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2024年7月に読了した本の紹介

2024年7月が終わりました。
仕事の多忙さも相まって、あっという間の一ヶ月でした。

今月読了したのは以下の3冊です。
それぞれ簡単に書評を書いていきます。



なお私の読書に関するポリシーが分かる記事をいくつか置いておきます。
どれか一つだけでも、読んでいただけると嬉しいです。


それでは今月もよろしくお願いします。



『1日ひとつだけ、強くなる。』


世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス認定されている梅原大吾氏(以下、ウメハラ)による自著です。

どうやってその強さを身に着けたのか。
スランプに陥ったとき、どうしたのか。
勝負の最中、なにを考えているのか。

そうしたウメハラのプロ・ゲーマーとしての「マインド」部分を豊富に紹介しています。
そこには彼なりの明確なこだわりがあって、そのどれもに意外性と納得感がありました。

「一つのことを続ける」うえでの考え方は「noteのつづけ方」にも通ずるように感じられます。「成長したい」人には良い本ですね。

ただ、自己啓発書の体裁は取っている一方で、内容は格闘ゲームにある程度なじみがないとピンとこない表現が多い印象でした。

一応注釈としての説明は付いているのですが、ストリートファイター履修済みの人じゃなくても楽しめるのか?という疑問はあり。
成長したい人のうち、ウメハラやストリートファイターが好きな人」なら絶対に満足できますが、それだとちょっとニッチですよね。

その意味で万人にはオススメできませんが、単純に「世界で最も有名なプロ・ゲーマーが考えていること」を知ることができるだけでも、十二分に価値的ではあります。


小さな成果は、誰も評価してくれない。だから、自分のやっていることは誰よりも自分が評価しなくてはならない

第四章 飽きても続ける より


『くらしのための料理学』


料理研究家の土井善晴氏による「料理学」の本。

土井さんは「はじめに」で、「日本人による家庭料理は、複雑になりすぎている」と主張します。

これは確かにそうで、

あるときは和食、あるときは中華、またあるときはハンバーグ。
レシピ投稿サイトには400万件のレシピが並んでいる。
こうすれば栄養バランスが良いとか、こうすれば時短になるとか。

そんな「息苦しさ」に対して著者が提案するのが、毎日の料理を「ご飯+具沢山の味噌汁+漬物」に絞る、「一汁一菜」というもの。

でもこれって、極端というか、「いやそうもいかないでしょ」というたぐいの提案ではあります。

でも、本書の大事なところはそうした「ゼロかイチか」の考え方ではないと私は感じました。


「料理」について正しく知って、一度、原点に立ち返る。

ああ、確かに気を張りすぎていたな」とか、
逆に「ああ、今まで料理に気を使わなさすぎたな」とか、

そんなことを考えるキッカケとしての読書になりえます。


かたや、健康に対する罪悪感に苛まれながらも、インスタントな中食でとりあえず腹を満たしている社会人。
かたや、「栄養バランス」という言葉が呪いとなって、料理そのものが苦しくなってしまっている親御さん。

「一汁一菜」は、その両者とも救ってくれる良い提案だと感じます。
類書も読んでみたいと思わせる、ステキな本でした。


家族にとっては、みんなが笑顔でいることが一番です。だから、余裕がない日は、おかずは作らなくてもよいのです。

第二章 料理には「日常」と「非日常」がある より


『私とは何か』


ここ最近の大当たり本でした。

たった一つの「本当の自分」など存在しない──

そんなまえがきから本書は始まります。


本書の目的とは「人間の構成単位を見直す」こと。
それは従来の「個人」から、「分人」へ。

分人とは「対人関係ごとに変わる自分の人格」のことを指していて、
具体的に言えば「母親に向けた分人」みたいなもの。

他にも、「兄に」「我が子に」「友人Aに」「友人Bに」「上司に」「推しのアーティストに」「行きつけのコンビニ店員に」など、一人の人間には無数の分人が備わっている

それらの分人が全て、「本当の自分」である、というのが本書の主張です。


この考え方ができるようになると、人生に絶望しなくなります。

自分のことが嫌いになりそうなとき。
特定の人との人間関係がこじれて、苦しいとき。

分人主義ではそれを「ただ一つの分人の不調」と見なすからです。
他の「調子の良い分人」に逃げ込めば良いのです。


何か一つに依存しないことの、フレキシブルさ。
自分の個性を一意に定めないことの、将来性。

誰にでもオススメできる、前向きになれる良書でした。

いま、「ワンオペ育児と分人」というテーマで記事を執筆中です。
8月のどこかで公開する予定です。


人との出会いが人生を変えるということは、よく言われるが、それは言い換えるならば、自分が抱えている分人の中で、どういう分人が最も大きくなるか、ということだ。

第二章 分人とは何か より



まとめ


2024年7月に読了した本を3冊、紹介してみました。

今月は良い読書が出来ましたね。
特に「分人」の考え方は育児を始めとした今後の人生にも活かせそうです。

その他の本も、色々と触り部分を読んでみました。


◆ 現在読み進めている本の一覧を載せておきます。

人はどう死ぬのか』と『段落論』、良い本です。読了予定。

代表的日本人』は、たびたび職場に持っていってはいるものの、文体がかなり読みづらく積読がち。

現代思想入門』や『民主主義とは何か』は気合いを入れないと読み進められないことが分かったので、仕事が軽くなる8月にある程度、読んでしまいたいですね。

逆に『物語思考』や『書く習慣』は、疲れている日でも読める感じです。


***


今回紹介した自分の記事の一覧を改めて載せておきます。
リンクから記事に飛べますので、よろしければどうぞ。

私が書籍を「全文」読んでいるワケ
読書の面白さは、自分が「にじみ出る」ことにある。
「何の役にも立たない知識」が役に立つ、その瞬間が好きだ
本日の読書 #070 「他人からのアドバイス」
本日の読書 #074 「一汁三菜と一汁一菜」
本日の読書 #071 「職業と結びつく個性」


普段は読書によって得られた知見を交えながら記事を書いています。

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先月の紹介はコチラ。

それでは、また。


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