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2024年5月に読了した本の紹介
2024年5月が終わりました。
今月読了したのは以下の3冊です。
それぞれ簡単に書評を書いていきます。
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なお私の読書に関するポリシーについては、こちらの記事をどうぞ。
それでは今月もよろしくお願いします。
成長の技法
2024年3月に紹介した、同じ著者の『教養を磨く』が面白かったので読んでみました。
社会人の成長を阻む「七つの壁」と、それを打破するための「七つの技法」が紹介されています。
特に「七つの壁」の納得感は強く、
「仕事がパターン化されてきて、臨機応変さが無くなっている」とか、
「自己流で進んできたので、今さら他人から学ぶことができない」とか、
社会人生活が長くなると必ずといっていいほどぶち当たる壁が、見事に言語化されています。
特に第四章の「我流の壁」は、全体的に共感が強かったです。
ただ、その壁を攻略する「技法」においては、抽象論が多い印象でした。
これは前に読んだ『教養を磨く』でも感じた部分だったので、おそらく著者の色なのでしょうが、具体的なものを求める方にはあまり刺さらない印象です。
またあくまで「会社員向け」の書籍であり、フリーランスには当てはまらない記述が多いです。
でも逆に「会社員という立場でしか遭遇できない壁」が分かることで、「フリーランスに足りなくなる栄養素」を知るという観点では、意義のある書籍かもしれません。
本文の内容が節のタイトルと合っていないなど、全体的な構成の違和感が強めだったのは残念でした。
「かばん持ち」とは、単なる「雑用係」ではないのです。それは、優れたプロフェッショナルから「多重人格のマネジメント」を学ぶ、最高の機会でもあるのです。
「Chikirinの日記」の育て方
先月に引き続き、社会派ブロガーのちきりんさんが書いた書籍を読んでみました。
ちきりんさんは、月間200万PVとか叩き出しているブログ界のすごい人。
そんなブログ「Chikirinの日記」がどんな経緯でヒットし、それぞれの局面でちきりんさんが何を考えていたのかが、詳細に描かれています。
発信活動において大切な着眼点がたくさんありました。
ただこのちきりんさん、かなりトガった考え方を持っています。
具体的には「行動の選択を常に "それがブログの読者を増やすか否か" で判断する」というもので、
それゆえに本書の記述も、めちゃくちゃ参考になることもあれば、それはトガりすぎでしょと思うものもあります。
また個人出版ということもあり、文体も読みやすく整えられてはいません。
ただ一つ確実に言えるのは、著者は自分の「軸」を何年も貫き続けて今がある、ということ。
それが発信を続けていくモチベーションになったのは間違いないので、noteを続けていきたいなら読んでおいて損はないように思います。
そういう意味で、290円は破格かと。
今は何万人もの人に読まれている「Chikirinの日記」ですが、最初の3年間はほとんど読者のいないブログでした。またそれ以前には、誰も読まない紙の日記を何十年も書いていました。
頭のいい人が話す前に考えていること
ずばり、ベストセラーだったので読みました。
ベストセラーは「なぜベストセラーになったのか」を考えながら読むと、問答無用で得られるものがあるので、よく読んでいます。
たとえば
「国民がいま、最も関心のあるジャンルは何か」
「多くの人が目に留めるタイトルや表紙の構成」
「書籍の良さを全面に押し出す売り方」
みたいな。
さて本書は「頭のいい人は普段なにを考えているのか」というテーマのビジネス書です。
「おわりに」には、
本書は、私がコンサルタントとして得た知見を、だれでも、どの業種にでも、どの時代でも役に立つように、プログラムしたビジネス書です。
とあります。
そのせいか全体的に風呂敷を広げすぎて、それらに一本串が刺さっている感覚はあんまり感じられなかったです。
ただ要所要所で出てくるエピソードには役に立つものが多かったです。
ダニエル・ゴールマンの話とかラズロ・ボックの話とか。
頭のいい人は「この言葉を使ったら相手がどのような意味にとらえるか」まで想像して言葉を選び、定義が曖昧な言葉は使わないか、言葉の定義をはっきりさせることから始めます。
まとめ
2024年5月に読了した本を3冊、紹介してみました。
今月の読書体験は落ち着いてましたね。
先月の収穫が上振れていたので、バランスが取れています。
◆ 現在読み進めている本の一覧も載せておきます。
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6月は今読んでいる『日本語の作文技術』と『米の日本史』を読了したいですね。
触りだけ読んだ感じだと後者は骨太なので、7月にずれ込む可能性もあり。
いま購入を迷っている本はどちらも新書で、石黒圭さんの『段落論』と、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。
余力があればこれらの2冊も手を付けたいところ。
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先月の紹介はコチラ。
それでは、また。
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