はじめに
この記事はその①、その②、その③の続きのお話です。まだ読まれてない方は必ず先にその①、その②、その③を読んでから読んでみて下さい。
登場人物の紹介
その①でも紹介しましたが、今回は対話形式で書いてみたので、登場人物だけ紹介しておきます。3人登場します。(その②以降はほぼ2人ですが…)
エンジニア:Eさん
Eさんの評価者:Sさん(非エンジニア)
Sさんの友人のエンジニアマネージャー:Mさん
簡単なあらすじ
Eさんやエンジニアから退職され、途方に暮れたSさんは、元同僚で今は別の会社でEM(エンジニアマネージャー)をやっているMさんと飲みに行って相談して、これまでの経緯を聞いてもらって、コミュニケーションを中心にいくつかアドバイスを貰ったのでした。詳しくはその①、その②を読んで下さい。
Sさん:「実はさ・・・カクカク・シカジカ・・・何が駄目だったのかな・・・」
そのあとMさんからいくつか意見(その②、その③を読んで下さい)を貰ったあと、その意見を元に実践してみたのでした。
退職エントリー!?
Sさん:Eさんがいなくなったあと、Mさんのアドバイスを自分なりに考えて、しっかりエンジニアの話を良く聞くことにしました。マーケや営業との間にもしっかり立って、できるだけエンジニア達が開発に集中できるように立ち回ってみたところ、今までとは全く違うレベルで信頼関係を結べてる実感がありました。
その甲斐もあって、中核だったEさんがいなくとも、なんとか残ったメンバーで頑張って開発速度を速めようとしてくれました。
ただ、Eさんの抜けた穴は予想以上に大きいことも分かってきました。今まではコードレビューを必ずEさんが行ってくれており、新人は知らないような仕様やコード、関連性などを的確に指摘してくれていたおかげで、不具合を未然に防ぐ事ができていたのですが、最終防衛ラインだったEさんのチェックが無い事でのリスクがだんだんと浮き彫りになってきました。
ついには不具合も増え、営業やマーケとの関係性も更に悪くなりました。Sさんも間に立って頑張りましたが溝は深まるばかりです。他のエンジニアも疲弊してきたのか、その後Eさんを追うように退職が相次ぎました。
Sさんは、経営側からはマネージメントの責任を問われてマイナス評価です。
分からないのはエンジニアの退職理由で、Eさんと同じく目立った不満がある人があまりいませんでした。多少の不満を言う人も中にはいたものの、それが退職の理由では無いと言っており、改善しようにも何が問題なのか全くわかりませんでした。
Sさん:「ほんとは不満があるんじゃないのか?あるなら言ってくれよ、分からないよ!」
と思いながらスマホで検索していると、エンジニアが書いてる「退職エントリー」なるものを見かけました。
そこにある不満が「うちの会社っぽいなー」とも感じたので、「これうちのエンジニアかな・・・」と思いましたが、社名が書いてなかったので、特定は出来ませんでした。うちの社名が載ってたら、採用でも余計うちに来てくれなくなるのではとゾッとします。また久々にMさんと飲みに行って聞いてみよう、と思いました。
他にもある特徴
早速質問です。
Sさん:「ちなみにさ、最近エンジニアの『退職エントリー』の記事をよく見かけるけど、なんで退職するのにああいうの残すんだろう。不思議だったんだよね」
Sさん:「オープンソースってあれでしょ、Linuxとかでしょ?確かうちのサーバーもそれだった気がする」
Sさん:「そうか、そう言われると、何で作られてるか知らないし、どれくらい恩恵受けてるかも知らないし、どういうところに協賛すべきかも分からないな・・・とても理解がある会社とは言えないかも」
Sさん:「エンジニアの人はよく記事を書くなーとも思ってたけどそういう背景はありそうだね。なるほど、退職エントリーもその延長ってことかい?」
Sさん:「なるほどねー・・・全然知らなかったなー・・・
そういう特徴を知らずに今までマネージメントしてきたのかと思うと、退職されても仕方ない気がしてきた💦」
Sさん:「いや、うちはプロダクトの開発が止まったのは結構インパクトあったので、そういうわけには・・・」
Sさん:「ううー、ここにきて『人として』が自分に返ってきたなー。指摘していた俺も出来てないんじゃないかって言いたいんだろ?Mさんこういうとこあるよな・・・」
Sさん:「まぁ、でも確かにその通りだとは思うし、自分も頑張ってまずは理解者になるところからやんなきゃだなー」
上手な会社や上手な人の事例
Sさん:「へー、ネットフリックスもセールスやマーケとエンジニアでいろいろあったのか・・・こんな有名なIT会社でも似たような事があるんだね。うちで起こるのも当たり前って思えて、少し勇気もらえるな。
そこからちゃんと克服してきてるなら、うちにもできるかな」
Sさん:「確かに姿勢は伝わるもんなー・・・」
その⑤に続く・・・