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子育ての詩

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子育ての詩をまとめました。
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詩「きみが指差すもの」

詩「きみが指差すもの」

そら
ねこ
とり
はっぱ

きみが指差すものは
どれも名付けられたものだと
そんな
当たり前みたいなことに
今さら 気がついて

まだ 名付けられていない
 −たとえば 感情
の、瑞々しさをおもう

どんなひとにも
正しく 降り注ぐ
「いま」

そのまんなかに
向かおうとする心の
うつくしさ

どうか きみだけの
悲しみでありますように
喜びでありますように

詩「ゆめ」

詩「ゆめ」

きみが
ねむるまえ
うれしいきもち
たのしいきもち
じゆうなきもち

サンタクロースみたいに
ふくろいっぱいにして
ゆめのなかで
とりだしていたら
いいな
いいな

詩「日常」

詩「日常」

娘がうまれた

母親になった私の
真っ白な落書き帳に
きみは 色をのせていく

力強い大粒なみだ みずいろ
弾けてくわらい声 きいろ
全身で示す不服! あかいろ
にんまりほっぺ ピンクいろ

真っ白だと思っていた
私の落書き帳に
これでもかってくらい
きみは 色を重ねてくる

私は オロオロと
まるで ぎこちない餅つきみたいに応える

ぐちゃぐちゃで とっ散らかった
「日常」

それは
タ焼けより

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詩「生後十ヶ月」

詩「生後十ヶ月」

生後十ヶ月

拍手をおぼえた

おむつのときも
ごはんのときも
泣いてるあいまも

両手を合わせて パチパチ
うれしくって たまらないかのように

その不意打ちの「賞賛」は
さっきまで 怒っていた
わたしの心に 投げ込まれて

ほんのちょっとだけ
母としての わたしを
讃えたくなるような

一輪のお花みたいで

詩「あそぶ」

詩「あそぶ」

あそぶ

ひろって おとして
たたんで ひろげて
かさねて たおして
のぼって ぶつけて

りんりん
ちりりん
りりん

ちいさな 手から
やわらかな 足から
まあるい 背中から

きこえてくる
鈴のような
生命の おと

詩「赤ちゃん」

詩「赤ちゃん」

あかちゃん わらう

カラフルの ふうせん
パチン! と
われる みたいに

あかちゃん なく

いのち いっぱい!
ひびかせて

じょうずに お空を およいで

すやすや
ねがおの ひとやすみ

あかちゃん

この ちきゅうの
おかあさん

詩「あかちゃん」

詩「あかちゃん」

おなかがすいて
あまえたくて
ねむくって

なく なく なく

かこも みらいも
しらないと いうように
めいっぱい 
いまを つたえている

ねえ あかちゃん

わたしも
いまを かえせている?

かこにも みらいにも
いいわけ しないで