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骨盤は歪みません!?④~「骨盤矯正」と「見かけの歪み」/連載コラム vol.10

※初出:岩手日報ぽらん(2015年1月号)掲載、「プロが教える『姿勢医学®』のおはなし」(原文ママ)。文章・画像ともに、無断転載はご遠慮ください。

読者の皆様、あけましておめでとうございます。
私は『国際基準カイロプラクター』にして
『姿勢科学士®』の小野寺デス。

さて、一般の方からよく頂く質問に
骨盤矯正をすれば姿勢は良くなる?
というものがあります。
それに対する専門家としての回答は…
姿勢は変わります…但し、一時的には!!』。

何故
『一時的』な効果しか期待できないのでしょうか?

それは
骨盤部の『可動特性』
由来します(下図参照)。

骨盤にある2種類の関節のうち
『恥骨結合』は『半関節』とも呼ばれ
分娩時以外
ほとんど可動がありません。

また
所謂『骨盤矯正』の対象となる『仙腸関節』は
数mm程度の可動範囲
しかなく
加えて
この関節だけを可動させる為の
単独の筋肉が存在していません

つまり
自らが積極的に可動する関節ではないのです。

骨盤は、上方からの『体重負荷』と
下方からの『床反力』がぶつかり
そのバランスをとる部位である事は
前号までで説明してきた通りです。

つまり、上下の力学バランスが崩れると
『恥骨結合』が支点
『仙腸関節』が作用点になる事で
骨盤が『見かけの歪み』を生じさせて
立位姿勢を保持
する訳です。

ですから
その受動的に生じた『見かけの歪み』だけを
検出して
『骨盤矯正』を行い
一時的に姿勢が変化したとしても
すぐ元通りになるのは当たり前
ですし
逆に
仙腸関節への過剰刺激となる可能性もあります。

姿勢調整の専門家からすれば
上下半身に生じた筋や関節の
可動バランス障害を解消し
あとは歩いて貰えれば
勝手に整っていくのが骨盤
…というのが
バイオメカニクス(生体力学)的にも
『常識』なのです。


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