線は消すだけでは無い吉田五十八先生は、線を消す事にこだわってましたが、線を嫌いというわけではなかったはずです。 邪魔な線を消して、生かす線を出すという考えだったのだと思います。 手すり 格子 線を意匠的に表すのに、わかりやすいのが、手すりや格子ではないでしょうか。 手すりなど、ある程度厚みの必要なものでも両サイドに向けて斜めにし、ひし形の形にして見た目細く見せたりしています。 その細い面に、更に溝をつけるなど、とても良い形になっています。 縦樋の位置 縦樋の線とい
建具のこだわり吉田五十八先生の線へのこだわりは、建具に関しても細かく追求しています。 建具といえば、建物に対して必ず付けなくてはならないもの。 部屋に一つ以上はあるでしょう。その部屋の顔となる場合もあるものです。 建具の収納(戸袋) 吉田五十八建築の特長の一つとしては、外部に面している建具を、全て壁の中にしまってしまうという作りが、殆どの建物で見られます。 1番外側の柱を構造柱とし、室内側にダミーの化粧だけの柱を設け、その間に全ての建具を入れてしまうのです。 普通戸袋
線を消す為の技術鴨居と障子 和室の間仕切りの障子を設ける場合、必ず鴨居を付けなければならない。 更に鴨居上に欄間障子を付ける事もある。 普通なら、鴨居が垂れないように、吊り束などで補強する物です。 ただ吊り束を設けると、束の線が邪魔になるし、何より下の障子と格子のラインがズレてしまう。 そこで、吉田五十八先生が考え出した方法が、ネジ式の真鍮のパイプを作り出し、真ん中ではなく、真ん中から左右の障子の重なり部分に設け、パイプを回して鴨居を吊る事を開発しました。 障子は殆ど
数寄屋建築の世界では、吉田五十八(よしだいそや)という人は、とても重要な人物です。 簡単に言えば、現代数寄屋の形を作り出した、昭和期の建築家です。 それまでの数寄屋建築は、和室の境は襖や障子でくぎられ、欄間などが鴨居上に設けられる形が主流でした。 障子も決まった寸法となっており、ある程度決まった形が多かったです。 それらを取り除いたり、決まった形の殻を破り、作り上げたのが、現代数寄屋の形です。 生活基準も、畳からフローリング生活に変わりつつあった時代。 その変化に合わせ
自分の仕事 数寄屋建築とか数寄屋大工とか言ってますが、私は誰かに教わっているわけではありません。ほぼ独学です。 色々調べたり、本を見たり、実物を見たり、経験した事を話しているだけでもあります。 実際、大工をやってますが、茶室や数寄屋の仕事はやりますが、普通の住宅の仕事もしています。 プレカットも手刻みの建前もやります。リフォームもやります。 ただ、色々な仕事をやる事で、間違いなくいい経験になっていると感じています。 単に、数寄屋だろうが茶室だろうが住宅だろうが、自
大工さんは、色んな種類の大工さんがいますが、みんな目的は一つですね。 しっかりした、家(建物)を造る事。 ただ、その大きさだったり、やり方などが違うだけ。 みんな同じ大工さんです。 構造木を使う大工さんはみんな形は同じ。 社寺建築も、材料は大きいが、柱を立てて梁を乗せて屋根をかける。 小さい一般住宅も、柱を立てて梁を乗せて屋根をかける。 地震対策、台風対策も、その場所の気候などに合わせて変える事も、同じ事。 造作造作も、木を加工して付ける事はどの大工も同じ仕事を
茶室と数寄屋とは、同じ括りで区切られますが、実は似ている様で、違う所は多いです。 全く違うとは言えない所が面白い所でもあります。 茶室は、大まかに言えば、数寄屋建築の中にある、ジャンルの一つといえます。数寄屋建築とは、奥が深い建築です。 数寄屋建築数寄屋造りの始まりは、母屋とは別に、離れに小さな茶室を作ったのが、始まりとされています。 その為、数寄屋建築の元になっている考え方は、茶室の考え方と似ているのです。 ・茶室 茶室には、大きい部屋の広間と、小さい部屋の小間があ
その1で、建築の構法毎に、大工さんがいるという事を話しました。 一棟丸々仕上がるまで同じ大工さんが工事をする事が殆どですが、中には、内装だけ専門の内装大工や、外部だけの、外壁大工もいます。 リフォーム専門の大工さんもいたり、大工さんも様々です。 今回は、伝統構法の方を掘り下げていきます。 伝統構法の大工昔は大工の仕事もそこまで分かれていなかったと思います。 その中でも伝統構法の大工さんは敷居が高いとか感じるかもしれませんね。 宮大工 宮大工は、1番耳に入る技術ある大
家を建てる時は、大工さんは必ず必要な人達です。 そこで、大工の仕事と一言にいっても、大工だけでもかなりの種類がある事をご存知でしょうか? ここでは、どんな大工さんがいるか、紹介していきます 木造の構法大工とは家を建てる人です。まず、その家の構法自体によってジャンルが分かれます。 木造の構法 ・伝統構法 ・在来構法(軸組構法) ・枠組壁構法(ツーバイフォー構法) ・パネル構法 と、大まかにこんな感じです。 これらの構法それぞれ、大工さんも専属で分かれ
私は、ずっとInstagramをやってましたが、notoを始めて、より、ものづくりの好きな人や、建築業の方、建築好きな方と繋がりを強くしたいと思います^^ 私は、関東で大工をしています。主に住宅、新築、改築、注文住宅、手刻みの住宅、数寄屋建築、茶室など、手で1から作り出すような仕事をしています。 幅広く仕事をしているので、その時その時で違う考えや、仕事の仕方なども違うので、色々な経験をしてきました。 例え、無理難題を与えられても、考えて作り出す事が楽しくて、今でも仕事を
先日、私の母校の職芸学院(旧富山国際職芸学院)が、募集を休止を決定したという事を知りました。 私の通っていた頃は、2年制で大工コースだけでも60人程いた。もしかしたら、その頃がピークだったのか、だんだん人数は減っていき、2年前には2年制から1年制になり今に至ります。 若い職人が減っている根本的な問題は、現在の建築業界の問題でもあります。 しかし、少子化で子供の少ない今の時代、若い子がいないと、なげいているだけでは何も変わらないと感じます。 職芸の卒業生が、今現在建築業で