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2024年を読んだ本でふりかえる④

 去年の夏場まで、1週間に1回のペースで図書館に足を運んでいた。単純に、日本語の本が読みたくて仕方がなかったからだ。

 日本から持ってきた本は、すべて読み終わってしまったし、新刊を日本から取り寄せるとなると高額な送料を負担しなければならないから、電車やバスを乗り継いでても行く価値があった。

 しかししばらくたってからは、電子書籍でもいいかなと思えるようになった。出かける時間を節約できることで、その分仕事やその他の私生活のことに時間を割けるようになった。

 だが、私の図書館への熱は冷めたわけではない。私は昔から「図書」と名前の付くもの、場所、それらに関することに対しての愛がある。

 図書館が家だったら、とか。
 世界の図書室にどこでもドアで行けたら、とか。

 子供じみた妄想を繰り広げることもある。

 小~大学までどこの図書室でも、私は自分だけのお気に入りのスペースを作っていた。

 小学生の時は、絨毯が敷かれたスペースであったし
 中学生の時は、薄暗い部屋の隅っこであった。
 高校の時は、暖房の効いたソファーの一角。

 大学生の時は、そこでの勉強時間も増え資料を広げられる大きなテーブルスペースが私の居場所だった。

 そんな長年の一風変わった「愛?」をリフレインさせてくれるのが、今日紹介する作品である。

#4  図書館のお夜食 原田 ひ香

 4冊目は、2024年1月9日に読了した『図書館のお夜食』

 2024年、読了4冊目。図書館や図書室を舞台にしたお話が好きで読み始めた。まかないに出てくる数々の美味しい料理も料理好きにはたまらないところだが、何よりも、物語終盤で、図書館設立の裏側が暴かれていくの良かった。引っかかっていたものが一つにまとまっていく感じがして爽快だった。色々な立場の人が集まり合って、ドロドロするのではなく、ほっこり温かく関わり合っていくスタイルも好きだなと感じた。読書って色々な側面があるけれど、久しぶりに充足感のみで読み終わった作品だったと思う。作者の次回作も楽しみ。

『図書館のお夜食 (一般書)』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み - 読書メーター

居場所だった図書館の裏側を知る

 図書館設立の裏側が、人々との愛や想いの中で繰り広げられていくこの作品は、1年近く経った今でも、心の中に波紋を呼び起こすような錯覚を覚える。ドロドロしないそのかたまりは、私が図書館が好きだから感じるものなのかもしれない。

 原田ひ香さんは、ここ最近読み始めた作家さんで、これからの作品にも目を向けていきたいと思っている。

 ちなみに、図書館司書の視点で、図書館のある意味の裏側を知りたい人はこちらの作品もおすすめ。こちらもハートウォーミングなお話なので、寒さで冷えた体と心に沁みるはず。

 では、明日は#5 こういうミステリーもあり!?でお会いしましょう。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。三日坊主を卒業して、4日目をひた歩いています。


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家出猫
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