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『インバスケット演習攻略教本 本物の実力をつけて完全突破を目指す』序章・無料全文公開

発売日目前、特別企画!!
書籍『インバスケット演習攻略教本 本物の実力をつけて完全突破を目指す』より、序章「アセスメント・センター・メソッドとインバスケット演習」を全文公開しちゃいます!

アセスメント・センター・メソッドとは

マネジメント能力を正確に評価・測定する道具、アセスメント・センター・メソッド(ASM)。そして、述べようとしているインバスケット演習は、ASMを構成する有力なシミュレーション演習である。以下、簡単にではあるが、ASMとインバスケット演習を説明する。
 
人が人の能力を評価しようとするとき、その評価を公正・公平に行おうとするなら、以下の3つを整えなくてはいけない。
 
●評価表と評価段階を定めた「評価基準」
●測定する能力を評価するための「仕掛け」
●評価をする能力とその行動を知り尽くした「評価者」
 
この3つはASMでも整っているし、スポーツの採点種目(体操や新体操、フィギュアスケートなど)でも整っている。
 
まずは、読者がわかりやすい採点競技であるフィギュアスケートで説明すると
 
●評価基準:フィギュアスケートの技術力や芸術性をあらわす個々の演技に対して得点を明確化した採点表
●仕掛け:ショート・プログラムとフリー・ルーティーンの二度の試技
●評価者:国際A級審判
 
となる。
 
アセスメント・センター・メソッド(ASM)は職務能力、主には組織や人を動かすマネジメント能力測定の道具なのだが、ASMでもっとも用いられることが多いマネジメント能力を測定する場合、以下の構図をもっている。
 
●評価基準:マネジメント能力を細分化した「ディメンション」
●仕掛け:マネジメントが遭遇する職務を模した「シミュレーション演習」
●評価者:訓練を受け、経験を積んだ「アセッサー」
 
である。
「評価基準」「仕掛け」「評価者」。
人が人の能力を評価する際には、この3つが欠かせないものである。逆に高く評価されようとするなら、フィギュアスケートのコーチは何がどう得点に影響するのかを熟知しているように、この3つについて知っておかなくてはならない。

まずはこの場では評価基準であるディメンションを紹介する。
ディメンションは、マネージャーに求められる能力を具体的な行動をあらわす言葉で束ねた評価項目である。その一般的な構成は、課長クラスの中級マネージャーにおいては「意思決定、組織運営能力」「深い問題解決能力」「リーダーシップ能力」にプラスして、「個人特性(マネジメント資質)」という中分類をし、その中を個別化していくといった構成を取ることが多い。

このディメンションとマネジメント能力についてだが、マネージャーに求められる固有能力と密接に結びついていることがわかる。
マネジメント資質は全体にかかる力であるが、対人能力は「リーダーシップ能力」であり、問題解決能力は「深い問題解決能力」であり、組織運営能力は「意思決定、組織運営能力」である。マネージャーに求められるスキルを能力というかたちで分解し、評価項目としたものがディメンションである。
 
フィギュアスケートでいえば競技に当たるものが、ASMのシミュレーション演習である。
代表的なシミュレーション演習は
 
●グループ討議演習(GD)……会議のシミュレーション。大勢の人の中でどのような振る舞いをするのかを観察して評価する演習
●面接演習(IS)……部下説得の演習。なんらかの行動上の問題を抱えた部下をもち、その部下に対して行動の是正を迫る演習
●インバスケット演習(IB)……職場運営と問題解決の演習。架空の職場のマネージャーになって問題のある職場をどう運営するのかを試す演習
 
の3つである。
マネージャーが遭遇する場面を演習として設定し、そこで採られる受検者の行動を観察してマネジメント能力があるのかどうかを試すための仕掛け、それがシミュレーション演習である。
 
アセッサーは採点競技における審判を想像してもらうとわかりやすい。受検者の取った行動を冷静に観察し、その行動の有効性を評価しながら最終的な評価をまとめていく。
能力評価のASMでは基本は複数観察とされ、担当のアセッサーと違うアセッサー、それにメインとなる統括講師の観察で受検者の行動は観察記録される。アセッサーも統括講師も経験を積んだプロフェッショナルが務めるのが基本である。
 
ASMはスポーツの採点競技と同じで多少の運不運はあるにせよ、実力が出てくる仕掛けである。特にインバスケット演習は、思考能力を引き出す仕掛けとしてはよくできており、一夜漬けや付け焼き刃といえる取り組みでは合格点を取ることは難しい。
ASMの採点方法であるが、まずはディメンションを5点法で評価する。評価基準は絶対評価。誰かと比べてできているのかどうかを評価する相対評価ではなく、その能力が求められたときに適切に対応できるかどうかを評価している。5点法の評価基準を以下に述べるが、合格レベルは3点以上となる。

5点法で個々のディメンションを評価し加重して総合点とするわけだが、総合点とするときには、アセッサーは総合点が合格点に達しているのかを振り返り、合計点の調整をすることがある。たとえば、ある受検者に対して個々のディメンションに対する評価を加重した結果48点としたが、アセッサーが「マネージャーには少し足りないな」と判断して47点が妥当な評価とした場合、アセッサーはどこかのディメンションを1点下げて総合点を調整する。
なお最終評価は、基本的には複数のアセッサーによる合意評価となり、評価責任は統合アセッサー(アドミニストレーターと呼んだりリードアセッサーと呼んだり実施各社バラバラ)が負う。
 
次に、一般的に課長クラス昇格アセスメントで用いられる3つの演習とディメンションの評価の関係を見てもらおう。これはアセッサーがどの演習を重視してディメンションの評価をするのかの相関を示すものである。この表を見てインバスケット演習の重みを知ってもらいたい。以下の表は演習とディメンションの重みづけの表である。

全部で18個のディメンションのうち、インバスケット演習で評価を下すディメンションが10個。ちなみに集団討議演習は3つ、面接演習は4つであり、3つのディメンションは集団討議演習と面接演習への受検者の取り組みを総合して決めていく。
こうしてみるとインバスケット演習の圧倒的な重要性に驚く。
さらに違った視点からインバスケット演習の重要性を見てみよう。
以下の表は、アセッサー経験25年の私の体感的な各ディメンションの平均点である。点数は5点法である。体感的としたのは、きちんとした統計では取れないためであるが、ほぼ間違っていないということは断言できる。

ちなみにインバスケット演習がASM合否に影響をもつディメンションを抜き出すと以下のようになる。

演習とディメンションの評価関連表とディメンションごとの受検者平均得点表からいえることは何か。平均点が低いディメンションは下から、「目標・課題設定力」「分析・究明力」「計画具体化力」「リーダーシップ」「自立性」の5つである。
 
さて、この5つの演習ごとの重みづけを見ると、「リーダーシップ」を除いた4つ「目標・課題設定力」「分析・究明力」「計画具体化力」「自立性」はインバスケット演習が評価のキーとなる演習である。高い得点を取りづらいディメンションは、合否を分ける最大のファクターである。実際にASMの場面で評価点2点を取るということは、もし合格レベルを合計点でオール3以上すなわち18ディメンションで54点以上とするなら、4の評価を他のディメンションで取らなければいけないということである。評価点4を取るのは結構難しい。
 
しかし、インバスケット演習で「目標・課題設定力」「分析・究明力」「計画具体化力」「自立性」が評価点2という人は、それなりにいる。平均点が2.5ということは、2人に1人は評価点2ということである。いや、高い評価を得ることが難しいディメンションでも優れた人はいるから、10名に1人は評価点4がいるとすれば、平均点2.5のディメンションは10名のうち6名が評価点2ということである。
いかにインバスケット演習で多くの人がはじかれ、そしてASM不合格になるのかがわかる。
 
こうしてみるとASM、アセスメント・センター・メソッド攻略の鍵はインバスケット演習攻略である。このインバスケット演習は非常に手強い。次にインバスケット演習について述べ、手強さについて伝えていきたい。

インバスケット演習とは

インバスケットとは未決箱という意味である。
 
その昔、すべてのビジネスが紙と電話と出向いての対面会話で成り立っていた時代、マネージャーに対して決裁を求める書類や報告書、各種の連絡、ちょっとした意見具申、など決済指示待ち書類は、すべて紙に書かれてマネージャーの「未決箱」という書類入れに入れられた。書類入れは、二段トレイや三段トレイの一番上が未決書類の置き場として使われることが多く、トレイの一番上の未決書類置き場を「インバスケット(未決箱)」と呼んだのである。インバスケット演習とはその名残であって、なんらかの思考法やマネジメントスキルを指す言葉ではない。
インバスケット演習は今でいうと、ビジネスメールの受信トレイのようなものである。未読のメールだけを集めたフォルダをインバスケット演習だと理解してもらうとわかりやすいと思う。
 
さて、ビジネスに限らないが、なんらかの人の能力を測るときは、何かをやらせてその取り組みを観察して評価を下すのが一般的である。オリンピックの採点競技などというのがそれに当たることは、すでに解説した。
インバスケット演習は未決の書類をその人に与えて、限られた情報からどれだけ考えることができるのかとか、何を目指してどう動かすのかを試す演習である。
能力を測るためにはプレッシャーを与えなくてはいけないから、時間を限り、組織として少し機能していない状況を与えて、どう問題解決を図るのか、いかに組織を動かすのかを試すためにつくられたものである。
源流はプロシア(現ドイツ)の将校選抜に使われたとかアメリカ軍の士官選抜で用いられたとか諸説ある。
ビジネスのかたちとしてはこれも諸説あるが、第2次世界大戦後にアメリカのDDI社(Dimensions Devaelopment Internasional Co.Ltd)がかたちにしたとされている。
 
インバスケット演習は、
 
●状況を設定して説明した指示書と15~30程度の決済指示待ち書類が入っている。
●状況の中では必ず自分は新任のマネージャーである。
●回答方法は、昔はポストイットなどに宛先と内容を書いて貼りつけるというものが多かった。(今は別紙記入とかレポート提出とかメール回答とかもある)
●時間は2時間~3時間程度であり、昇進昇格試験の一部として実施される場合は2.5時間~3時間を当てることが多い。
●自分はインバスケット処理のあと、2週間程度は出張不在で、しかも、その間の連絡は一切職場と連絡してはいけない。
 
というのが細かな説明を省いた外観的な特徴である。
 
本書は、上記のインバスケット演習の特徴をマネジメント能力として設定される理由とともに解説しておく。
 
●状況を設定して説明した指示書と15~30程度の決済指示待ち書類
→仕事の能力(=マネジメント)は仕事で試すのが一番だから、仕事をもってきたということ。実際の仕事をもってきたらすごい量となるが、紙に書いてパッケージしてしまえば(オンラインデータでも同じ)、コンパクトになるのでこの形態となった。
 
●状況の中では必ず自分は新任のマネージャー
→前任者がろくでもないマネジメントをしていた設定とするため。インバスケット演習の中は必ず
◆組織として果たさなければいけない組織使命(営業課なら売上、人事課なら離職や採用)はうまく行っていない。
◆メンバーの能力はある程度あり、やる気もあるが空回り気味である。
◆必要な資料や情報がズバッと提示されておらず、複数の情報などを掛け合わせて見ないとわからないようになっている。
となっている。
 
なぜか。
問題のある組織を立てなおせば「能力がある」となる。逆にいうなら、もし前任者がやる気に溢れた部下が協力し合い、組織として求められる成果よりも高い成果を出している組織をつくっていたとしたら、処理をする能力の差は見てこない。皆さんは、「そのままがんばれ」という1つの指示で事足りてしまう。
よって、ろくでもないマネージャーがつくった問題ある組織を立てなおせ、ということがインバスケット演習の試験としての絶対構図となる。
 
●回答方法は、ポストイットなどに宛先と内容を書いて貼りつける。
→口頭で指示することの代わり。実際の職場では大抵の指示は口頭で行われるのだが、それでは試験する方が大変となるので、書かせて読んで評価する。よって書かない限りまたはオンラインでも入力しない限り評価されない。
 
●時間は昇進昇格試験の一部として実施される場合は2.5時間~3時間を当てる。
→マネージャーには高い集中力が求められる。だらしない人間の集中力は1時間以上続かないことが多い。集中力が切れると指示が単調となったり、必要な説明がなされなくなったり、具体論が見出せない指示が増える。よって、このような設定とする。逆にいうなら、昇格試験なのに1時間程度のミニインバスケット演習で行うというのは、試験としては少し外れた構図である。
 
●自分はこのインバスケット演習処理のあと、2週間程度は出張不在で、しかも、その間の連絡は一切職場と連絡してはいけない。
→仮に自分も翌日からの出社だとすると、「出社してから話を聞いて指示を出せばいい」が成立する。それではマネジメント能力を評価するための証拠(行動記録)が残らない。よって、2週間は不在として、どう動くのかを見ている。なお、2週間不在には多少意味があって、1週間不在程度だと、たいていの人が「着任してから自分の目で見て耳で聞いて判断する」となるし、3週間不在だと「部下に指示して託すしかない」となる。2週間はその境目である。自分で動く人なのか、他者を動かす人なのか、これを評価するための構図が「2週間不在。連絡不可」である。マネジメントとは自分が動く面もあるが、基本的には部下を使うことである。この仕掛けで人使いの傾向を評価できるのである。
 
インバスケット演習というのは、なかなか厄介な試験だということが少しわかってきただろうか。
この本では第1章で実際に取り組んでもらおうと思う。

インバスケット演習が苦手な人の特徴

 インバスケット演習に限ったことではないのだが、ASM、アセスメント・センター・メソッドに不合格となる人の特徴がある。

ASMに来る人は、ある意味で担当者時代の仕事の成功者である。担当者時代に優れた実績を上げていない人はASMに推薦されない。合格したらマネージャーというのがASM。優れた担当者は、次はマネージャーとして期待される。

その仕事の成功者にも関わらず、マネジメント能力の試験を落ちる人の特徴をいうなら、優れた担当者の癖を引きずっている人となる。

「優れた担当者の癖を引きずったASMで駄目な人」は以下の特徴をもっている。

●質より量。案件全部に手をつけることを目標とする
●なんでも自分が出てきてやろうとする
●上司に忠実。間違った指示でも疑問をもたずにやり遂げる

こういった特徴をもっている。

どういうことか。

優れた担当者は仕事を引き受けてバリバリこなす。

こういう人がインバスケット演習に取り組むとどうなるのか。案件数が25個あったとするなら、25個すべてに手をつけることを目標とする。

優れた担当者は何にでも関与して責任をもって引き受ける。頼られるのが好きだし、自分の技能に自信をもっているので発揮場所を求める。

こういう人がインバスケット演習を手がけると、自分の目で見てからすべてを判断することにし、部下に任せない。何事も自分が関与しないと気が済まないのである。

優れた担当者は四の五の言わずに、ものごとに取り組む。上司の言うことは絶対であり、疑わずに取り組む。当然、状況を見たりはせず、目の前のことに全力で取り組む。こういう人がインバスケット演習に向き合うと、経営数値など読まずに上司の言ったことを鵜呑みにする。インバスケット演習は試験なので、わざと上司から間違った指示を出させることもある。こういう人は間違った指示にも忠実に取り組む。

マネジメントとは、なんだろうか。

非常に簡単にいうなら、

●組織目標を設定し、
●部下を動かして使い、
●正しい方向に向かっているのかを不断にチェックし、督励をする

ことだといってよい。

当然求められる姿勢というのは、

●組織使命に沿って重要なものから対処し、
●できる限り部下に任せて実行を図り、
●正しい方向に向いているのか不断に確認する

ことになる。

インバスケット演習に限らず、ASMの演習はその費やした量も評価対象にしているが、ディメンションを見てみると、もっとも評価対象としているのはマネジメントの質、すなわち何を考えてどう動かしたのかである。マネジメントはマネージャーに対して、現場で作業をすることを求めず、現場で何を作業するのかの指示や実行に対する援助を求めるのである。

ASMでは作業者としての美徳を発揮しても評価はされない。

ところが人間というのは悲しいもので、体に染みこんだ癖というのは簡単には変えられない。よい担当者として「任されたことをすべてやり遂げ」「グレーゾーンの仕事は引き取って貢献し」「組織を疑わずに指示を守る」ことで、現在の地位を築いた人は、インバスケット演習に向かい合っても「任されたことをすべてやり遂げ」「グレーゾーンの仕事は引き取って貢献し」「組織を疑わずに指示を守る」ことで立ち向かっていく。

そして、不合格。なぜ落ちたのかさえわからない。

ASMの結果について問い合わせがあることがある。大抵はその上司からなのだが、「ウチの素晴らしい担当者である○○くんは忠実で努力家、他者の仕事まで引き受けてこなす誠実さをもっている。私の指示には素直に従って努力する組織人である。それなのに、この低い評価。納得がいかない」というものが多い。

大変申し訳ないが、○○くんがASMを落ちたのは、その美点が原因である。ASM実施の責任講師として、この説明は少し時間がかかる。しかし、しないわけにはいかない。なぜなら、その方向の延長線上に努力しても、○○くんはマネジメントに届かないからである。

我々は多少かたちを変えながらも、基本は年功序列の人事制度の上で生きてきた。職能資格人事制度はいうにおよばず、実力型人事制度と銘打ったものやタスク型人事制度などといっているものも、基本は年功序列である。年功序列はマネージャーになるまでに長い年月を必要とする。逆にいうなら名称はどうあれ、マネージャーになるまで長い年月がかかる人事制度は、ほぼ年功序列人事制度に当てはまると見てよい。

長い年月担当者をすると担当者としての癖がつく。癖は一度つくとなかなか変えられず、その癖が有効ではない場面に直面すると足を引っ張る。年功序列社会は優れた担当者を産むには有効だが、優れたマネージャーを育てるためには有害である。

もちろん、難関ASMといえども合格者は出る。ただし、本当の意味でのマネジメントとしての合格者であることは少ない。

出た合格者を見ると「ちょっと頭がよくて」「立ち回りがうまい」という人が多く、次が「規律や規範に忠実で」「組織内の力関係をよく知っている」人である。高度成長期のキャッチアップ型組織で求められたマネージャー像であることが多い。

キャッチアップ型マネージャーの時代は終わる。なぜなら、日本がキャッチアップを30年前に果たした以上、自ら目標設定し実践していく社会や会社団体などにならなくてはいけないからである。一部のキャッチアップ型の業界や規制業界など平穏無事な業界では、日本人の基本行動様式たる年功序列型・キャッチアップ型の世界は残るだろうが、使命実現型や競争勝利希望型を中心とした業界に属する会社では、年功序列は終わり、職務型人事制度に転換されていく。

そして、職務型人事制度では担当者とマネージャーの仕事は明確に区別され、マネージャーは担当者の延長線上にはない職務となる。

仮に年功序列型人事制度であっても、優れた担当者の単純な延長線上にマネージャーはない。

マネジメントというのは組織として必須の能力であるのだが、その能力は担当者をしているだけでは獲得できない。担当者の仕事の中にマネジメントの要素は非常に少ない。よって、マネジメント能力の獲得にはマネジメント能力の獲得だけを目的とした仕組みや仕掛けが必要なはずだ。海外ではMBA(経営学修士)などをその仕組みとしている会社や組織があるが、日本企業でマネージャー育成のためだけの仕組みをもつ組織は少ない。

今後は単位を組織として、自分で考え、結果に責任をもつ人間が求められている。若いビジネスパーソンは、そのような認識をもって自身の能力を伸ばしていくようにしたい。

*   *   *

序章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子書籍ストアにて6月16日より随時発売になりますので、是非お買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『インバスケット演習攻略教本 本物の実力をつけて完全突破を目指す』

■書籍情報

アセスメント・センター・メソッド受検を考えたらまず最初に読む本

管理職昇格試験であるアセスメント・センター・メソッド(ヒューマンアセスメント)に、最難関であるインバスケット演習があります。

本書はそのインバスケット演習への攻略法を地力強化と直前対策の視点から解説した類例のない本です。

問題解決領域と組織運営領域を評価するツールであるインバスケット演習は付け焼き刃では攻略できません。真の実力をつける必要があります。

本書では真の実力をつける方法を9つのスキルや、アセスメント・センター・メソッド受検当日に、身につけた力を存分に発揮するための心得や方法を、余すところなくお伝えしています。受検直前の人が読んでもきっと役に立つ内容です。

また本書の特徴として、体験用のミニインバスケット演習を行ない、評価者の視点を解説しつつ、マネジメントとしての考え方や行動の仕方についても触れています。

組織を率いる良いマネージャーになりたい方や良いマネージャを得て人と組織を伸ばしたい経営者にもぜひ手に取っていただたいです。

【目次】

序章 アセスメント・センター・メソッドとインバスケット演習
第1章 インバスケット演習の体験
第2章 インバスケット演習で評価される9つのスキル
第3章 インバスケット演習に強くなる
第4章 インバスケット演習基本対策
第5章 ディメンションごとの能力開発

■著者プロフィール

藤本邦之

有限会社オーバルマネジメント代表取締役
1958年東京都品川区。明治大学政治経済学部経済学科卒業。1981年アルプス電気株式会社入社営業本部配属。1992年ソニー生命保険株式会社、1993年株式会社マネジメントサービスセンター企画営業~研修講師。2000年独立、有限会社オーバルマネジメントを設立、代表取締役。
研修講師としては年間40コース程度のアセスメント研修(ASM)の他に人事考課者研修やコミュニケーションの強化、クレーム応対、採用面接者養成などを領域とする。アセスメントした受検者は1万人を超える。「研修講師として自分でプログラムを考え、自分でテキストを作り、自分で演習類やシート類を作る」が信条で広範囲に学習を継続中。

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