#沖縄の心は届いていますか 映画監督 三上智恵さんTwitterより
沖縄県庁前で行われているハンストは3日目。一緒に座り込むお年寄りの中の最高齢は横田千代子さん、93歳。彼女を平和運動に駆り立てるもの。その大事なストーリーを共有します 映画 沖縄秘密戦史監督三上智恵
遺骨を含む南部の土を
辺野古の海に投入するな
この座り込みに参加する
最高齢者が
多分、横田千代子さん 93歳
文子おばあより一つお姉さん
サイパン島で死線を彷徨い
父、兄、義姉の赤ちゃんが
犠牲になった
兄の骨は全く収集もされていない
慰霊団として何度も渡った
サイパンの地
今年もコロナさえおさまれば
行くという
米軍の上陸前
安原さんという兵隊さんに頼まれて
街までハンコをあつらえに行ったことがあった
友軍に協力するのが当たり前で
千代子さん自身は意識していなかったが
のちに、森伍長が
千代子さん宛の手紙を
安原さんから預かっていたという話があり
この兵士は
明るい沖縄から来た少女に
好意を持っていたのだろう
敵の上陸が迫った頃
千代子さんは、なんて言っていいかわからずに
最後に安原さんに言った言葉は
「立派に死んでください」
だったという
そのあと家族を一人一人と失い
ご自身も怪我をして
北へ北へと逃げる中で
森伍長と再会する
そして
安原さんの隊は
米軍が上陸した浜で木っ端微塵にされ
最後に上半身だけで砂浜に刺さるように立った
安原さんが
「最後まで立派に戦ったと
あの娘に伝えて欲しい」
森伍長にそう伝言したという
リッパニシンデクダサイ
そんな言葉をかけた自分を
千代子さんは何度も呪ったそうだ
その手紙を今でも受け取りたいと思うの
県庁前のハンスト座り込み現場で
私にそう言った
テントの裏は
鳩がたくさんくるところ
千代子さんはここに来るたびに
コメを持ってきて
今日のように、鳩らにやって戯れている
サイパンの鳩は、もっと美しいのよ
と言いながら
戦争犠牲者の骨に
沖縄も本土もない
出身地なんて関係ない
あるのは
戦争が終わったことも知らず
肉親が来てくれるのを待つ
気の毒な一人の人間の姿
と
遺骨を収集してきた具志堅さんはいう
なんとか遺族に返したいのに
それができないどころか
その骨や血を含んだ島の土を
基地建設の素材にするのは耐え難い、と言う
いまだに救われない
戦争犠牲者の骨
それぞれのかけがえのない人生のストーリーがある
少し耳をすませば
彼らの声は聞こえる
私たちは
どんな土の上に生きてるのか
過去を踏みにじってはいないか
土になり、石になって
帰り道がわからないままの骨を
一山いくらの埋め立て資材として
利用させていいはずがない