【創作ショートショート】無理無理グリム童話88
おばあさんの家に行った帰り道、赤ずきんが森の中を歩いていると、棺の前で嘆く7人の小人たちがいた。
大好きな白雪姫が死んでしまって、嘆いているのだ。
亡くなった時間を聞くと、ちょうど赤ずきんがオオカミに食べられて、三途の川の岸辺へ行っていたころだ。
それであれば、死んでいるのはおかしい。
その時間に死んでいたら、向こうで出会っているはずなのだから。
赤ずきんが白雪姫に触ると、喉に詰まっていたリンゴが取れて、白雪姫はあっさり息を吹き返した。
大喜びの小人たち。
そこに白雪姫の童話で出てくる、死体収集家の王子が通りがかるが…
もちろん、生きている白雪姫に興味はわかない。
そのまま素通りした。
生き返った白雪姫は、また母親に殺されると泣き始めた。
そこにシンデレラ夫妻が通りかかる。
事情を聞いた、シンデレラは姉の目をくり抜いた白い鳩を使って、今度は白雪姫の母の鏡を割らせた。
これで白雪姫は母に見つかることはない。
白雪姫は赤ずきんと一緒に暮らし、シンデレラはたまに、元王女様の白雪姫を訪ねるようになり、3人は仲良く暮らしましたとさ。
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