相手に伝わる“例え話”の作り方
説明が上手い人、苦手な人。
その違いはなんでしょう。
それは、“例え話”の有無にあると思います。
“例え話”は、ある事柄を説明する時、違う物事に置き換えて説明する際に用いる話です。
これを使うことで、相手にとって身近な物に置き換えて話を伝えることが出来る為、
相手にとってはわかりやすい説明となるわけです。
つまり、「伝わる話し方」には、「例え話」が必須だと言えるかもしれません。
そこで今回は、「例え話」の作り方を解説していきます。
例え話の構造
分かりやすい例え話の作り方を覚える為には、そもそもの“例え話”の構造を知る必要があるでしょう。
例え話とは、端的に述べると「同じ構造の話」のことです。
一つ例を出しましょう。
私が担当した精神科患者さんの話です。
彼は、とてもコミュニケーションが苦手でした。
しかし、面白いことに、私とは上手くコミュニケーションが取れます。
他には、母親、父親とのコミュニケーションには熟練していました。
では、なぜ、友人や職場の同僚とは上手く話せないのか。
その原因は、「相手に応じて戦略を変える」という事が苦手だったのです。
つまり、彼はワンパターンのコミュニケーションを取っていました。
なので、私や母親・父親とは、そのパターンで波長が合いましたが、他の人物とは合わなかったのです。
しかし、彼はワンパターンの方法しか身に着けていなかった為、
それらに対処する術がなかったのです。
そうと分かれば、その事実を彼に伝えなければなりません。
ここで、“例え話”の出番です。
彼は、非常に野球を愛する人物でした。
ですから、野球を用いた例え話をしました。
ここで、冒頭で述べた、「同じ構造」という点に着目してみます。
私が伝えたかったのは、「相手に合わせたコミュニケーションをする」ということ。
これを、もっとおおざっぱな形にします。
つまり、「相手に合わせる」という話まで、拡大解釈させます。
ここまでくれば、“例え話”をつくるのは簡単です。
要するに、「相手に合わせる」という構造を持つ話をすることで、分かりやすい例えば話になるのです。
例で言えば、「打者に合わせて投球する」ということですね。
このように、“例え話”とは、広い意味で、「同じ構造」になっている話という事なのです。
言い方を変えれば“置き換え話”とも言えるかもしれません。
例え話の作り方
では、例え話の構造をご理解頂いたところで、具体的な作り方を解説していきます。
上記の章を読んで、「なんだか難しそう」と感じたのが正直な感想かもしれません。
なので、ここからは簡単な例え話の作り方を紹介していきます。
何より、多くの場合、例え話は即興で作っていく必要がある為、簡単に作れる様でなければ実用的ではないでしょうから。
簡単な例え話を作るコツは、「登場人物や物をすり替える」という方法です。
再度、前述したコミュニケーションと野球の例を使用して説明してみます。
会話になっている為に複雑に見えますが、結局のところ言いたい事は、「コミュニケーションの言葉は相手に合わせる」というのが、私のメッセージでした。
それを野球に例えると、以下のようになる訳です。
コミュニケーションの言葉は相手に合わせる
↓
野球の投球は相手に合わせる
こうしてみると、非常にシンプルな構造だという事が理解出来るかもしれません。
つまり、
コミュニケーション→野球
言葉→投球
という様に、そっくりそのまま入れ替えるだけ、ということです。
ですから、簡単に例え話を作る際には、まずは伝えたいメッセージを考えてみます。
そして、伝えたいメッセージに登場する人物や物(要するに名詞)を他の物と入れ替えるだけです。
例:心のエネルギーが切れたら充電が必要
⇅
車のガソリンが切れたら給油が必要
この方法であれば、比較的容易に例え話を作る事が可能です。
さらに深めたい方は、相手の趣味嗜好にあった言葉を選択することを意識してみてください。
先程の患者さんは、野球が好きだったので、例えに野球を用いました。
例えば、相手が卓球好きなら卓球を例えに使っていたでしょう。
先程説明した“例え話”の作り方では、単純に相手の好きな物と、元の単語を入れ替えるだけなので、相手に合わせた“例え話”が容易に作成出来るのではないでしょうか。
まとめ
今回は、相手に伝わりやすい例え話の作成方法を解説しました。
コミュニケーションの基本中の基本は、“相手に合わせること”です。
例え話も例外ではありません。
ですので、今回紹介した方法を参考にしながら、相手に適した“例え話”を作成してみてくださいね。
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