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「生きる はたらく つくる」

先日、LEEの最新号を読んでいるとき、この本が出たことを知った。

「生きる はたらく つくる」

ミナ ペルホネンの皆川明さんのロングインタビューを元にして書かれた本だそうで、先日入手してからあっという間に読み切ってしまった。

これまで皆川さんの本は「ミナを着て旅に出よう」など複数冊読んできたが、ご本人の経歴や感じていた事がここまで赤裸々に書かれているとは思わなかった。

泥団子づくりが好きだった幼少期から始まり、スポーツ(特に長距離走)に夢中だった学生時代、ヨーロッパや北欧での旅をきっかけにファッションの道に進むことになり、そしてミナ ペルホネン(最初は「ミナ」のブランド名だった)を立ち上げ、100年続くブランドを目指してこれまで、そしてこれからをどう取り組んでいくかが、ご本人の言葉で書かれている。

ミナ ペルホネンというブランドが皆川さんただ一人の力だけではなく、古くからのスタッフ(特に長江さんや田中さん)、取引先、はたまたミナを立ち上げる前に勤めたブティックや、ブランド立ち上げ直後からお世話になっていた魚市場時代の大将まで、いろんな方に支えられ、そしてファンによって育てられたブランドであること。一方で100年つづくブランドにするために皆川さんの指針が明確に書かれていること。この2点が強調されている印象を持った。

個人的には、魚市場の大将にマグロを捌く際に、少しも身を無駄にしないように捌くことを叩き込まれた事が、ミナで行われている余り布を無駄なく使った製品の作成につながっている事が印象に残った。

わたしは皆の過去の展覧会である「ミナカケル」(2015年)、「つづく」(2019年)に足を運んだ事がある。過去のワンピースのアーカイブを集めた部屋で、たまたま居合わせた女性の方が「ずっとここにいたい」と呟いたのを聞いて、同じ気持ちだなあと思ったことを今も思い出す。

因みに私は恥ずかしながらミナの服は一枚も持っていない。

ミナの洋服は布地をデザインした上で洋服や小物を作るので、それなりにお値段が張る。

しかし、過去の展示会などで記事がどのようにデザインされ、作られているかを映像などで見た事があるので、それを考えるとこれだけの手間やコストを掛けているので、価格は妥当だなと思う。

そのため、わたしが持っている製品は手拭い、ブローチ、風呂敷、といったものが中心だ。そして一番付き合いが長いのがほぼ日手帳のカバーだ。

手帳カバーは2011年に発売されたもので、(非推奨だが)カバーオンカバーを掛けて2、3年周期で愛用している。ペン差し部分がボロボロになりつつあるが、ひとめ惚れで買ったので、手放すつもりはない。

これからも愛されるブランドでいるため、皆川さんが考えていることをこの本を通じて知って欲しいと思う。そしてわたしは、いつかミナのワンピースをまとうことを夢見ている。



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