シャンレイ

東京生まれ。 現在、パリ在住。

シャンレイ

東京生まれ。 現在、パリ在住。

最近の記事

外出規制という初めての経験

 2020年3月の2週目に看護師をしているフランス人の親戚から『confinementにいよいよ入りそうだから覚悟しておいて』と電話がきた。『え?コンフィヌモン?』フランスにきて18年たつが初めて聞く単語だった。慌てて辞書を引いたら『監禁、隔離』と出て来てゾッとした。数日後 マクロン大統領によりコロナ感染拡大を防ぐためフランス全土に2週間の(最終的には2ヶ月に及ぶ)コンフィヌモンが発令された。つまり外出禁止、ほぼ全てがストップした。買い物に行くにも証明書持参、スポーツも自宅か

    • リノベーション その3

      少しずつ話を詰めていく初期の段階で、木材の色ひとつ取ってもジロさんの理想とするものとジェロームの思っている色にズレがあることにハタと気づく。そこからジロさんはジェロームに自分の持っていきたい世界観を理解してもらうために谷崎潤一郎『陰翳礼讃』や寺尾聰主演の『雨上がる』やらをぜひ読んで!観て!とせっせと持っていくことにした。ちなみにジロさんはフランス人、ジェロームはフランス&ドイツ人。建築家ジェローム氏のすごいところはそれをきちんと受け止めて、ちゃんと読み込み、映画も見てくれて日

      • 満月のせい。

        サービス業というものに40歳になって初めて着いた。意外と自分向いてると思うことの方が多いけれど、たまにとんでもないのにも出会う。その場合大抵は客人、お店に入る前から鼻息荒めで来る。私はそういうのを意外とキャッチしてしまう。気づかずにいられればどれだけ幸せだろう。 (絶対買うつもりもないのに)「ディスプレイのあの商品試したいんだけど」と言われる。「残念ながらディスプレイの商品は非売品となっておりまして、こちらに同じ柄のお色違いございますがいかがでしょうか」と言うと、この私の(

        • リノベーション その2

          建築家ってあまり良い印象がなかった。こっちの勝手な劣等感もあるけれどなんかお高くとまっていて苦手。たまに来る仕事場ですれ違うキャリーケースを引っさげて『ボンジュール』の『ボ』の字も言えない建築家そいつのせいだ。   リノベーション パリ 18区で検索してみたら、家の近くに一つヒットし早速ジロさんと訪ねてみた。若いスタッフのいる、感じの良い空間だった。『何平米ですか。ロフトにするんですね。わかりました。メールで見積もりをお送ります』と言われて数日後見積もりがきた。でもこちらか

        外出規制という初めての経験

          コロナのせい。

          フランスの精神科医〈長引く外出禁止の結果、植物に向かって喋る行為は正常であり相談に来る事ではありません。そのかわり植物が返事しだしたらすぐ連絡してください〉                          ↑どなたかが、この言葉をサイトにあげられていて、ふと見るとジロさんが草木と会話している様に見えて大丈夫かなと思った瞬間の写真です。 パリでは5月の3回目の外出規制で食料品店以外の営業は基本禁止。でもクリック&コレクトであれば良い、と言う網の目を潜って我が社も営業を続けて

          コロナのせい。

          リノベーション その1

          モンマルトルの麓にある小さいアパルトマン。その最上階にある2つのワンルームを一つに繋げるリノベーションを決意した。一度は大掛かりになりそうな工事を考えただけで真っ青になるジロさん(夫)は、この二つを売って別の物件を購入した方が気が楽だよとパリ市内数件見に行ったが、やはり今の住まいの眺望は捨てがたい。そんな折、家の近くに新しい建築家の事務所をたまたま発見し『すみません・・・』と訪ねて見た。                                 その時の建築家ジェローム

          リノベーション その1