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【映画妄言】 蓮實重彦 は映画『KING OF PRISM Dramatic PRISM.1』(キンドラ)の新宿バルト9応援上映に今日行くべき #kinpri


『KING OF PRISM Dramatic PRISM.1【応援上映】』 監督 菱田正和
新宿バルト9で観賞(公開初週土日)

蓮實重彦先生に、言いたいことがありまーす!


な〜に〜?


映画『KING OF PRISM Dramatic PRISM.1』の、新宿バルト9【応援上映】に、今日行ってくださ〜い!


他の映画評論家のみなさんも、まだ行ってなければ今日これから行ってくださ〜い!


はーい!🌈

新しい映画の楽しまれ方【応援上映】

 映画の【応援上映】は、新しい映画の上映形態であり、楽しまれ方です。

映画館の中で上映中、登場人物に「がんばれー!」と文字通り応援したり、ペンライトを光らせて振って応援したり、見せ場がキマれば拍手をしたり、時には一緒に歌ったり、急に知らない人物が登場したら「だれ〜!?」と素朴な疑問を口にしたり、そういう感じの声出しや音出しが、オフィシャルとなっている上映形態です。

【応援上映】を初めて聞いたという方はピンと来ないかもしれないので、下記の紹介動画をご覧ください。

現在の形の【応援上映】になる前

 現在の【応援上映】の前にも、ウルトラマンなどの子ども向け映画では、クライマックスのピンチの時に、子どもたちから自然と「がんばれ〜!」と応援の声があがることはありました。

また、アニメ『プリキュア』シリーズの劇場版では、お子さま限定の入場者プレゼントとして、応援用の光るグッズが配布される場合が多いです。

『プリキュア』映画の中には、子ども達の応援を前提に作られている作品があります。終盤、プリキュアが絶対絶命。すると、妖精など劇中のキャラクターが突然、スクリーンのこちら側の観客を見て「みんなも一緒にプリキュアを応援して!」などと話しかけてくるのです。作品が「子どもたちの応援込み」で設計されています。

現在の【応援上映】の祖キンプリ

 ① その「観客の応援を考慮した設計」を映画全編に組み込み、さらに、② イベントではないレギュラーの上映方式として通常上映とは別に【応援上映】をプログラムした。そんな映画史に残る画期的な作品が、キンプリの第1作『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(2016.監督 菱田正和)です。

伝説のはじまり

 私は当時、Twitterで流れてきた感想レポートマンガを読んで気になり、深夜の新宿バルト9に観に行きました。劇場の中では驚愕・爆笑・興奮・感動・喜びの入り混じった嵐のような、信じられないことが巻き起こりました。

バルト9のエレベーターを降りた私は呆然。そのまま何も考えず自然な流れで、新宿から徒歩で1時間半くらいかけて家に帰りました。全く疲れは感じず、そもそも何故歩いているのか疑問にも思いませんでした。はじめて体験するタイプの衝撃に、頭を灼かれていたのです。

この衝撃を私たちは劇中の用語になぞらえ

プリズムの煌めき 

と呼んでいます。

プリズムの煌めきは、私の幻覚ではなく、キンプリ初見の方の感想に頻出する集団幻覚です。

プリズムの煌めきに灼かれた人々

プリズムの煌めきには中毒性があり、浴び方によっては、新宿バルト9に毎日通うようになってしまう方もいらっしゃるようです…

「プリズムの煌めき=映画の魔法」説

 映画好きの中には、自分にとって本当に素晴らしい映画を映画館で体感した際に、映画と自分が一体化するような、脳みそがスパーキングするような衝撃を受ける経験をしたことがある方もいるのではないかと思われます。

私もこれまで、様々な映画から衝撃を受けてきました。

ゼロ・グラビティ【IMAX 3D 】』(2013.監督 アルフォンソ・キュアロン)を体験した直後、脳が宇宙空間に適応しニュータイプに覚醒。距離感がバグり、500メートルくらい先のビルなら手を伸ばせば触れそうに錯覚。それが1時間続き、箕面のモールをウロウロする。

マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015.監督 ジョージ・ミラー)初見時は、脳みそが超前向きに沸騰。下ってくるエスカレーターの意味が分からなくなり。何度も駆け上がりそうな状態で有楽町をウロウロする。

シン・ゴジラ』(2016.総監督 庵野秀明)を観た時は、初見からすぐに5回観賞。それだけに飽き足らず、映画そのものへの興味関心が爆発。そこから3年くらい、映画のことで頭がいっぱいになり、ヤバい時期は映画館で1日に映画を8本観るような、Twitter映画アカウントになってしまう…

 そういった(←?)、映画館でのみ発露される映画の持つ不思議な本気パワーのような何かを、大林宣彦監督は「映画の魔法」と呼んでいました。

 また、遺作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年)の作中や、そのインタビューでは
「映画は他人事が自分事になる」と述べています。

キンプリ【応援上映】体験によるプリズムの煌めきも、スクリーンの出来事が観客席にまで侵食し、他人事が自分事となる、新種の映画の魔法の可能性があります。

もしかすると、この魔法が発展していけば、サイレント映画からトーキーになったくらいの新しい可能性を秘めているかもしれません。それくらい凄い作品ですが…

ファン以外まだ観てなさすぎる

 アニメ『キンプリ』ファン(通称プリズムエリート)たちは日々、プリズムの煌めきを広めるべく、主に近似ジャンルのアニメファンの知人友人を中心とした布教活動を行っています。しかし、それだけではアニメファンの狭い範囲にしか伝わりません。

作品の達成した凄さと比べて、観た人の数も作品への評価も批評も全く足りていません。

映画評論家は全員観るべき映画

 キンプリが【応援上映】を開拓して以降、【応援上映】的な楽しみ方は映画界隈に広まりました。

V8J絶叫上映企画チーム を中心とする方々によって、新作から過去の名作まで、様々な作品の応援上映(名称は作品による)が、楽しいイベントとして開催されています。

また、他のアニメ作品や、有名な作品では『ボヘミアン・ラプソディ』(2018.監督 ブライアン・シンガー)のように、オフィシャルで【応援上映】を行う作品も出てきました。

この記事をお読みの方の中には、それらの【応援上映】に参加して楽しかった方もいるかもしれません。

そういう方も含めて、【応援上映】の祖であるキンプリの、オリジナルの プリズムの煌めき をぜひ体験してほしいと思い、この記事を書いています。

蓮實重彦さんが『ショットとは何か 実践編』(2024.講談社)で評論している、エリック・ロメールのような、優雅な計算による偶然を捉えたショットも無い。ロベール・ブレッソンのような、視覚が現在を無媒介的に享受しうるという感性と持続との一体感のあるショット も無い。

というか、蓮實重彦さんが言うところの「ショット」が無いかもしれない…

そんな映画に、謎の プリズムの煌めき を感じて、新宿バルト9の箱に通い詰めるほど魅了される人々がいる。

公開から20日経った新宿バルト9夕方の回
埋まりつつある

そんな新しいタイプの映画に隠された魅力の謎を解き明かせるのは、映画評論家のみなさんかもしれません。

映画評論家というのは、評論で報酬を得ているプロの方に限りません。SNSやYouTube、映画サイトやアプリなどで映画の感想を発信している皆さんも、映画評論家です(例えば、チケットを売らずに趣味で音楽をやっている方だってミュージシャンです)

ぜひ、【応援上映】の参加人数が減って熱気が静まってしまう前に、新宿バルト9など観客の集まる映画館で、キンプリの【応援上映】を体験してみてください。何も予習しない方がいいです。

どうかキンプリをよろしくお願いいたします。


↓私の映画などの感想記事まとめです








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kuramaippei@tenguotoko
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