他者信頼について〜信用と信頼は何が違うのか〜
『自己への執着』を『他者への関心』
に切り替えていくとき、
絶対に欠かすことのできないのが、
〝他者信頼〟である。
ここでは『信用』と『信頼』とに
区別して考える。
まず『信用』とは、
条件付きの話である。
英語でいうところの〝credit〟である。
一方 『信頼』とは、
信じるにあたって
いっさいの条件をつけないこと。
アドラー心理学では、
対人関係の基礎は、
『信用』ではなく『信頼』によって
成立していると考える。
もちろん、
いっさいの条件をつけることなく
他者を信じていたら、
裏切られることもあるが、
それでもなお信じ続ける態度を
『信頼』と呼ぶ。
私たちは無条件の信頼を置くからこそ、
深い関係が築ける。
無条件の信頼とは、
対人関係をよくするために
〝横の関係〟を築いていくための
『手段』である。
裏切るのか裏切らないのかを
決めるのは、他者の課題であり、
自分はただどうするかだけを
考えればいい。
裏切られたときの心配や、
そこで受ける傷の痛みにばかり注目して
信頼することを怖れていたら、
結局は誰とも深い関係を
築くことができない。
裏切られることの恐怖を踏み越える勇気は、
〝自己受容〟から出てくる。
ありのままの自分を受け入れ、
『自分にできること』と『できないこと』
を見極めることさえできれば、
裏切りが他者の課題であることも
理解できるし、
〝他者信頼〟に踏み込むことも
難しくなくなる。
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