郡司ゼミ備考録 【01】成長
本来、僕に露出狂の気はないが
ボケる前に少し奇妙な体験をここに書き留めておこうと思う。
というのは最近「成長ってなんだろう?」という言葉が
頭がグルグルまわっているのだ。
きっかけは僕が担当教員をしている「郡司ゼミ」という存在。
正式名称は
「洗足学園音楽大学シンガーソングライター講座」
という大学の講義だ。
それは多分10年以上前だったと思う。
数人の学生とのおしゃべりで
「色んなコースが集まって面白いことやる講義楽しくね?」
と誰かが発言したことが始まりだったと思う。
名目は何でも良かった。
自分の興味ある
「現代音楽やエレクトロニカについて」
「サブカルについて」
「オルタナバンドサウンドについて」
とか、でも良かったのだが
結局「シンガーソングライター講座」という
名前を適当に付けた。
大学のゼミというのは面白いものだなと感じたのは
教員のスキルは上がる一方で、新入生はみな一様なこと。
「病んでるもの」
「大学教育に対して大いに期待しているもの」
「既にプロレベルのスキルを身に着け社会勉強で入ってくるもの」
これからノビシロしかない輝かしい原石という意味では共通だ。
一方、不思議なもので
拙い講義がどんどん大事に発展していくと、
教員とともに疲労困憊しっぱなしの学生や、
青春の全てを郡司ゼミに注ぐ学生も出てきて
「それをどう纏めていくのか?」というフェーズに移行する。
こうなると僕も感化され「成長」していかざるを得ないのである。
ん?「成長していない!」というツッコミがどこからか聞こえたが?w
ゼミ内では思いもよらないトラブルも多発した。
僕の力不足で存続が危うくなったことや、
今まで世間知らずの自身が体験したことのない
留学生や障がいを持つ者たちとのコミュニケーションを
どうやって潤滑に進めれば良いのか全員で四苦八苦した。
しかし何故か皆、最終的には笑顔で卒業していくのである。
「成長させてもらい」そして「みんなから報酬として笑顔をもらう」
こんな幸せな職業は他にあるのだろうか?
振り返ってみれば僕は本当にラッキーな人生を今まで歩んで来たと思う。
あの時、ふらっと死ななくて本当に良かった!
キモいことを付け加えておくと
10年も経つと教員の学生へ対する目線は
ある意味「友人」から「自分の子供」に移行する。
これは僕だけかもしれないし、
本当にゼミ生にバレたら引かれるので
ここだけの秘密にしておいてもらいたい。
さあ!来る7/5(日)は
郡司ゼミ初の全員自宅待機の
リアルタイム配信ライヴだ!
今、ゼミ生たちは働き蜂のように
セーフゾーンを駆けずり回っているが
僕も同じ働き蜂に戻ってゆこう。
そして、一段落ついたら卒業生や大人の友人たちと
美味しいものを食べながら「成長」について話をしたいなあ。
郡司 崇
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