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2024年4月に読了した本の紹介

2024年4月が終わりました。

今月読了したのは以下の3冊です。
それぞれ簡単に書評を書いていきます。


なお私の読書に関するポリシーについては、こちらの記事をどうぞ。


それでは今月もよろしくお願いします。


これからの「正義」の話をしよう


いやー、やっと読み終わりました。手強かった。

読み始めたのは2022年12月なので、1年半ぐらい経ちますね。
その間、積んだり読んだりしながら、やっと。


本書は「正義」についての考え方を論じた本です。
「正義に関する問い」が何十個も提示されて、それらを論理的に考えます。

一例を挙げると、

震災に乗じて、水を値上げして販売する業者は正しいのか?」(第一章)
ビル・ゲイツから1億円を徴収して、貧困層100人に100万円ずつ配ることは正しいのか?」(第三章)
車椅子のチアリーダーを『ジャンプができないから』という理由で辞めさせることは正しいのか?」(第八章)
先祖が犯した罪に対して、その子孫が弁償することは正しいのか?」(第九章)

など。

たとえば一つ目の「水を値上げして販売する業者」について、
直感的に「いや正しくはないだろ」と思うでしょう。

でもあなたは「なぜ」そう思うのでしょうか?
あなたのそういった思考様式にはどんな「名前」がついているか、考えたことがありますか?

本書ではベンサム、ミル、カント、ロールズ、アリストテレスといった哲学者の考えを引用しつつ、それを紐解いていきます。
自分の考え方はロールズに近かったかな。

あと個人的には第七章のアファーマティブ・アクションについての論考が面白かったですね。

最初の方は興味深く読めたのですが、第八章以降はかなり内容が難しかったです。

自分の思考の根幹を揺るがす良書でした。
古典的名著にチャレンジしたい方はぜひ。


道徳とは命を数え、コストと利益を秤にかけるという問題なのだろうか。それとも一部の道徳的義務や人権はきわめて基本的なものであり、そうした計算を超越しているのだろうか。

第二章 最大幸福原理──功利主義 より



自分の意見で生きていこう


社会派ブロガーのちきりんさんの書籍。

これかなり良かったです。
ちきりんさんの本はこれ以外に『自分のアタマで考えよう』と『マーケット感覚を身につけよう』を読みましたが、本作が一番良かった。

主張としては「反応するのではなく、意見を持ちましょうよ」というもので、この二つの言葉の定義が秀逸。

意見とは、
ある問題について理由付きでポジションをとる」こと。

反応とは、
ポジションをとらないリアクション」のこと。

たとえば、
子どもにスマホを持たせるべきか?
という論争がありますね。

著者に言わせれば、

どちらも一長一短。一概には言えないよね
→反応
スマホを持たせるなんてありえない!
→理由がないのでこれも反応

スマホは考える力を衰えさせると思うので反対
→意見(反対意見)
触らせる方が今後の社会で有利になるので賛成
→意見(賛成意見)

となります。

反応ではなく意見を言うことで、自分の発言に初めて「価値」が生まれると。
意見を発信することは確かに反発も生むのですが、一方で反応だけを発信する人に周りは着いてこないのだそうです。

ちなみに本書にはもう一つ、「意見」の重要な特性について書かれていますが、それはぜひ読んでご確認いただければ。

私はあまり「必読」という言葉を使わないように注意していますが、
この本は、noteで発信活動を行う人にとって必読だと感じました。


私はいつも「あなたの意見は?」と聞かれたとき、それがなんであれどう答えるべきか明確にしておきたいと考えていたのです。なぜならそれこそが「私」という人間だからです。

第四章 生きづらさから脱却しよう より


本を出したい


タイトルでドンピシャだったので。
これも良い本でした。今月は豊作揃い。

ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんの本です。


本を出すのに、自分で文章を書く必要はない


冒頭から衝撃的なスタート。


本書の主張は、
価値あるコンテンツさえ持っていれば、誰でも著者になれる
というもの。

そのコンテンツをどう生み出して、醸成して、企画に落とし込むか、といったことまで記載してあります。


得られた気付きも大変多くて、
名刺代わりの本を出してはならない」とか、
『私の格言』を作るべき」とか、
著者主導よりもテーマ主導で」とか。

発信をする上で目からウロコが落ちる内容が満載でした。

私は可能な限り自著はライターに委ねず、自らの手で書きたいと思ってはいます。
しかしそれでも商業出版の現状や企画の立て方を、ここまでつまびらかにする書籍は無いでしょうから、十分に価値的です。

ただし。
書店」や「編集者」といった話題が多く、昨今流行りの「Kindle出版で本を出したい!」という人には刺さらない箇所が多いので、そこだけは注意が必要です。


著者の手を離れた本は、著者が思ってもいなかった場所で、人の人生に影響を与えることがあります。そして、本に影響を受けたその人が、次に誰かの人生に影響を与えていきます。

第六部 本を出した私のそれから より


まとめ


2024年4月に読了した本を3冊、紹介してみました。

いやー、今月はホント良い読書体験ができました。

ちきりんさんと、佐藤友美さんの本があまりにも良かったので、
それぞれもう一冊ずつ読むことにしました。

Chikirinの日記の育て方』と、
書く仕事がしたい』をいま読んでいます。


◆ 現在読み進めている本の一覧も載せておきます。

5月は何を読むかまだ決まっていません。
とりあえずは進捗率が上位の2冊は読み終えたい。

ゆっくり考えたいと思います。


***


普段は読書によって得られた知見を交えながら記事を書いています。

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それでは、また。


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