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多くの人たちの道標となる佳作です
応募していた完成披露試写会に当たったため、同僚と出かけてきました。
出演者の舞台前挨拶のある試写会に行くのは初めてでした。
生の俳優たちを見れるのも嬉しかったですが、映画のモデルとなったご本人である認知症当事者の丹野智文さんにお会いできたのも嬉しかったです。
びっくりしたのが、会場のエレベーターを降りたら、気さくに来場者たちと歓談をされているご本人のお姿が。
周囲を見渡すと、業界の有名人が応援団としてゴロゴロと。
39歳で認知症と診断されながら、10年後の現在も会社勤務を続けつつ、認知症本人のための相談窓口の活動や自身の経験を語る講演などを行っている丹野智文さん。本作は、認知症とともに笑顔で生きる丹野智文さんの実話に基づく物語。
これまで相当のご苦労をされてきたのだとは思いますが、登壇されてお話を伺っていても、それを感じさせないご本人の明るさが素晴らしいなと感じました。
「これまでの認知症の映画は、最後には主人公が亡くなって終わっていた」
「でも、この映画は違います」
「私は、今もこうして元気に生きています」
人の顔や名前、自分の家への帰路まで忘れてしまうのであれば、忘れたことをどのように補っていくかという工夫。
会社の中では人の配置を図にしてみたり、これまでに積み上げてきた仕事のノウハウもまとめて同僚と共有したり、タイムスケジュールはスマホのアラーム機能を活用してみたり、道が分からなくなっても迷いなく「認知症で困っている」ということを伝えて助けてもらったり。
ネタバレになってしまいますので、全ては語りませんが、仕事をしている人間としては、職場の仲間たちとのエピソードで涙腺が崩壊しました。
決して、丹野さんの認知症の進行具合が特別なのではなく、症状への向き合い方や周囲への自己開示の在り方が、むしろ周囲の丹野さんへの関わり方を変えていったのだと理解しています。
何よりも奥様やご家族との「困った時にはお互いに伝えあう」、そして「自立のために支え合う」という関係性は、「認知症だから」とかではなくても素晴らしい在り方ですし、このご夫婦の絆あってこそのものであると羨ましくも感じました。
特別なのは、症状ではなくて丹野家の皆さんのお人柄であり、周囲の人たちへの関わり方なのだと思います。
「お前が俺らのことを忘れても、俺らがお前のことを忘れないから大丈夫」
こんなことを言ってもらえる関係性、羨ましいですよね。
試写が終わった後も、会場の出口で来場者にお礼を言いながら頭を下げ続けていらした丹野さんの姿からも、そのお人柄が感じ取れました。
公開は6月30日から。
認知症関係なく、自身の在り方や人への向き合い方を見直すきっかけになるであろう良作です。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
それにしても貫地谷しほりさん、可愛かったなぁ❤
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