幼稚園の個人面談で話しながら|6歳娘と私②
幼稚園での個人面談中、先生が「発表会も大きな声で練習していたんですよ」と微笑む。
引っ込み思案な娘も、ここぞというときは頑張っているようだ。
発表会の劇で娘は主役を演じることになっていた。ちなみに主役を演じるのは7人だが、ひとりひとりのセリフは多い。たぶん先生たちは引っ込み思案な娘に自信をつけさせるために、抜擢してくれたのだと思う。
だからこそ、発表会に参加できなかったことが残念だと感じてしまう。
私は先生に「当日は参加できなかったけど、別な日に招待していただいたので、良い思い出になりました」と感謝の気持ちを伝える。
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発表会当日、インフルエンザの待期期間も終わり熱もない。
しかし娘は「眠いの……」と言って起きなかった。初めてのインフルエンザ感染で、体調が戻っていなかったのかもしれない。いくら練習していたとはいえ、急に大舞台に立つのは精神的にもきつい。
インフルエンザの症状が出たばかりのときは「発表会に行く!」と言っていたが、徐々に言わなくなってきていた。よほど体がダルかったのか、それとも自信がなくなってしまったのか……。
結局、発熱して参加できなかった運動会に続いて、発表会も参加できなかった。
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発表会から数日後。
先生から「年少さんたちに年長さんの劇を見せる会をやるので、良かったら見に来ませんか」と声をかけてもらった。
幼稚園の発表会は通常、大きなホールを借りて行われる。
今回招待された幼稚園の発表会は、幼稚園の小さなホールで行われた。招待された保護者は私を含めて3人。娘と同じようにインフルエンザに感染して、発表会に参加できなかった子の保護者だ。
保護者同士で軽くあいさつを交わし、演技をする子どもたちと1〜2mも離れていない特等席に座る。
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発表会の感想を丁寧に書きたい。でも今回は、あえて結論から書く。
感動して胸がいっぱいになった。
それしかない。表現しようもない感情であふれている。自宅に帰って、すぐにnoteを書いて気持ちを整理したいと思った。だけど、うまく表現できなくて書かなかった。
みんな入園したばかりの頃は、あんなに小さかったのにね。年少さんの発表会とは大違いだよ。
先生たちの心遣いもありがたかった。
会の終わりに感想を求められたため、実際に子どもたちにも伝えてきた。
「みんな立派でした!感動したよ」
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この日も全員が揃っていたわけではなく、劇では代役の子もいてセリフもたどたどしかった。みんな緊張しているのが分かる。
娘も緊張しながら頑張って大きな声を出し、休んだ子の分のセリフも言っていた。
子どもたちは、みんなで助け合っているように思えた。誰かが立ち位置に困っていたら、そっと近くの子が教えている。セリフが出てこない子がいれば、隣に並んでいる子が耳元でささやいてあげていた。
出番以外の子が待機している場所では、ハイタッチしたり衣装についているゴミをとってあげたりしているようだった。娘も仲良しのお友達と、なにやら会話している様子。
合唱や合奏はなかったけれど、実際に子どもたちが演じている様子を見られて良かった。
これも良い思い出になったと思う。
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幼稚園での個人面談が終わり、自宅で祖母と過ごしていた娘が私のそばに駆け寄ってきた。
そして不安そうに「先生となに話したの?」と聞く。
「気になるの?」と私。
「先生ほめてたよ、いつもがんばってるよって」
ちょっと照れくさそうな娘は、何も言わない。
最近、娘は自分の気持ちをあまり言わなくなってきた。これは成長なのか、それとも私のかかわり方が悪いのか。
気が向けば、楽しいことや嫌なことがあったと教えてくれる。だけど……なんと表現したらいいのか迷うけれど、ちょっとずつ変わってきている。
私は上着を脱ぎながら「運動会も発表会も参加できなくて残念だったねだって!発表会の本番は行けば良かったのにー!」と言ってみた。
すると娘は目を細め、体をフラフラして眠い様子を表現しながら「眠い眠いってなってるのに、劇できないでしょー!」と言い返してきた。
幼稚園生活も残りわずか。
またひとつ成長する。
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