#ファンタジー小説
小説:剣・弓・本014「交換条件」
【ライ】
「おはよう! ってか腹減ったなー。あ、もう昼か」
セドさんが入室してきました。ボサボサの髪を掻きむしっています。
「セドさん、安静にしてないと……」
「なあ、ライ、やっぱり採れたての薬草は効くなー。この通りだ」
と言って包帯を引き剥がします。オトスイにつけられた裂傷の跡こそ残っているものの、出血はもうありません。確かに乾燥薬草よりは効能がありますが、それにしてもおかしいです。昨日あ
小説:剣・弓・本008「セドのルーティン」
【セド】
……
9996……
9997……
9998……
9999……
10000!!
寝る前には剣を振る。
雨が降ろうが槍が降ろうが毎晩欠かさない。戦いの中で生きる俺にとっては、これが不可欠なんだ。まあ、呪われた日課だよな。
宿に戻る。ライとナスノは書き物に集中している。話しかけないでおこう。ったく二人とも俺とは完全に真逆だな。前に筆に触れたのはいつだ? 思い出せねえな。
小説:剣と弓と本006「ライの手紙」
【ライ】
『さえずり』での一件の後、食堂『ひぐれ』へ行き、セドさん、ナスノさんとともに夕食を摂った。
それにしても面白い二人だ。
しかし、ナスノさん。彼は本当にユニークな人ですね。僕にだけ耳打ちしてくれたことは、絶対にセドさんには伝えないことにしましょう。
さて、今日も手紙を書くぞ。一日の締めくくりは記術。これが記術士たるものの使命ですから。