見出し画像

心があたたかくなる1冊

 夏疲れなのか、心の先っぽまで暑さと反比例して冷えを感じる今日この頃。「今日は無理かもしれない。」という心の直感的な自分へのサインは、見逃さないようにしたほうが良いようです。

 心が傷ついたときは、自分の内なる声に耳を傾け、一人静かに自分と向き合うことがとても大切だと思うのです。そんな時、「読書」が傷つきやすい自分の傷口への処方箋になることがある、と強く思っています。

 今日は「心があたたかくなる1冊」と題して、私の心の友ともいえるお気に入りを紹介していきます。今日もどこかの誰かの心の端に、届きますように。


心のリカバリーはこちらで

 私にとってのリカバリー・カバヒコはかつて共に暮らした愛猫だったと思う。彼女は、猫だから猫らしくきままに自分の時間を生きていた。触るとふんわりして柔らかくて温かい。毎日の私の疲れを吹き飛ばしてくれる存在だった。リカバリー・カバヒコに出てくる主人公たちは、様々な年代、性別だからこそ、生活の中で感じる様々な思いや悩みに共感できる。青山さんのファンで本作を読み始めたが、読んで本当に良かったと思う。彼女の作品は、言葉の隅々まで温かく私の心をさらにリカバリーしてくれる。あなたのリカバリー・カバヒコも見つかるといいな。

『リカバリー・カバヒコ』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み - 読書メーター (bookmeter.com)

1000円で幸せな日々

 朝からほっこりと清々しい気分で読了。シリーズ1も読んでいたのに、真似して実践していなかったなあと反省。今週末に1000円ごほうびをやってみようかなと、再び思い始めています。物価高なので1000円でできることは限られますが、その1000円の価値や中身を吟味することで、味わいが深まりそうです。イラストのタッチもふんわりしていて目にも優しい一冊です。

『わたしの1ヶ月1000円ごほうび 2巻』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター (bookmeter.com)

食べ物が紡ぐ物語


 私は離婚をしたことがない。だから、みさえが「カワイ子ちゃん」と呼ぶ主人公・沙也加の気持ちを理解することはできないと思いながら読み進めていた。相手の気持ちを慮ったり、推し量ったりすることで、人と人とは上手にかかわりあっていくが、それは本の中の登場人物でも同じことがいえるのではないだろうか。彼女の気持ちが理解できたのは、定食屋「雑」での夫とのやり取りであった。彼女は、訪れた夫に離婚届を手渡す。「ん?今のお客さんは?」「間違えましたって」「え」「いろいろ間違えちゃったんだって」短いけれど深い想いが伝わった場面。

『定食屋「雑」』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み - 読書メーター (bookmeter.com)


目に見えなくともそこには

庭が舞台のお話というと、大好きなバーネットの秘密の花園を思い出す。そんな淡い優しい気持ちに包まれながらこの本を手にした。主人公のとわ後に十和子は、目が見えない。母からのいわゆる今で言うネグレクトを受けて育つ。波瀾万丈な人生のエッセイのような一冊のようにも感じるし、後半の盲導犬ジョイとの幸せに満ち足りた日常の回顧録にも感じる一冊である。お話の終盤で十和子は、30歳になる。一日一日を生きていくことの大切さを私たちに伝えてくれる。夜空に新しい星座を自分自身で生み出す、そんな人生を私も送りたいと感じた。

『とわの庭』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター (bookmeter.com)

楽しいから笑うんじゃなくて・・・


 不思議な縁を感じる本。何度も、書店でも図書館でもタイトルも装丁も見てきたのに、これまで手に取ることはなかったから。今回この本に手が伸びたのが、自分でも不思議に思う。「人はな、楽しいから笑うんやないんやて。笑うから楽しくなるねん。」その通りだなと思う。人生最期の日まで、自分らしく生きるにはどうしたら良いか、そんなことを改めて問い直してくれる。自分の人生の主人公は自分である、だから悔いのないように生きていきたいと改めて思うことができた。気が付いたら、涙で目の前が見えなくなったのはここだけの秘密にしてほしい。

『ライオンのおやつ』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み - 読書メーター (bookmeter.com)


いいなと思ったら応援しよう!

家出猫
サポートありがとうございます。感謝です。

この記事が参加している募集