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『顧客からファンを生み出すBtoBコミュニティ戦略 守破離の書』第1章・無料全文公開

8月29日発売の書籍『顧客からファンを生み出すBtoBコミュニティ戦略 守破離の書』から、第1章「「守」の章 ~オンラインファースト・コミュニティマネジメントを理解する~」を全文公開!

なぜコミュニティをやるのか

【継続的な収益を生み出すサイクル】

コミュニティの価値とは、「企業の価値を最大化するために必要な手段や場所の創出」であること。

取り組む意味としては、「顧客に製品やプロダクトを愛していただき、半永久的に企業とお客さまの関係を持続していくことで、長期的な利益を生み出すこと」です。
従来の顧客コミュニケーションは、営業時の商談やサービス説明であったり、何かトラブルがあったときのサポートや解約時のコミュニケーションをとったりすることが主流でした。
昨今はインターネットなどのデジタルを使うことが当たり前になっており、SNSを含めた情報の簡易的な取得や影響力のある発信を個人で行うことが可能となりました。
差別的な発言をした某社が不買運動を起こされたり、いち個人が発信した商品がバカ売れしたりと、個人の発信や口コミが企業の売上を左右する事態に発展することも珍しくありません。ニューノーマル、アフターコロナ、ウィズコロナといわれる時代、デジタル化はより加速し、オンラインがもつ企業戦略の重要性は高まり続けています。

いち個人、いちユーザーに刺さるデジタル戦略をいかに生み出せるかが今後の企業存続・繁栄の主軸になっていくことでしょう。
それでは、デジタル戦略のひとつとしてのコミュニティが生み出す接点や効果とは何か? 具体的に示すと次のようなことが挙げられます。

●顧客との新たな接点創出(1:Nの拡充やN:Nのコミュニケーション創出)
●カスタマーサポート工数の削減
●契約直後から活用までをスムーズにフォロー
●緊急度の高いトラブル対応ではむずかしい範囲の顧客要望や質問の聴取
●イベントを組み込むことで、相互コミュニケーション体制の創出
●エンゲージメント強化策(第1章4節を参照)の推進を果たすことで、継続的かつさらなる利益創出

などといったさまざまな接点創出を可能にすることから、長期的な利益を生むためのロードマップを組むことが可能です。

ユーザーコミュニティに触れるにあたっておさえておきたいものに、「カスタマーサクセス」という概念が必要になります。昨今、月額課金などの継続収益型モデル、いわゆるサブスクリプション型のビジネスで重要視されてきています。サブスクリプションに属さないビジネスモデルでもその考え方が広がり、組織構築に活用されているのです。
カスタマーサクセスとは、直訳すれば「顧客の成功」ですが、簡単にいえば「顧客企業の価値を最大化するために自社のプロダクトをどう活用するか」にフォーカスをあて、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を高め自社利益も最大化する。つまり、顧客と企業がWin-Winとなるような関係づくりにおける、すべての活動や概念を指しています。
従来のカスタマーサポートの延長線上に、組織としてカスタマーサクセスが部署として創設されることも多くなってきています。カスタマーサポートとカスタマーサクセスは言葉こそ似ているものの、まったく違うアプローチです。

この点について詳しく知りたい方は、私のnoteを見ていただけるとうれしいです。

「ユーザーコミュニティ」に、なぜ「カスタマーサクセス」の概念が必要なのでしょうか。その答えは、ビジネスにおけるコミュニティの運用において、カスタマーサクセスの概念やその効果が切っても切れないものだからです。
カスタマーサクセスの部門としての活動起点は契約開始後にはじまります。

カスタマーサクセスを語るにあたって、サブスクリプション型ビジネスモデル、とくにSaaS(Software as a Service)業界において教科書の呼び声が高い書籍として『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(福田康隆、翔泳社)が挙げられるでしょう。
マーケティングがリード(見込み客)を獲得し、インサイドセールスが契約意欲を高め案件化し、セールスが受注数を積み上げ、カスタマーサクセスが継続数を増やすことで事業成長していくモデルを体系化しています。
継続数のほかに、アップセル、クロスセル、リファラル(紹介)、などといった売上や新たな顧客を生み出すにあたって、既存顧客向けの「カスタマーマーケティング」という概念や取り組みも浸透してきています。

また、ユーザーコミュニティはカスタマーマーケティングと親和性も高くなるのです。コミュニティ施策のみを切り出して「コミュニティマーケティング」といわれることも多く、とくに本書のテーマでもある既存顧客向けの「ユーザーコミュニティ戦略」にアプローチする企業も増えています。
BtoBビジネスでは、2019年に上場を果たした名刺管理ツールでおなじみのSansanや、熱狂的なファンが多いことで知られるサイボウズもユーザーコミュニティ戦略に力を注いでいます。

ユーザーコミュニティ戦略が生む成果を解説する前に、企業の売上を最大化するためにSaaSの事業活動に必要なモデルとして『THE MODEL』からさらに踏み込んだものを図示してみましょう。

『THE MODEL』は、非常に優秀な組織の仕組み、業務分掌、カスタマーサクセスの概念、などを提示していることは間違いないでしょう。しかし私のまわりでは、仕組みのマネをしている企業が本質を読み解けずに失敗し、カスタマーサクセスの活動から手を引く、といった話を耳にすることがありました。

業務分掌の結果、分業になりすぎてしまい、連携がうまくできず、部署としての活動も機能させられない場合に本体制が崩れるおそれはあるでしょう。
カスタマーサクセスの指標である継続数の先にあるアップセルやクロスセルなどの「エクスパンション」や、前年度の顧客の当月MRR(月間経常収益)/前年度の顧客の同月MRRで計測される「NRR(既存顧客の売上を前年比で維持、または成長できているかを計る指標)」を組み込み、事業を継続的に成長させる必要があると捉えていただくとよいかと思います。
名だたる企業も取り組んでいる点からも、すでにユーザーコミュニティ戦略の必要性を感じはじめている方、すでに取り組んでいて本書にたどり着いた方もいることでしょう。

ユーザーコミュニティが生む成果とは、具体的にどういったものなのか。先の図から紐解くと、紹介や口コミといったリファラルリードや、製品・プロダクトに対するファンや熱烈な支援者が生まれてくるアドボケイトから、事業の売上に効果を発揮します。

費用対効果の側面から見れば、ユーザーコミュニティツールを提供しているコミューン株式会社の海外コミュニティのレポート分析を参考にすると、1年目のユーザーコミュニティでも費用対効果は初年度で+700%弱、長期的に見た全体平均値でも+6,469%もの成果を生むことを取り上げています。
分析対象が海外事例のレポートである点は、とくにBtoBユーザーコミュニティの日本国内の事例が圧倒的に不足しており、データとして公開されているものがほとんどないことが大きくあります。
海外事例のデータを鵜呑みにして、組織や部門のKPIを費用対効果のみで設計することは、失敗したときのカバーができなくなる危険があるのです。そのため、個社ごとに独自で数か月程度の実施検証を十分に行ったうえで、KPIなどの指標を設計することをオススメします。

とはいえ、うまく運用さえすれば、ユーザーコミュニティ戦略が多大なる費用対効果を生み出すことは日本国内でも成果を上げてきた企業があることからも期待していいと思っていただけたのではないでしょうか。
ユーザーコミュニティの成長には時間がかかるため、決して短期的な戦略として見ずに、中長期で取り組むことが成功させるための大前提となります。ここをしっかりおさえておきましょう。

ユーザーコミュニティの意義と目的

ユーザーコミュニティの意義や目的とは何かを、新規顧客向けと既存顧客向けの両方を説明すると幅広くなりすぎてしまいます。そのため、この節では既存顧客向けやカスタマーマーケティングにおいての視点で、ユーザーコミュニティの意義と目的を紐解いていきましょう。

ユーザーコミュニティの最大の意義は、エンゲージメントの向上を図ることにあります。アドボカシー(擁護や支持)の創出ともいえますが、いったいどういった意味でしょう。「殿様商売」と聞いたとき、あなたにはどのようなイメージが思い浮かぶでしょうか?

「旧態依然とした企業文化」「お客さまをないがしろにしてそう」など悪いイメージが多いと思います。
殿様商売とは、買いたいものや求めているものがA社にしかない場合に、勝手に売れる商材やサービスになればなるほど起こりやすい状態です。
しかし、昨今はIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が加速してきており、サーバーや情報システムを個社ごとに管理していた時代からクラウド管理の時代に変わり、競合サービスが出現しやすくなっています。
加えて多種多様なSNSがあります。X(旧Twitter)やInstagramなどのほかに、YouTubeで動画投稿をすることも当たり前になってきており、個人の発信や口コミがビジネスに大きな影響を与えるようになっているのです。

クラウドに限らず、製品・サービスはよりユーザーやお客さまに寄り添っていかなければ他社にお客さまが簡単に奪われてしまう時代。逆をいえば、「よりお客さまの心をつかんだ企業が成長・繁栄する」ともいえます。
ユーザーコミュニティの目的はまさしくここにあり、エンゲージメント向上に寄与するユーザーコミュニティ戦略は、企業がお客さまの心をつかむにあたって必要不可欠なものになっているのです。
また、ユーザーコミュニティ内にサポート機能を設けることで、これまで1:1や1:Nだったカスタマーサポートの対応がN:Nのコミュニケーションも図ることが可能となります。

工数の削減や効率化、アドボカシーやファン顧客が生まれることによって、ユーザー同士の解決の創出も図れるため、エンゲージメント向上とコストカットの両軸にアプローチをかけることもできます。

企業のフェーズや状況により、サポート機能を盛り込むかどうかは意見が分かれることでしょう。しかし、より多くのお客さまをコミュニティへ誘導できるため、自己解決や知見共有のコンテンツとともに、企業へ質問や相談が直接できるようなカスタマーサポート機能を可能な限り準備するとよいです。
むずかしい場合は、プロダクトの画面上や、お客さまがふだん利用される製品ページから、コミュニティへの導線を担保してもよいでしょう。
ただの仕組みや戦略ではなく、本質的にユーザーフレンドリーな体験をいかに創出するかが肝といっても過言ではありません。顧客やユーザー起点で考えることを置いてユーザーコミュニティが成功することはあり得ないことも添えておきましょう。
ユーザーの目的が達成されるからこそ、提供する企業の目的(利益創出)も叶うのです。この優先順位を間違えたときに、ユーザーコミュニティ戦略は単なるカタチだけのいち施策となり、期待する結果を生み出すことはむずかしい––––いえ、無理だと断言します。

ユーザーコミュニティ戦略で失敗しないためにおさえてほしい点は、次のようなことです。

●長期視点で全社合意形成
●KPIは検討期・短期・中期・長期で描き、検討期~短期は日々刷新
●PDCAのP=Planは、立ち上げの目的、期間の設定、追うべき指標、などを細かく定義する。

D=Doは、Planに応じた具体的な施策や設計を組みますが、答えが見つからない時期の施策立ては何があたるか読めない部分も大きいため、施策の数で勝負することを意識する。

C=Checkは、施策の効果を数字で追える状態にしておく。数字で追えない状態であれば、そもそもPlanの時点で不足している可能性が高いため、Planの粒度は数字で追える状態を見据えておく。現時点で数字データがなければ、データの掘り起こしや視覚化もDoのなかに組み込む。

Doで施策の数が多ければ、Checkでの振り返りもまとめてできる。

ここでの注意点は、Planに時間をかけすぎても施策が進まないため、時間を区切ったうえで出てこなかった施策は置いておき、DoとChekを高速で回すことで新たなDoといった意味でのA=Actionも出てくるので、各フェーズの時間設計と施策数、振り返りのサイクルを高速かつ柔軟に行う前提で進めるとよい。

以上のようなことをおさえておきましょう。

最初のサイクルは1か月で、その後のサイクルを2週間や1週間など短期で振り返られる指標を見つけながら運用できると施策の滞留状態も防げますので、ご参考にしていただければと思います。
PDCAを柔軟かつ高速で考えることや、その動き方は、ユーザーコミュニティ戦略に限らず、未開拓領域や新しいことをするときには欠かせないポイントとなるでしょう。

「オフラインファースト」とは何か

ユーザーコミュニティをつくるにあたり、どのように立ち上げればよいでしょうか。
コロナ禍前では「オフラインファースト」––––つまり、イベントなどリアルで人と会って話して関係性を構築し、コミュニティとしての集団の起点をつくることがセオリーといわれていました。
オフラインコミュニケーションから生まれる熱量は拡大力が違います。コミュニティとオフラインファーストは切っても切れない関係にあったのです。

しかし、リアルで会うことがむずかしくなると、セオリーが使えない(使いにくい)、どう向き合えばよいか、などが本書の主題でもありますので、この節ではオフラインファーストについて紐解いていきます。
なお、オフラインファーストそのものについては、コミュニティマーケティングの型も多いため、それに特化した書籍などを参照してください。本書では簡潔に触れておきます。
リアルで会うことを前提としたユーザーコミュニティの組み立て方を端的に書くと、ユーザーが興味関心のある軸を掘り起こし、イベントで具現化してGOOD体験を創出します。そこからオンラインコミュニティを立ち上げるのです。すでにある場合は誘導していくことになるでしょう。

GOOD体験を創出していくなかで出てくるキーワードに、「ファーストピン」といった概念があります。この言葉は、実業家の小島英揮さんの書籍『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』(日本実業出版社)に出てきます。
最初の熱狂顧客や熱狂ユーザーを指すものであり、ユーザーコミュニティ戦略の目に見える成果のファーストミッションはファーストピンを探すことにある、といっていいでしょう。
もとからその製品やサービスのファンだったり、発信することや企画を立てることが得意な人だったり、まわりを巻き込むことが好きな人だったりと、ファーストピンはどのような人から生まれるかある程度の予想は立てられても誰になるかはわかりません。思いもよらない人がユーザーコミュニティの熱狂者になったり、まわりを巻き込んでくれる人がなってくれたりすることもあります。
その可能性をつぶさないようにマネジメントをすることが、立ち上げのコミュニティリーダーに求められます。

最初のコミュニティリーダーは、いま本書を読んでいるあなたかもしれませんし、身近にいる社員かもしれません。
ここから先は、あなたの会社の「誰が」「何を」「いつまでに」をとくに意識しながら読み進めてください。腹落ちしたり、生まれてくる新たな疑問だったりが、あなたのユーザーコミュニティを成功に導くためのファーストステップにもなることでしょう。

オフラインファーストでユーザーコミュニティ戦略を推進していくにあたって、次の図をもとに紐解いていきます。 

Ⓢ現状把握

「Ⓢ現状把握」に挙げている点として、コミュニティを立ち上げる前の現状値を取得する必要があります。これは後々の効果計測をするために、比較対象するもとのデータがなければコミュニティがうまくいっているかどうかの指標を図れないためです。
コミュニティ開始前のNPS(Net Promoter Score:他者へそのサービスをすすめたいかといったオススメ度の指標)、プロダクトの利活用度、満足度、などをアンケートで取得します。現状値の継続率、アップセル率、単価、ヘルススコア、など抽出できていないデータがあれば取得することからはじめましょう。
「Ⓢ現状把握」はオンラインでも変わらない事前準備になるため、何かをはじめる前に必要なデータをとにかく集めておくとよいです。

立ち上げと「Ⓢ現状把握」を同時進行でやるしかない場合は、マルチタスクで回すほかありません。しかし、社内の協力、マーケティングやCS部隊などがもともとあれば連携しつつ、業務分散しながらコミュニティ運用に必要な数値をつくりましょう。
各種指標を数値化することは、コミュニティに限らず、戦略的な営業、マーケ、CS活動、果ては開発フィードバックまで、組織活動を拡大するとき非常に大きな武器となります。
当たり前のことを書いていると思われてしまうかもしれませんね。ですが、とくにスタートアップや事業の立ち上げから売上に注力している時期は、営業活動やその場の対応に追われ、拡大を見越した指標データを把握しきれていないことが多いです。そのため、自社の数値化できている指標をあらためて見直してみるとよいでしょう。

①直接接触

データが取得できたら、または準備をしながら、「①直接接触」でお客さまへの活動も開始します。
オフラインイベントでお客さまやユーザーと交流する場を設けます。そのとき、イベント前にヒアリングし、どのような内容やテーマなら参加したいかなどをピックアップしておきましょう。効果の高いと思われるイベントを行ったほうが参加してもらえる確率はより高くなります。
はじめやすいところからであれば、ユーザー会(製品やサービスの勉強会など)が実施する側も参加する側もハードルが低く実行しやすいでしょう。

ここでは簡単に書きますが、ユーザー期待値をマーケや営業経由でコントロールすることが大事であり、ユーザー会で期待値を上げていく必要があります。
事前の期待値を上げすぎてしまうと離反の要因になってしまうため、「思った以上にいろいろなことが、この製品(サービス)で叶うかも」「この場所をもっと活用したい」などと思ってもらうには、コミュニティの参加前から種まきしておくことが重要です。
最初のステップとして、よくあるお困りごとを共有しながら解消していき、利活用情報を出し合うための場所としてイベントを企画していきましょう。

②接触分析

「②接触分析」では、日々のデータを収集・分析し、コミュニティ活動のブラッシュアップを図ります。
具体的には、イベントのアンケート満足度やコメントの収集、プロダクトそのものの利用率、などを各施策の前後で比較検証しましょう。
このようにして長期期間の比較用にデータとして貯めておくことで、中長期スパンでの効果時の検証や開始時期との比較など、どの程度の効果が出たかをおさえておくことができます。
まずは現状値を把握してから、開始時期から中長期にわたってのデータを蓄積し、施策のアップデートを図りながら実績も向上させていきます。
「①直接接触」の成果が出れば出るほど、最終的な契約更新やアップセルへつながる足掛かりに寄与することも可能となるでしょう。

オフラインファーストにおいて、とくに「オフラインイベント」がプロダクトへの信頼やファンユーザー獲得のきっかけになることが多々あります。
プロダクトや製品提供者主催のユーザーイベントへ足を運ぶ人は、その時点で期待値が高いことはいうまでもありません。会社が好き、製品が好き、細かい情報を取得したい、運営(社員)と関わりをもちたい、などきっかけはさまざまでしょう。
ユーザーを招待する会であるため、満足度の高いイベントを開催することによってユーザーと企業との接点が増え、関係性も濃くなっていくため、製品やサービスから離れることが少なくなっていきます。

ユーザーにとって満足度の高いイベントを地道に継続開催することで、熱狂的なファンやユーザーが生まれる可能性が高くなり、自発的に啓蒙してくれる「ファーストピン」と呼ばれる存在が顕在化してきます。ユーザーコミュニティにおける最初の活動の肝は、ファーストピンをいかに早く見つけ出すかにかかっている、といっても過言ではないでしょう。
企業が運営するコミュニティである以上、費用対効果や期間などのロードマップがないまま進めることはむずかしいため、どれくらいの期間をかけてファーストピンを見つけるのか、見つからなければ断念するのか、見つからなくても継続するのか、など細かく活動のなかで条件を設定し、基準を追いながら取り組むといいですよ。
数年単位で継続運用できている製品やサービスであれば、ファンまではいかなくとも、製品やサービスをある程度愛してくれている人はいるはずです。
問題は、そのユーザーがイベントに参加したり、レビューやアンケート回答といったアウトプットをしてくれたりするとは限らない点です。こういった人としての特性も理解しながらユーザーを探す、見つける、引き上げられるかが、コミュニティ運営においてのカギともいえます。

③間接接触

「①直接接触」と「②接触分析」の段階でファーストピンを見つけられれば、「③間接接触」であるオンラインコミュニティも活況になりやすくなります。
オフラインで顔をあわせた間柄(または運営とコミュニケーションをとれている状態)でオンラインコミュニティに参加するのと、まったく知らない状態で参加するのでは、活動具合に差が出るのです。
「顔を知っている」「人となりをある程度理解している」ことで相手の行動も変わってきます。

「運営ががんばろうとしていれば、助けてあげたくなる」
「一生懸命向き合ってくれている人の助けになるならと、発言やフォローなどで動きたくなる」
「そういった場所に来ること(orつくること)が好き」

などオフラインの場で感じた熱量は、オンラインでも生かしやすい状態になります。
そういった人とさらに深く向き合っていくべく、FAQなどのサポート面の充実、イベントの場だけでは共有しきれない利活用情報の共有、プロダクトへのフィードバック、などオフラインイベントの単発開催や定期開催ではカバーしきれない日常的な情報交換を行う場を提供しましょう。そうすることで、ユーザーは製品やサービスとより親密になっていくのです。

リアルの場では盛り上がるが、その場限りでおわってしまったり、長く続かなかったりする場合などは、一度できあがった熱量を保ち、さらに燃え上がらせるためにオンラインコミュニティを準備すると、拡大させる足掛かりになります。
「オンラインコミュニティがあればユーザーは熱狂する」ではなく、「熱狂するユーザーがいるからこそオンラインコミュニティは拡大する」といった点をしっかりおさえておきましょう。 

④活性化支援

「④活性化支援」について、「Ⓢ現状把握」で現状を把握し、「①直接接触」「②接触分析」「③間接接触」を効果検証しながら運用できてくれば、運営はフォローメインに立ち回ることが可能になってきます。
コミュニティが活性化するまでは運営が主体で主催となり、コントロールすることが重要です。
ユーザー同士でのコミュニティ活動が活性化しはじめたら、ユーザー同志をつなぐ役割であったり、コミュニティへの新規参加ユーザーへのケアを図ったりと、母数の増えたユーザーコミュニティの集団が誰もが気持ちよく参加や発言できる場の醸成に注力していきましょう。
居心地がいい場所であったり、ギブしたくなる場所になったりすることで、困ったときや使い方がわからないときにユーザー同士がフォローしあってくれるようになります。
ここに至るまでには、計算では測れない努力や地道な活動、ユーザーの心に働きかけるような接し方をどれだけできたかで成果の差が生まれるものです。

まず運営は、ここまでくるまで、手を変え、品を変え、接し方を工夫しながら製品やサービスを愛したユーザーの集まりになるよう尽力していきましょう。
集団がある程度できあがれば、コミュニティ内部の細かい体制の整備によりチカラを使えますし、それがユーザーへ還元され、プラスのサイクルが大きく回りはじめていきます。
プロダクトフィードバックなど、ふだんのアンケートではとれないようなものや、より期待を込めた真摯な意見も集まってくる可能性が高まるでしょう。

コミュニティ立ち上げの最初は苦しく、成果からも縁遠い活動を続けることになりますが、なんのためにコミュニティを運営しているのか、その原点を忘れず活動していくことで光は見えてくるのです。
コミュニティをはじめた1~2年は真っ白に燃え尽きるくらいの気概で取り組み、それでもダメだったときは時期や相性がよくなかったと継続を断念することもあり得ます。
そもそも日本での成功例や、こうあるべきといった汎用的な事例はほとんどありません。「自社での正解を探す」という難易度が高い領域での立ち上げになることも少なくないと思います。

それでもあなたが「やってみるべきだ!」と確固たる信念があれば、それはユーザーへ必ず届くと信じてください。

Ⓖ自走コミュニティ

図の「Ⓖ自走コミュニティ」はGoalです。
しっかり効果検証し、ユーザーに負けない熱量で運営をしていき、ユーザー同士がコミュニティを運営している状態になることで自走化、運営がおまけとなるような状態をつくることができれば、理想的なコミュニティの状態といってよいでしょう。
必ずしも自走しなければならないわけではありませんが、自走化するコミュニティであれば、製品やサービスへより深く関わっていくことになるため、運営からのフォローやサポートがうまく働きやすくなっていきます。

活性化支援や自走化が起これば、製品やサービスへ前向きな意見や向き合い方が多く出るようにもなっていくことでしょう。さらに、利活用も促進していくことで、継続率、アップセル、リファラル(紹介)により、新たなユーザーも発生するなど、ようやく売上指標でコミュニティを語れるようになってきます。
その効果は100%ちょっとなのか、200%なのか、はたまた期待効果としてデータのある700%を叩き出すのか、あなたの立ち上げたコミュニティの成果を会社へ還元していきましょう。

オンラインファーストとは何か

オンラインファーストとは、コミュニティをオンライン上で構築するアプローチのことです。オンラインファーストのコミュニティは、コストや時間の削減、場所を問わないアクセス性、スピーディーな情報共有、さらには多様なコミュニケーション手段の活用、など多くのメリットをもっています。
さらに、オンラインファーストといった考え方は、コミュニティ運営において、リアルイベントを行うために、会場や日程調整などの時間や手間の問題を解決できるのです。
オンラインイベントは参加者の居住地域やスケジュールの都合をリアルのときよりも気にする必要がなく、より多くの人たちが参加できる可能性が高まるでしょう。

つまり、オンラインファーストとはコミュニティ運営において最も重要な考え方のひとつであり、オンラインコミュニティが成功するための重要な条件となります。オンラインファーストの考え方は、BtoBコミュニティマネジメントにおいて欠かせないものです。
オンラインでのコミュニケーションを中心に考え、リアルイベントの代替としてオンラインイベントを開催するなど、オンラインに特化した運営方法を採用することで、より多くのユーザーエンゲージメントを促進し、コミュニティ運営の成功につなげられます。

ただし、オンラインファーストのコミュニティマネジメントには、オフラインと異なる課題もあります。
たとえば、オフラインでは相手とコミュニケーションを直接とれるため、コミュニティメンバーとの関係を構築するのが比較的容易でした。しかし、オンラインではそのような関係を築くのがむずかしい、といったことがあります。
そのためコミュニティマネージャーは、オンラインでの関係構築、コミュニケーション手段の多様化、情報の適切な管理、など新たなスキルを必要とすることがあります。

オンラインファーストのコミュニティマネジメントでは、コミュニティプラットフォームの選択が重要です(詳しくは本章6節「コミュニティプラットフォームの選択」にて解説)。
コミュニティメンバーが利用しやすく、コミュニティの目的にあった機能を備えたプラットフォームを選ぶことが求められます。
また、運営に必要なシステムを整備することも重要です。たとえば、コミュニティメンバーの投稿を監視する仕組みや、問い合わせに迅速に対応できる仕組みを整えることが必要になります。

さらに、コミュニティメンバーのエンゲージメントを促す方法も重要なポイントです。たとえば、定期的に投稿することや、メンバー同士の交流を促すことが有効になります。
また、コミュニティ規約を策定することも大事です。コミュニティメンバーが適切な行動をとるように定めることで、コミュニティ内のトラブルや問題を防止できるようになるでしょう。
コミュニティ運用におけるリスクや問題に対する対策も考慮する必要があります。不適切な投稿やコメント、個人情報の漏洩、著作権侵害、などさまざまな問題が起こりうるため、それらに対する対策を事前に考えておきましょう。

ひとくちにコミュニティの推進といっても、考えておくべきことはさまざまです。次節から、コミュニティを推進するうえで必要な基本的内容について触れていきます。 

コミュニティマネージャーの役割と必要な能力

オンラインコミュニティを運営するためには、コミュニティマネージャーが必要不可欠です。このポジションの人はコミュニティメンバーとのコミュニケーションをとり、コミュニティ内での活動や議論を監視し、コミュニティの健全な運営を支援することが求められます。
コミュニティマネージャーの役割は多岐にわたります。主な役割について挙げてみましょう。

【コミュニティマネージャーの主な役割】

1.コミュニティメンバーとのコミュニケーション
コミュニティマネージャーは、コミュニティメンバーとのコミュニケーションをとることが重要です。コミュニティメンバーの声に耳を傾け、その要望や意見を把握し、コミュニティに反映させることで、メンバーの満足度を高め、コミュニティの発展につなげます。

2.コミュニティ内での活動や議論の監視
コミュニティマネージャーは、コミュニティ内での活動や議論を監視することが求められます。コミュニティ内でスパムや炎上などの問題が起こった場合には、迅速かつ適切な対応を行い、コミュニティの健全な運営を維持することが必要です。

3.コミュニティメンバーのサポート
コミュニティマネージャーは、コミュニティメンバーのサポートを行うことが求められます。たとえば、コミュニティに参加したばかりのメンバーに対して、コミュニティ内での活動の方法やルールなどを丁寧に説明し、円滑なコミュニティの運営に役立てることが必要です。

4.コミュニティ内での情報共有
コミュニティマネージャーは、コミュニティ内での情報共有を行うことが求められます。コミュニティメンバーにとって有益な情報を提供します。


以上がコミュニティマネージャーの主な役割です。
続いて、コミュニティマネージャーのより具体的な業務について挙げてみましょう。

【コミュニティマネージャーの具体的な業務例】

1.コミュニティ戦略の策定
コミュニティの戦略を策定することが必要です。コミュニティの目的、ターゲットユーザー、コンテンツ戦略、などさまざまな要素を総合的に考え、具体的な計画を立てることが求められます。そのためには、ビジネス全体の戦略を理解し、それを反映させたコミュニティの構築が必要となります。

2.ユーザーエンゲージメントの推進
コミュニティのユーザーエンゲージメントを高めることが必要です。そのためには、コミュニティ内でのコミュニケーションや情報共有を促進することが重要です。
また、ユーザーからの質問や問題に対して迅速に対応することで信頼を獲得できます。そのためには、コミュニティ内でのモデレーションや、カスタマーサポートの適切な実施が求められます。

3.コンテンツ作成とマネジメント
コンテンツの作成やマネジメントを行うことが必要です。コミュニティ内での情報共有や、ユーザーエンゲージメントを促進するために、魅力的で有益なコンテンツを作成することが求められます。
また、コンテンツの品質を維持するためには、そのコンテンツの編集やレビューを行うことが重要です。さらに、定期的な更新や改善をしていき、コミュニティ内での関心を高めることも必要です。

4.データ分析と改善
コミュニティのデータ分析を行い、改善して反映することが必要です。コミュニティの運用においては、ユーザーの行動分析や、コミュニティの定期的なレポート(KPI、アクティブユーザー数、コメント、ユーザーアクション数の推移など)を作成することが求められます。
まずはコミュニティの戦略や目指す姿(ゴール)を立て、事業内での合意を行いましょう。その後、社内や顧客から初期メンバーの選定を行い、招待します。そしてコミュニティマネージャーがコンテンツの提供を軸にし、ユーザーコミュニケーションを活性化します。


それらの活動を定期的に観測し、活動内容やコミュニケーションの品質をアップデートしながら推進をしましょう。 

コミュニティプラットフォームの選択

コミュニティをオンライン上で運営するためには、適切なコミュニティプラットフォームを選択することが不可欠です。これはいといろと種類がありますので、それぞれの特徴をつかみ、目的にあわせて選択する必要があります。
ここではコミュニティプラットフォームの選択を考えるうえで大事なポイントについて、いくつか紹介していきます。

まずはコミュニティの目的にあわせたプラットフォームを選びましょう。
たとえばビジネスの目的であれば、LinkedInやXINGのようなビジネス向けのSNSが適しています。
一方、趣味や共通の興味をもつ人たちが集まるコミュニティであれば、FacebookグループやDiscordが適しています。
画像や動画を中心に共有する場合は、InstagramやYouTubeが適しているでしょう。

次に、コミュニティの規模にあわせたプラットフォームを検討しましょう。
コミュニティが小規模であれば、FacebookグループやSlackなど無料のプラットフォームが適しています。
一方、大規模なコミュニティであれば、DiscourseやMighty Networksなど有料のプラットフォームを選ぶのがいいでしょう。なぜなら、有料のプラットフォームは無料プランよりも高度な機能を提供するため、オウンドメディア的な運用や、ユーザーアクションの集計・分析といった、よりスケーラブルなコミュニティ運営が可能となるためです。

また、プラットフォームの使いやすさも考慮するとよいでしょう。ユーザーが簡単に利用できるかどうかは、コミュニティ運営に大きな影響を与えます。
たとえば、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)が優れているプラットフォームを選ぶことで、ユーザーがよりスムーズにコミュニティに参加し、積極的に活動できます。

プラットフォームのセキュリティも考慮すべきポイントです。
ユーザーの個人情報やコミュニティのデータが漏洩するリスクがありますので、セキュリティリスクについて事前に細かく確認しておきましょう。
コミュニティの成長にあわせて機能やカスタマイズが必要になってくることもあるため、将来的な拡張性や柔軟性も考慮する必要があります。

以上のようなポイントを踏まえ、選択肢を絞り込んでいくことが大切です。
その際に次のような観点を考慮するとよいでしょう。

●セキュリティ性
プラットフォームが保有する情報やコンテンツは、コミュニティメンバーや企業にとって大切な資産です。そのため、セキュリティ対策がしっかりしているかどうかは、選択時の重要なポイントのひとつです。ユーザー情報の暗号化や不正アクセス対策などがしっかり実装されているかどうか、よく確認しましょう。

 ●カスタマイズ性
特定の機能やデザインをカスタマイズできるかどうかは、コミュニティの目的にあわせた運用を行ううえで欠かせません。プラットフォームが提供する機能だけでは足りない場合もあるため、必要な機能や外部ツールとの連携などを考慮しましょう。

 ●コミュニケーション機能
コミュニティメンバー同士の交流がスムーズにできるかどうかは、コミュニティの運営にとって非常に重要なポイントです。コミュニケーションを促進するための機能が備わっているかどうか、また、管理者が適切にコミュニケーションを監視できる仕組みがあるかどうか、などを確認しましょう。

 ●価格
プラットフォームの価格設定は、コミュニティの規模や予算にあわせて選ぶ必要があります。フリーで利用できるものから、月額数千円から数十万円までと幅広い価格帯があります。自分たちのコミュニティのニーズにあわせて選びましょう。

 ●運用支援
プラットフォームの運用に関するサポートがしっかりしているかどうかも選択時のポイントのひとつです。たとえば、意見がある場合にその意見や要望を運営に届ける仕組みがあるか、意見に対して適切な対応や改善を行えているか、新規参加の際にコミュニティの利用は容易になっているか、などがあります。はじめてのコミュニティ運用であれば最重要といっても過言ではありません。
日本国内で代表的といえるコミュニティプラットフォーム別のメリット・デメリットを図に示しますので、自社の運用に適しているプラットフォームの参考にしましょう。

コミュニティ運営に必要なシステム

オンラインコミュニティを運営するうえで必要なシステムには、次のようなものが挙げられます。

●コミュニケーションツール
●ユーザー管理システム
●コンテンツ管理システム
●分析ツール

それぞれのシステムについて詳しく見ていきましょう。

①コミュニケーションツール

オンラインコミュニティでは、ユーザー同士がコミュニケーションをとることが非常に重要であることを先述しました。そのためコミュニケーションツールは必須です。代表的なツールとして、次のようなものが挙げられます。

●フォーラム
●チャットツール
●メール配信ツール

フォーラムは、掲示板のようにトピックごとにスレッドを立て、ユーザー同士がコメントを交換するためのツールです。とくに長期的な議論を行う場合には、使いやすくかつ見やすいフォーラムが求められます。

チャットツールは、リアルタイムでユーザー同士がやりとりするためのツールです。オンライン会議などのときに使用されることが多く、一般的なコミュニティ運営でも利用されます。

メール配信ツールは、ユーザーに対してニュースレターやアップデート情報などを配信するためのツールです。定期的に情報を配信することで、ユーザーの興味を惹き続けることができます。

これらのツールはコミュニティによって必要性が異なります。また、ツールごとに機能や利便性が異なるため、適切なツールを選択しましょう。

②ユーザー管理システム

オンラインコミュニティでは多くのユーザーを管理するため、ユーザー管理システムが必要となります。これには次のような機能があるといいでしょう。

●ユーザー情報の登録・管理
●アクセス制限の設定
●ユーザーグループの作成・管理
●セキュリティ

③コンテンツ管理システム

コミュニティ内でコンテンツの投稿・編集・削除などを行うためには、コンテンツ管理システムが必要となります。これには次のような機能が必要です。

●コンテンツの投稿・編集・削除の管理
●コンテンツの分類、タグ付けの管理
●コンテンツの公開範囲や閲覧権限の設定

コンテンツ管理システムは、ユーザーがコミュニティ内でコンテンツを投稿する際に利用されます。投稿されたコンテンツの質や量が多くなるとその管理が困難になるため、コンテンツ管理システムの導入が必要となるでしょう。

④分析ツール

コミュニティ運営を行ううえで、運営状況やユーザー行動などの分析が欠かせません。そのためには分析ツールが必要となります。これには次のような機能があるといいでしょう。

●ユーザー行動の分析
●コンテンツのアクセス数や閲覧時間の分析
●コンバージョン率の分析
●トレンドの分析

これらの分析ツールを活用することで、コミュニティ運営のための改善点を把握し、よりよい運営ができるようになります。また、分析結果をもとにユーザーエンゲージメントの向上策を立てることもできます。
前節で触れたプラットフォームの選定時に、これらの条件を満たすものもありますので、他社サービスの導入とともに検討するとよいでしょう。


以上がコミュニティ運営に必要なシステムの主要機能となります。これらのシステムを導入し、適切に活用することで、よりよいコミュニティ運営が実現できるようになります。 

オンラインコミュニティのイベント運営

オンラインコミュニティを運営するためのイベントは、参加者との相互作用や情報共有のために重要な手段のひとつです。

イベントを成功させるためには、適切な機材の用意、計画、そして注意が必要です。オンラインコミュニティのイベント運営に必要な機材、準備、および注意点について、詳しく挙げていきましょう。

①オンラインコミュニティのイベントの種類

イベントの種類に応じて必要な機材や準備事項が異なります。ウェビナー、ワークショップ、ライブストリーム、オンライン会議など、目的にあわせてどのようなイベントにするのかを決めましょう。 

②コンピュータとインターネット接続

●高性能なコンピュータ(PC)
イベントの種類にもよりますが、高性能なPCは動画ストリーミングやプレゼンテーションをスムーズに行うために必須です。
ウェビナーやライブストリームなどにおいて、映像設備含めた配信機材を拡充したり、資料の画面共有やユーザーからのコメントなどのアクションもあるため、イベント途中でPCが重くなるなどのトラブルを可能な限り回避できる性能を担保しましょう。

●高速かつ安定したインターネット接続
遅延や接続の問題は、参加者の体験に大きな影響を及ぼす可能性があるため、信頼性のあるインターネット接続が必要です。

③映像と音声機材

●ウェブカメラ
高品質のウェブカメラで自分自身をクリアに映像として伝えられます。PC標準のカメラでもよいですが、外付けカメラで目線の位置にカメラレンズがくるようにすることで聴衆と目があう体験をつくれますのでオススメです。

●マイク
ノイズキャンセリング機能のある外部マイクは音声品質を向上させます。ヘッドセットまたはイヤフォンも役立つことがあります。テスト配信では周囲の音を拾ってしまっていないか気をつけましょう。

●照明
イベントの質を向上させるためにも、良好な照明を確保しましょう。照明によって印象が変わります。リングライトやスタンドライトまでさまざまありますので調べてみましょう。
オレンジ色のライトは表情をやさしくする効果がありますが、自身の顔との相性を見ながら色味にもこだわってみましょう。

④ソフトウェアとプラットフォーム

使用するプラットフォームにアクセスできることを事前に確認し、当日は参加者が問題なく参加できるようにサポートします。
一方通行のイベントではなく、コメントやQ&Aなど参加者のアクションを喚起するようなインタラクティブ(双方向性)要素をもつために、アンケートや質疑応答のためのソフトウェア、ウェブサービスも必要です。
Zoomのウェビナー機能やGoogleMeet、YoutubeLiveなどはオンラインイベントのプラットフォームとしては一般的になっていますが、さらに双方向性を出していくにあたって、RemoやSpatialChatなどオフラインのイベント会場を疑似的に再現するようなプラットフォームを選択することも検討しましょう。

⑤コンテンツとプレゼンテーション

プレゼンテーションはイベントの質に大きな影響を与えます。スライドや映像コンテンツなど事前にしっかり準備しましょう。
スケジュールとアジェンダを作成しておき、イベント当日の進行をスムーズにし、聴衆が満足するように、よいプレゼンを心がけましょう。

⑥参加者の参加しやすい環境

参加者に対してイベントの日時や登録手続き、アクセス方法などを事前から明確に伝え、当日は問題が生じないようにサポートします。
テストイベントを行い、参加者がプラットフォームやシステムに問題を抱えないように確認しておきましょう。

⑦セキュリティとプライバシー

イベント中のセキュリティとプライバシーを確保するために、アクセス制御や適切な共有設定を行います。
プライバシー保護に対する配慮が必要であり、録画や録音をする場合、あらかじめ参加者の同意をとり、開始前にアナウンスをしましょう。

⑧バックアッププラン

予期せぬ問題に備え、バックアップの計画を立てておきましょう。たとえば、インターネット接続の切断やハードウェアの故障に備えて、代替の機材やポケット型Wi-Fiなどのインターネット接続のリスク回避策を用意します。

⑨ファシリテーターやアシスタント

大規模なイベントではモデレーターやアシスタントがいるとよいです。参加者とコミュニケーションをとり、質問に答え、技術的な問題に対処する役割を果たしてくれます。

⑩フィードバックと改善

イベント後、参加者からのフィードバックを収集し、今後のイベントの質を向上させるために改善を行いましょう。イベントの最後にアンケート回答時間を設け、おわったら退席とするなどアンケートの回収率を上げる取り組みも行いましょう。


このように、オンラインコミュニティのイベント運営をする際には入念な準備と計画が成功のカギです。参加者の期待に応え、円滑なイベントを提供するためにも、これらの要点に留意し、問題が生じた場合には柔軟かつ迅速に対処する姿勢の大切さを理解したうえで運営を行いましょう。

ユーザーエンゲージメントを促進するための方法

オンラインコミュニティを成功させるためには、積極的なユーザーエンゲージメント促進が欠かせません。ユーザーがコミュニティに参加しているだけでは、コミュニティの目的を達成できません。ユーザーがコミュニティに興味をもち、参加したいと思うようなコミュニティをつくりあげることが必要です。
ここではユーザーエンゲージメントを促進する方法について解説していきましょう。

①コンテンツの提供

コンテンツはオンラインコミュニティでユーザーを引きつけるために最も重要な要素です。コンテンツには、情報・ニュース、写真・動画、などさまざまな形式があります。
ユーザーが興味をもち、共感できるコンテンツを提供することで、ユーザーはコミュニティに自然に参加し愛着をもつようになります。
コンテンツ提供にあたっては次の点に注意しましょう。

●定期的にコンテンツを更新する
●ユーザーが興味をもつテーマにフォーカスする
●コンテンツを共有することでユーザーに参加感を与える
●コンテンツに対してコメントや「いいね!」
などの反応を促す

②イベントの開催

オンラインコミュニティでイベントを開催することで、ユーザーの参加を促すことができるでしょう。イベントにはオンラインイベントやオフラインイベントがあります。オンラインイベントとしては、ウェビナー、オンラインセミナー、チャットイベントなど。オフラインイベントとしては、オフ会や勉強会などがあります。
イベントを通じてユーザー同士の交流を促すことができ、「コミュニティに参加している感」を与えられるでしょう。

③ユーザー同士の交流の促進

ユーザー同士の交流を促進することもユーザーエンゲージメントを高める要素のひとつです。ユーザー同士が交流することで、コミュニティ内でのつながりや共感が生まれ、ユーザーの参加意欲や満足度が高まります。
ユーザー同士の交流を促進する方法をいくつか紹介していきましょう。

●フォーラムの活用
オンラインコミュニティでよく使われるフォーラムでは、ユーザー同士が質問や意見を交換できることが多いです。コミュニティマネージャーは、フォーラムのカテゴリー、たとえば「特定のテーマに特化した意見交換」であったり、「製品やサービスの活用状況の共有」などを設定し、質問や意見の投稿を促してユーザー同士が交流する場を提供できます。

●イベントの開催
オンラインコミュニティ内でオンラインイベントを開催することで、ユーザー同士が交流する機会を提供できます。
たとえば、Zoom、Google meet、Microsoft teamsなどのビデオ会議ツールを活用したオンラインミーティング。ほかにもオンラインゲームのイベントなどが考えられます。これにより、イベントを通じてユーザー同士の交流を促進できるでしょう。

●コミュニティ内でのランキング
コミュニティ内でランキングを作成することで、ユーザー同士が競い合い、交流を深められます。
たとえば、投稿数、回答数、ベストアンサー数、などを競うランキングを作成するとよいでしょう。

●コンテストの開催
コミュニティ内でのコンテストの開催もユーザー同士が交流する機会を提供できる方法のひとつです。
たとえば、写真コンテスト、アイデアコンテスト、サービスの活用事例、などが考えられます。コンテストを通じてユーザー同士が交流することで、コミュニティの活性化を促すことができるでしょう。

●メンター制度の導入
コミュニティ内でメンター制度を導入することで、ユーザー同士の交流が生まれます。メンターはコミュニティに長く在籍している有識者であり、新規の参加者や初心者のサポートを行います。メンターとして参加することで、ユーザー同士が交流し、コミュニティの発展に貢献できるでしょう。


これらの方法を通じて、コミュニティ内でのユーザーエンゲージメントを高められます。ユーザー同士が交流し、情報を共有することで、コミュニティの活性化が促進されるのです。
また、コミュニティマネージャーや運営チームもユーザー同士の交流を見守り、必要に応じて適切な対応をすることで、コミュニティ内のトラブルを未然に防げるでしょう。
ユーザーエンゲージメントを高めるためには、コミュニティ内でのユーザー同士の交流を促進することが大切ですが、注意点もあります。
たとえば、誹謗中傷や攻撃的な発言が行われることがあります。そのためコミュニティマネージャーは適切な監視を行い、違反行為があった場合は早急に対応する必要があるのです。

ユーザー同士の交流を促進するためには、適切なトピックやテーマを提供することも重要です。コミュニティ内で話題になりそうなトピックを提供することで、ユーザー同士が話しやすい環境をつくり出すことができます。

さらにユーザーエンゲージメントを高めるためには、定期的なイベントやキャンペーンの開催も有効です。コミュニティ内でのイベントやキャンペーンはユーザー同士の交流を促進するだけでなく、コミュニティ内の知識や情報の共有も促進できます。

たとえば、Q&Aセッションやプロモーション企画などが考えられます。
コミュニティ内での貢献度に応じたランキングや表彰制度の導入もユーザーエンゲージメントを高める手段として有効です。ユーザー同士の競争心を刺激することで、コミュニティ内の活性化が促進されます。

以上のように、ユーザーエンゲージメントを高めるためには、コミュニティ内での積極的な情報発信や交流の促進、ランキングや表彰制度の導入、イベントやキャンペーンの開催、などさまざまな方法を駆使する必要があるのです。
それぞれの方法をうまく組み合わせることで、より魅力的なコミュニティをつくりあげられるでしょう。 

コミュニティ規約の策定

オンラインコミュニティを運営する際にコミュニティ規約を策定しましょう。コミュニティ規約とは、ユーザー同士が円滑にコミュニケーションをとるためのルールや、コミュニティを適切に運営するためのルールを運営側が定めたものです。
この節ではコミュニティ規約の策定について詳しく見ていきましょう。

【コミュニティ規約の目的】

コミュニティ規約の目的は、コミュニティ内でのトラブルや問題を防止することです。
また、ユーザー同士が円滑にコミュニケーションをとるためのルールを定めることで、コミュニティの質を向上させることも目的としています。
私の実例になりますが、コミュニティ内で問題行動(過激な投稿)があった場合、規約でコメントの削除や個別連絡を行うことを触れて参加時のルールとして周知していたおかげで、対象者へ速やかな対処やコメントの削除をこちらで行い沈静化を最速でできています。 

【コミュニティ規約の内容】

コミュニティ規約には次のような項目を含めることが一般的です。

●利用規約
利用規約とは、コミュニティに参加するユーザーに対して、コミュニティ内でのルール、禁止事項、アカウントの取り扱い、などを定めたものです。
コミュニティを運営するために必要不可欠な項目であり、ユーザーがコミュニティを利用する際に必ず確認してもらう必要があります。

●プライバシーポリシー
プライバシーポリシーとは、ユーザーの個人情報をどのように取り扱うかを定めたものです。これには、個人情報の取得方法、利用目的、第三者提供、などが含まれます。コミュニティを運営するうえでプライバシーポリシーを策定することが重要です。

●行動規範
行動規範とは、ユーザー同士が互いに尊重し合い、コミュニティ内で円滑にコミュニケーションを行うためのルールを定めたものです。不適切な発言・行動、誹謗中傷、スパム行為、プライバシーの侵害、など禁止事項が明記されます。違反行為が発覚した場合の処罰内容も記載されます。
ユーザーにとっても、運営側にとっても、行動規範は非常に重要なルールであるため、明確に定めておきましょう。

●投稿規約
投稿規約とは、コミュニティ内での投稿に関するルールを定めたものです。
不適切なコンテンツの投稿、著作権侵害、商用利用、など禁止される場合があります。
コミュニティ内でのトラブルや問題を防止するためにも重要なルールであり、行動規範と同じように、ユーザーにとっても、運営側にとっても、必要不可欠なものです。

【コミュニティ規約の策定方法】

コミュニティ規約の策定方法には次のような方法があります。

●既存の規約を参考にする
同じようなコミュニティを運営している、ほかの企業や団体の規約を参考にすることで、策定が容易になる場合があります。ただし、必ずしも他社の規約が最適であるとは限らないため、必要に応じてカスタマイズする必要があるでしょう。

●ユーザーの意見を反映する
コミュニティに参加するユーザーの意見を取り入れることで、参加者が納得しやすい規約を策定できます。アンケートやフォーラムなどを活用し、ユーザーからのフィードバックを収集するとよいでしょう。

●専門家のアドバイスを仰ぐ
法律や規制に関する専門家のアドバイスを仰ぐことで、適切な規約の策定が可能となります。とくに個人情報保護に関する法律や規制には複雑な部分があるため、専門家のアドバイスを受けるとよいでしょう。

【コミュニティ規約の運用方法】

コミュニティ規約の運用方法には次のようなことがあります。

●定期的な確認・改訂
コミュニティ規約は時代の変化や新しい問題に対応するためにも、定期的に確認・改訂する必要があります。運営側が規約を定めるだけでなく、ユーザーからのフィードバックや社会情勢の変化を踏まえて適宜改訂しましょう。

●厳格な処罰の実施
規約違反行為が発生した場合は、厳格な処罰を行うことが必要です。運営側は違反行為が発覚した際に適切な処罰を実施することで、ユーザーの信頼を保つことができます。

●フィードバックの収集・反映
ユーザーからのフィードバックを収集し、規約改定や運用方針の改善に反映することが大切です。ユーザーがコミュニティに参加しやすく、積極的に活動するためには、運営側がユーザーの声に耳を傾け、運用方針を柔軟に改善することです。

●公平かつ透明な対応
規約違反行為に対する処罰やトラブル解決において、運営側は常に公平かつ透明な対応を心がける必要があります。ユーザーが運営側の対応に不満をもつことがないよう、規約や運用方針を明確に定め、公正な判断を下すべきでしょう。


以上のように、コミュニティ規約の策定は、コミュニティを安全かつ公平、効果的に運用するために不可欠なものになります。他社のコミュニティも参考にしつつ、最適な利用規約の策定を目指しましょう。

コミュニティ運用におけるリスクと対策

この節では、コミュニティの運用に伴って生じるリスクと、そのリスクに対する対策について述べていきます。
オンラインファーストのコミュニティマネジメントを行うにあたり、リスクを最小限におさえるために、ここで示される対策を実践することが大切です。

①ユーザーによる不適切な投稿

コミュニティ内での不適切な投稿には、スパム、荒らし、誹謗中傷、差別的な発言、違法なコンテンツの投稿、などがあります。これらの投稿によってコミュニティの雰囲気が悪化したり、ユーザーの信頼を失ったりすることがあります。
これらを防ぐために、コミュニティマネージャーは投稿規約を明確に定め、それに基づいたモデレーションを行うことが必要です。不適切な投稿があった場合は、早急に対応し適切な処置をとりましょう。
ユーザーからの報告を受けつける仕組みを設けることで、迅速に対応できるようになります。

②プライバシーの侵害

コミュニティ内でユーザーの個人情報が漏えいすることがあるため、プライバシーの侵害に関するリスクが存在します。
コミュニティマネージャーは、ユーザーの個人情報を保護するために、適切なセキュリティ対策を実施しましょう。具体的には、パスワードの強制設定、暗号化された接続、二段階認証、不審なログインの検知、などの対策をとる必要があります。
また、個人情報保護に関する法律や規制に適合することも重要となるため、必要に応じて法務チェックを受けるなど万全を期すことも検討しましょう。

③スパム行為

コミュニティ内でのスパム行為には、広告や宣伝、詐欺、不正なリンクの投稿、などがあります。これらの行為によってユーザーが不快な思いをすることがあるでしょう。
スパム行為を防ぐために、コミュニティマネージャーはスパムフィルターを設置することが必要です。これにより自動的にスパム投稿を検出し削除できます。
万が一スパム投稿があった場合は、ユーザーからの報告に迅速に対応し、適切な措置をとりましょう。

④違法行為

コミュニティ内での違法行為には、著作権侵害、プラグインの不正使用、違法なコンテンツの投稿、などがあります。これらの行為はコミュニティに悪影響を与えるだけでなく、法律的な問題を引き起こすこともあるので注意です。
コミュニティマネージャーはこれらの違法行為を防ぐために、投稿規約を明確に定め、法的な基準に適合する必要があります。
違法行為があった場合は早急に対応し、法的な問題を回避するために適切な措置をとることを心がけましょう。

⑤データの漏えい

コミュニティ内でのデータの漏えいによって、ユーザーの個人情報や会員情報が外部に流出することがあります。
コミュニティマネージャーは、これを防ぐために適切なセキュリティ対策を実施しましょう。データベースの暗号化、定期的なバックアップ、アクセスログの監視、などを行うことで、データ漏えいのリスクを最小限におさえられます。
万が一データ漏えいが発生した場合は、ユーザーへの迅速な情報提供や適切な処置をとることが必要となるため、あらかじめ運用を決めておきましょう。


以上のように、コミュニティ運用においてさまざまなリスクが存在します。これらのリスクを最小限におさえるために適切な対策を実施しましょう。
コミュニティマネージャーはこれらの対策を実践し、ユーザーの信頼を得られるようなコミュニティ運営を行うことが求められます。

次の章からはコミュニティの価値を最大化する点について触れていきます。本章の内容も振り返りながら読み進めてください。

*   *   *

第1章はここまで!
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第3章 「離」の章 ~コミュニティの成熟と次なるステップへの挑戦~

■著者プロフィール

牛見 暁(あかつきんぐ)

新卒で営業の好成績を収めた後、音楽活動を開始し、研修講師やベンチャー企業でのカスタマーサクセス部門の立ち上げを経験。現在はBtoBコミュニティの立ち上げや、顧客対応部門の統括を行い、共創体験を推進している。

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