見出し画像

Cookie利用廃止の流れをうけ、大手小売りそれぞれの主戦場が明らかに|週刊小売業界ニュース|2024/6/24週

2024年6月24日~6月30日のアメリカの最新ニュースから、
最近の小売り業界について紐解いていきましょう。

今週のおさらいに、ぜひどうぞ!


Amazon、3rdパーティーcookieを使用しない広告ターゲティングの仕組みを自社で構築 | Retail Dive

<記事の要約>
3rdパーティーCookieの使用に反発する世論をうけ、AmazonはCookieに依存しない広告ターゲティングのシステムを構築している。「Ad Relevance」と呼ばれるこのシステムは、Amazon が持つ大量の買い物客情報、閲覧情報、ストリーミング視聴者の情報などを活用することで実現しており、AIがそれらの情報を取り込み、消費者に関連性の高い広告を表示できる仕組みを構築可能としている。

ウェブ広告を適切なターゲットに届けるための
縁の下の力持ちである3rdパーティーCookie。

様々なウェブサイトを横断でユーザーの行動を追うため
広告精度を高く維持するには必須となっていましたが、

ユーザーの行動を横断的にトラッキングする点が
オンライン上のプライバシー侵害にあたるとして
3rdパーティーCookieの利用廃止の声が高まっています


実際、Apple社の検索エンジン「Safari」では
2020年3月より3rdパーティーCookieの不使用を
デフォルトの設定に変更しています。

またGoogleは、3rdパーティーCookieの廃止を
2025年頭に検討しているとの報告を発表しました。


3rdパーティーCookieの廃止が
今後の流れとして決定的となるなかで、
小売業者はこれまで同様の集客効果を得るため、
どのような動きをしているのでしょうか。

どの領域に重点を置くかによって、
例えば以下の3種の取り組みがあります。

  • 自社(1stパーティー)データの活用

  • オフライン重視で、リテールメディア

  • オンライン重視で、プラットフォーマーの1stパーティーデータ


【自社(1stパーティー)データの活用】
1stパーティーデータとは、
自社内で保有している顧客情報や
顧客の行動履歴に関する情報のことです。

3rdパーティーCookieでやっていたことと
同じことを自社データでやるという方針です。

しかし情報量が圧倒的に少なかったり、
新規開拓・販促用途としては情報不足だったりと、
マーケッターの希望通りにいかないのが実情です。

なかには自社データの活用が奏功しているような
先取の取り組みを見せる企業もありますが、

いばらの道であるため、事例は多くありません。


【オフライン重視で、リテールメディア】
リテールメディアとは、
小売事業者が持つ1stパーティーデータを利用し、
小売事業者で販促をうつ広告媒体のことです。

自社よりも顧客数やタッチポイントが多い小売事業者に、
販売店でのタッチポイントで広告を表示してもらう施策になります。

こちらは、自社でなく他者のデータを利用すること、
そしてオフラインでの集客・販促重視である点が特徴です。

アメリカだと大手ドラッグストアチェーンのCVSが、
以下のリテールメディアに以下の特徴を持たせ、
広告料を大きな商流にすることに成功しています。

  • リワードプログラムによる約7,400万人もの固定客の存在

  • 一般的なマーケティング基準に沿った効果測定システム

  • 膨大な「1st Partyデータ」が収集可能な実店舗数


【オンライン重視で、プラットフォーマーの1stパーティーデータ】
特集記事のAmazonのようなケースです。
リテールメディアがオフライン寄りであったのに対し、
オンライン寄りの他社1stパーティーデータを活用する方針です。

CVSとは異なりオンラインを主戦場とする
Amazonはオンラインのタッチポイントへの
広告訴求で新たな価値提供を始めます。



<担当者からの一言>
Cookie廃止以降に、ウェブ広告に高精度でターゲティングする場合は、特集記事のような大手他社プラットフォームの1stパーティーデータに依存するより他なく、けっきょくCookieと同じことを各サービスごとに分けて実施しているだけとも言える。
マーケティング担当者にとっては手間が増える形だが、これを是非チャンスとして捉えてみたい。というのは、ウェブ広告は誰もが簡単に出稿できるようになり、各社あまり差がつかなくなってきていた(特に中小企業)。Cookie廃止後は前述のように自社1stパーティーデータを試用するという方針もあり、自社独自の情報発信やファン作りの重要性が増すタイミングといえる。この方針は生みの苦しみが大きいいばらの道であることには間違いないが、知恵と労力により如実に他社と差がでるポイントにもなりえるため、自社なりのコミュニケーションで補完する方法がないか是非模索する機会にしてほしい。



★今週のアメリカ注目記事★

  1. SNSは我々にとって次なるタバコのようなものだろうか - The New York Times

  2. Amazon、空気を詰めた透明のビニール緩衝材の使用をやめると発表 - The New York Times

  3. ソフトウェアプロバイダーへのサイバー攻撃により、システムが使用できなくなったアメリカ・カナダの自動車販売は業績が落ち込む - The New York Times

  4. 米Target、問い合わせ対応ができるAIチャットボットを従業員が試用 - the New York Times

  5. 米ドラッグストアCVSが、顧客体験を改善するために画策する戦略とは - WSJ

  6. 積み荷船への攻撃がある紅海の迂回航路が混雑し、海上輸送費がコロナ禍時の水準に近いほど高まっている - WSJ

  7. セルフレジの進化と、それに伴う小売店と消費者との関係性の変化 - WSJ

  8. 物価高がひと段落した現在でも、比較的安価なプライベートブランド商品の人気は減速していない | Retail Dive

  9. 米百貨店Macy’s、新たなCMOのもとで初のキャンペーン実施とともに夏をむかえる | Retail Dive



▼▼▼その他の記事も是非!▼▼▼

関連のある記事

前週のアメリカ特集記事

私たちの価値観について


#Cookie #ウェブ広告 #WEB広告 #広告 #オンライン広告 #リテールメディア #小売 #小売り #マーケティング #デジタルマーケティング #Webマーケティング #SNSマーケティング #ブランディング #グロースエンジン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?