外出規制という初めての経験
2020年3月の2週目に看護師をしているフランス人の親戚から『confinementにいよいよ入りそうだから覚悟しておいて』と電話がきた。『え?コンフィヌモン?』フランスにきて18年たつが初めて聞く単語だった。慌てて辞書を引いたら『監禁、隔離』と出て来てゾッとした。数日後 マクロン大統領によりコロナ感染拡大を防ぐためフランス全土に2週間の(最終的には2ヶ月に及ぶ)コンフィヌモンが発令された。つまり外出禁止、ほぼ全てがストップした。買い物に行くにも証明書持参、スポーツも自宅から1キロ県内1時間以内と強く規制され、たった紙一枚とは言え重いものがあった。2週目を過ぎた頃、運動不足の中学生の娘を連れて家の近くを散歩していたら警察に『マダム』と呼び止められた。「証明書の提示を』と言われ、提示して終わりかと思いきや『読み上げます。体を動かすための外出、こちらの項目に印を付けられていますが、あなたがされている運動は何ですか?』と全く予期していなかった質問が来て頭が真っ白になってしまった。娘は冷静で『ウォーキングですが、何か?』と返したら『散歩は運動に入りません、今回は135ユーロの罰金は徴収しませんが速やかにおかえり下さい』と言われ、すごすご帰って来たこともあった。そんな経験もあったから5月11日の隔離解除の日は解放された気持ちでいっぱいになった。