生存確認程度のことでも尚
ただの学校終わり。
家の目の前に救急車が止まっていた。
向かいのお婆ちゃんは元気に水やりしていたから、きっと私のアパートの誰かだ。
一人暮らしの人ばっかりだろうから、相当大変だろうに。
会ったこともない人に余計な心配をしている時、
ふと嫌な妄想をしてしまった。
もし、私が倒れても、恋人は助けに来ないだろう。
そして、それは逆も然り。
私達は、互いに連絡不精で、ラインが3日空くことだってザラにある。
最初は不安になったりしたけれど、最近は、もう「あ〜忙しいんだろうな」としか思わない。
恋人はインスタもやらないお侍さんだから、毎日何をしているのか分からない。
1年も付き合っているけれど、合鍵すら交換していない。
これじゃあ、お互いに倒れても、死にそうでも、
何の心配も、見に行くことも、しないだろう。
連絡不精な君から、こんな奇跡みたいな提案をしてもらえるなんて。
うん。すごい安心。
今までなら、1週間経ってから心配になるけれど、
こうして毎日って決まっていたら、ほんの少しだけ発見が早くなるような気がするものね。
今度一緒に作りたいレシピ。
梅雨を楽しむために買った傘。
我慢できなくて買った新作のアイス。
そういう何気ない唯の日常が、画面越しから伝わって、あぁ今日も君は健やかに生きていたのだと、安心できるのです。
一年前の私。連絡が来なくて泣いていた私。
嫌な妄想ばかりしてウジウジしていたあの頃の私。
君が信じたこの人は、何度も何度も頭を捻って、
私よりもずっと私のことを考えてくれているよ。
あんなに苦手な連絡だって、ちゃんとしてくれるようになったよ。
これからも、ずっと、そばに。いきていくのよ。
連絡不精な君についてのお話。こんな日もあったね。