えていません。

風邪をひきました……。風邪とも言い切れない、なんとも歯切れの悪い感じの症状です。まず風邪っぽいところを記すと、ひたすらダルい……。このダルさは風邪です。新型コ▢ナとは確実に異なるダルさの種類なんです(過去2回罹患)。それ以外に風邪っぽいのは……鼻水です。ただ、いつもの風邪の時のように、滝のような鼻水ではないんですよねぇ……。ただ、鼻水の種類は確実に風邪です。あとは関節がミシミシとする感じです。熱は……あと強烈な悪寒は、一晩一瞬だけ37.4まで上がりましたが、一度寝たらひきました。これですね……風邪だったら、そんなにすぐに熱がひくかなぁと。言ってみれば、これから風邪をひくぞ! という、身体が発する警鐘が2日も続いている……という感じです。いつもならすぐに本格的に熱が出て、悪寒や鼻水が止まらず……となるはずなのですが、そうならない。だから風邪とカテゴライズしてよいものか悩んでいます。まぁ「病院へ行けよ」……なんですけどね。

■東洋館の様々なキャラクター

ふと、土偶のことを考えることがあるんですけど、あれって宗教的な関連で考えられることが多いですよね。Wikipediaの土偶の定義を読むと「霊的存在(神や精霊)と思しき像も人型であればこれを」土偶に含むとあります。

本当かな? って思うんです。そんなに大げさな考え…宗教的な意味合いが根底にあって縄文人は土偶を作ったのかなぁと。

まぁ宗教って、偶像崇拝が盛んですよね。キリスト教もだし仏教もヒンドゥー教もだし、偶像がむちゃくちゃ多い。だから偶像っていうと、宗教的な何かだと思われるんだと思います。

でも……宗教色のない偶像って、むちゃくちゃ多いですよね。いま、トーハクの東洋館では、Hello Kitty展が開催されていて、信者の方々が行列を作って見に行っています。Hello Kittyって、猫型ではありますが、本物の猫とは似ても似つかない姿形です。

もし何千年後の人類が土の中からHello Kittyのぬいぐるみだったりプリントされているバッグだったりを発掘したら……「この猫型偶像は、日本列島の昭和時代に発生したものです。社会から資本主義を強要された昭和人は、Hello Kittyに、精神的な安らぎを求めました。そしてHello Kittyは、“癒し”や“救い”を求めた世界中の……主に資本主義(シン帝国主義)の国々に信者を広げた」と分析されるかもしれません。

わたしが好きなガンダムも、あまり宗教色はありません。政治色というか思想のようなものは入っていますけどね。やはり何千年後からの人類が、ガンダムを発掘したら……色んな宗教性を考えるのかもしれません。

だから、土偶についても宗教色はなかった……とまでは断言できませんが、単に制作者が心の中に浮かんだ形を象っただけなんじゃないかなとも思うわけです。「かわいいのができたよぉ」とか「あのおっさん、怒るとこんな顔になるよね」、「顔を三角にしたら面白いカタチになった」とか……。

まぁ結局、オッサンがHello Kitty展へ1人で行く勇気も気力もなく、表慶館へは入らずじまいで2024年が終わってしまったのですが……前述したようなことを薄っすらと思いながら、東洋館を歩いてみました。

■動物は単に動物なのか、それとも神なのか

最近、東洋館へ行くと展示されているのが《鴇像》です。ここでいう鴇(トキ)って、あの絶滅危惧種のトキと同じでしょうか。わたしは見たことがないと思うのですが……もしかすると佐渡で見たことがあるかもしれませんが、なんとなく形に惹かれる“像”です。解説には「鴇(トキ)は知恵の神トトを表す聖動物の1つ」とありますけれど……そんなに知恵があったら、絶滅間近にまで個体を減らすものなのかとも。

エジプト|末期王朝時代・前 664~前332年頃 木彫、金彩、一部青銅
百瀬治氏・富美子氏寄贈

古代エジプトでは、鴇(トキ)は知恵の神トトを表す聖動物の1つでした。トトは賢く、「神々の書記」でしたから、賢い動物とされた鶏やヒヒの姿、または、それらの頭をもつ人間の姿で表現されたのです。末期王朝時代には、鴇の小像やミイラが多数製作され、神殿に奉納されました。

解説パネルより
《鴇像》

《鴇像》は、それほど大きなものではなく、全長15cmくらいでしょうか。ほどよい大きさで、部屋に飾っておきたいなぁと思わせるような魅力があります。博物館に置いておくのがもったいないですね。

その《鴇像》の隣だったか、とにかく近くに展示されているのが《オクシリンコス像 TJ-5495》です。同じく解説には「オクシリンコスとは神話に登場する聖魚」だとあります。神……というと大げさな気がしますけれど、当時のエジプトでは、タンパク質を摂取するのに欠かせない魚だったんでしょう。「オクシリンコスよ、いてくれてありがとう」と感謝の気持ちが込められた像なのかもしれません。わたしたち現代人からすれば、マグロとかサンマに感謝しながらパクパクと食べるみたいな感じだったでしょうか。

エジプト|未期王朝時代・前664~前332年頃|金銅製

オクシリンコスとは神話に登場する聖魚で、上エジプトにある同名の町が信仰の中心地でした。細長い特徴的な下顎から、ナイル川流域に生息するエレファント・ノーズ・フィッシュがモデルと思われます。太陽円盤と牡牛の角の冠を戴くこの像は、竿の先に取り付けられていたようです。

解説パネルより

この《女面鳥身》の鉢……深皿も、キャラクターグッズですよね。シリア|アイユープ朝…12世紀に描かれたものですが、これも「神聖な鳥」なのかもしれないけれど、やっぱり昔から人間にはない「飛ぶ」などの能力を持った動物を擬人化する過程で、ちょっとしたいたずらごころというか軽いノリで「顔を人間にしちゃおう……背中からは蓮の蕾を生やしちゃえ」みたいなクリエイターがいたんじゃないかなと。まぁGoogle画像検索してもトーハク以外では同種のキャラが引っかからなかったので、あまり流行らなかったようですけどね。

《白釉刻線彩釉女面鳥身文鉢 TJ-4855》
《白釉刻線彩釉女面鳥身文鉢 TJ-4855》

その隣かなんかにいつも展示されているこちらの深皿も、おもしろい王様キャラクターが描かれています。例えばこの皿で豚骨ラーメンなんかを食べていたとしますよ。食べ進むうちに周辺に描かれた楽器を奏でたり踊ったりしている人たちが見えてきます。そして……

色絵人物文鉢 イラン|ホラズム・シャー朝
1180~1220年代

ついに麺も食べ尽くし、スープも飲み干すと現れるのが、このオッサン……失礼しましたオッサンなんて言ったら失礼ですね……優雅にワインを持った、おそらくシャー(王様)が現れるわけです。

しかしなんでこんな描き方したの? とも思ってしまいます。食べ終わった時の笑いを狙って描いたのかなぁ。しかしこの描かれている人は、やっぱりシャー(王様)なのかは分かりませんが、とっても偉い人ですよね。そんな人を皿に描いちゃうなんて……。

玉座にすわり盃を手に取る人物とかしずく侍者が描かれています。錫白を掛け、いったん焼きあげたのち器表に絵付けを施し、再度窯に入れて低火度焼成して焼き付けています。華やかなイスラーム陶器を代表する技法の一つであり、ミーナーイー陶器とよばれます。

解説パネルより

トーハク公式のインスタを見ていて「へぇ〜、こんなのがあるんだぁ」と思ったのが、《動物形竿頭飾 TJ-5598》です。中国の古代遺物が展示されているケースに鎮座しています。

中国北辺|前6~前5世紀|青銅

中国北方、シベリア、中央アジアなどの草原地帯で出土する装飾部材で、台や車馬の飾りと推定されています。大きな耳や丸みのある口元、肩甲骨の膨らみなど、ロバの特徴をよくとらえており、当地に暮らした人々の動物に対する確かな眼差しがうかがえます。

解説パネルより

東洋館の中国の古代遺物が展示されている部屋は、これまで何度も見ているつもりでいましたが、このロバの像には気が付きませんでした。やっぱり興味のあるものしか視界に入ってこないんですよね。この時には、《動物形竿頭飾 TJ-5598》を見るぞぉってつぶやきながら行ったので見ましたけれど。

そこから一気に地下1階へ行くと、《黒褐釉象形容器 TG-2723》もいます。まぁ象さんですよ。これまで何度も見ていましたが、noteするのは初めてかもしれません。魅力的なのですが、カテゴリ分けしてnoteしていくと、noteする機会がない……という感じだったと思います。これなんかは豚の貯金箱みたいです。大きさもそうだし、身体の上部には大きな穴が空いていて……まぁ「容器」なのでね。

クメール|アンコール時代・12~13世紀

クメール陶器には、動物の形をした器がよくみられます。なかでも象は、荷物や人を運ぶために重宝するもっとも身近な動物であり、丸々と愛らしい姿にあらわされています。整った器形やつやのある黒褐釉からは安定した焼成技術をうかがうことができます。

解説パネルより

《土偶 笛を吹く人物 TJ-5347-4》は、日本が古墳時代だった、朝鮮半島で作られたものです。

《土偶 笛を吹く人物 TJ-5347-4》
朝鮮|三国時代(新羅)・5~6世紀|土製
小倉コレクション保存会寄贈

三国時代のなかでも新羅は容器に土偶を装飾することが特に盛んでした。本品も当初は容器に貼り付けられていたひとつと考えられます。足を広げて踏ん張り、両手で街をもつ姿は、簡素ながらも奏者の堂々とした様がよく表されています。笛を持つ手の細かい表現にもご注目ください。

解説パネル

《土偶 笛を吹く人物 TJ-5347-4》は、やたらと稚拙な作りですが、同じような時代に作られた耳飾りなどは、ものすごく精巧に作られています。材料の特性で精緻な作りができない、ということはあるかもしれませんが、もう少し写実的な像が作れたように思うんですけどね。

《太環式耳飾 TJ-5071》
朝鮮|三国時代(新羅)・6世紀|金
小倉コレクション保存会寄贈


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かわかわ
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