糖質が悪者って勘違いしてませんか?
はじめに
ダイエット法は、時代とともに「はやりすたり」があります。黒酢ダイエットや朝バナナダイエットなどの食事系や、バランスボールダイエット・岩盤浴などなど、今考えるとそんなことしても痩せるわけないだろ!みたいなものがその時代時代で流行ったりしてます。
僕の記憶に強烈なインパクトを残しているのは、なんといっても「ビリーズブートキャンプ」です。調べてみると2007年にブームになってて、わたしが小学校高学年のころに大流行してました。
ビリー隊長の掛け声と音楽にあわせて身体を動かすもので、確かTVでも流れていたんじゃないかな…。小学生のころのわたしでも知っているから、当時のおとなたちは熱狂していたんだと思う。
そんな中、ここ10年ほどはもっぱら「糖質制限ダイエット」が大きなブーム。この糖質制限ダイエットは言葉の通り、ごはんやパンなどの糖質を”制限”することで、それ以外のものはある程度好きに食べていいよ!みたいなダイエット法です。
ダイエットする上で食事の管理は欠かせませんが、お肉や脂っこいものもそこまで気にする必要なくやせられるとなれば、とても魅力的に映ります。実際に成功している方の声も多く、効果が出やすいこともブームの要因じゃないかな?
ただ、僕は声高らかに「糖質制限ダイエットは今すぐやめるべきだ」と言いたい。なぜなら、みなさんが思っている「糖質”制限”ダイエット」は「糖質”欠食”ダイエット」となってしまいがちだからです。
正しく糖質制限ができるのであれば是非ともやってほしいですが、これがなんとも難しいのだ。ということで、今日は「糖質制限ダイエット」でやってしまいがちな失敗例と具体的なやり方をご紹介します!
そもそも、糖質ってなに者?
糖質という言葉をきちんと説明できる人はかなり少ないんじゃないでしょうか。ごはんやパンのこと?主食?甘味を感じるもの?炭水化物と一緒?考え出すとこの定義は結構むずかしい。
ただ、これから糖質制限の話をするのに「糖質」がなに者か分かっていなかったら話にならないですよね。楽譜の読み方が分からないのにピアノの前に座って演奏するようなものです。
糖質の説明をする前に炭水化物の説明を少し。この二つはほとんど同じ意味で使われていますが、実は完全に同義ではありません。「炭水化物」とは有機化合物のひとつであり、科学的に1個の炭素(C)につき1個の水分子(H2O)がくっついた形である(炭素と水分子の化合物)。そのうち、身体に消化されやすいものを「糖質」とよび、消化されにくいものを「食物繊維」と呼びます。
この糖質は、米や小麦(パン・麺)、芋類、とうもろこし、豆類(種類による:大豆→少ない、えんどう・そら豆・小豆など→多い)に多く含まれてます。いわゆる主食として食べられている食材たち。
なぜこれらが主食になりえるのかと言えば、糖質というのは身体にとって非常に重要なエネルギー源になるからです。糖質は脳の神経細胞や酸素を全身に運んでいる赤血球のエネルギー源となっていて、これは欠かすことができません。
ただ、僕らは1日の食事のうちだいたい6割くらいのエネルギーを糖質からとってます。大事なエネルギー源なんだけれども、そもそもたくさん食べてるし少し減らしてもまあ問題ないよ、というのが「糖質制限」なのだ。
なぜ糖質制限をやめるべきか?
糖質制限ダイエットをする(=白米を食べない)と、それだけで短期間で一気に体重が減少する。そう、ここが魅力的。「ご飯を食べないだけで、特別頑張ることなく、短期間で一気に痩せられる」のだ。もはや、ダイエットの”答え”が出たじゃないか!
…..
こんなうまい話があるだろうか?
「この荷物を港の倉庫まで運ぶだけで10万円手に入るよ」と言われたらどうか?ほとんどの人は怪しいと感じて断りますよね。最近も闇バイトが結構ニュースになってるし。
糖質制限も同じ。「ご飯を食べないだけで、特別頑張ることなく、短期間で一気に痩せられる」、なんてこんなうまい話はありません。
騙されちゃいけない。確かに白米を”全く”食べなければ、短期間で一気に体重が減少していくでしょう。ただ、これは非常に危険なのである。なぜ危険なのか?
①「糖質”欠食”(=白米を絶つ)ダイエット」では、圧倒的にエネルギーが不足する
糖質を完全に抜いてしまうと、生きていくために必要なエネルギーが全くもって足りません。糖質制限と聞くと、白ご飯を食べないというイメージが膨らんでしまうが、それは大きな間違い。先にも触れましたが、1日の食事のうちだいたい6割くらいのエネルギーを糖質からとってます。これをゼロにしてしまうと、一日の摂取カロリーは1000kcalを割ってしまう恐れもあります。
これでは糖質制限をやろうとして、純粋なカロリー制限になってしまう。やせたいからと言って食事を全く摂らなかったら私たちはどこかで補わなければならない。そう、おかずです。気づかないうちにおかずを食べる量が増え、脂質の摂取が増えてしまう。脂質の摂取量が増加すると悪玉コレステロールが増え、動脈硬化リスクも高まってしまう、という悪のスパイラルにハマってしまうのです。
健康のために体重を落とそうとしているのに、身体に悪い食事をしてしまってはもったいないじゃないか!
②圧倒的にリバウンドしやすい
糖質を極端に減らすと確かに体重は一気に落ちる。ただ、これはエネルギーが不足しているからで、身体としては飢餓状態に近くなってます。こうなってしまうとめちゃくちゃにリバウンドしやすい身体が出来上がり〜。
では、間違った糖質制限に取り組んだA子さんの身体で何が起こったのか説明しよう。
このような結末が待っている。まさに元の木阿弥。筋肉というのは見た目にもかなり大きな影響を与えている。同じ体重であっても筋肉があればスタイルが良く見えるし、筋肉がやせ細った状態だと丸いシルエットとなり太って見えてしまいます。今話題の大谷翔平は体重が100kgもあるのに太って見えない!筋肉がついているということはそういう事なのだ。
これならできる、糖質制限ダイエットのポイント
糖質制限もストイックなやり方からゆるいやり方までさまざま。糖質を完全に抜くのはこれまで話した通り言語道断だが、糖質制限ダイエットをするのであれば、以下のポイントを押さえることで成功にぐっと近づくと思います。
①白米の量を”ほんの少し”減らす
毎食の白米をひとくち、ふたくち分くらい減らしてみよう。この程度だと、お腹が減ってたまらないということはないし、ストレスも少ない。糖質を減らし過ぎないことが成功への近道です。夕食のご飯だけ半膳減らすとかでも大丈夫。自分に合ったやり方を探してみましょう。
②脂質が増えないように気を付ける
脂質は1gあたりのエネルギー量が糖質やたんぱく質の倍以上あるため、糖質を減らしたのに脂質が増えたら意味がない。ラーメンのスープは飲み干さない、肉の皮や脂身の部分は食べないなど、気を付けられることは色々あります。逆に、必須脂肪酸は積極的にとる必要がある。今回は詳しくのべないが、亜麻仁油やえごま油、青魚などからとれるn-3系(オメガ3)が有名です。体内で作ることができないので、食品から摂取しなければならない。
③食物繊維を意識する
白米には食物繊維も豊富に含まれているため、糖質制限を行うと必然的に食物繊維も不足してしまう。そこで、野菜やきのこ類、海藻類や大豆製品などから食物繊維を補充しておきたいところ。また、食物繊維は食べ方も非常に重要になってきます。食物繊維を先に食べ糖質を後に食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができ、満腹感も得やすい。このような食べ方を「カーボラスト」と呼びます。食物繊維は量だけではなく食べ方にも気を付けたいですよね。
④低糖質食品を有効活用する
近年ではコンビニやスーパーなどで「ロカボ」の文字を見ることが増えました。ロカボはLow Carbohydrate(低糖質)の略。このような食品を効果的に使えば、お腹の満足感はそのままに、糖質の摂取を抑えることができる。主食だけではなく、お菓子やアイスクリームなどもロカボ製品がたくさんあるので、ぜひ参考にしてほしいです。私のおすすめはSUNAOだ。
これらのポイントを意識して、ゆるっと糖質制限に取り組んでみてください。
最後に
極端な糖質制限で体調を崩す人が本当に多いんですよ。ごはん抜くだけで簡単に10kg痩せました!というインスタグラマーの甘い誘惑に乗ってハードな糖質制限をする人が少しでも減ることを願っています。ひとりひとり生活習慣は異なるし、体質も人それぞれ。だから、ダイエット法に正解はない。個人に合ったダイエット法があります。ダイエットや減量に関する悩みがあればお気軽にご相談いただければ、何でも回答します!
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