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孤島に持っていく本を問われた時、
自分の余命が分かった時、
人はどんな本を選び読むのだろう?
本棚はその人の思考の露呈である。
となると、私の本棚は偏屈な愛情に満ちている。
つ…
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#フランス文学
【孤読、すなわち孤高の読書】アルチュール・ランボー『地獄の季節』
魂の深淵を旅した者が手掛けた破壊と再生の象徴詩。[数奇な生涯]
魅惑的な作品を残し、突如として“転職”をしてこの世に去った詩人アルチュール・ランボー。
当時のフランス詩壇に一閃の雷光を放ち、時代の闇に突き刺さったのは言うまでもない。
まだ詩というものに馴染の薄かった私にすら、その名、その詩は、時に勇ましく、突起に魅惑的に差し迫り、今以て私はその詩集を手に取るほどだ。
彼の人生は、まるで深い暗闇に
【孤読、すなわち孤高の読書】アルベール・カミュ「異邦人」
人生の不条理を問い、意味を超越した孤独と自由を描いた傑作。
[あらすじ]
この一冊が纏う冷厳にして澄みわたる透明な空気には、まるで人間存在の深淵が反射されているかのごとき重みがある。
物語の主人公ムルソーは母の死に直面しても涙一滴も流さず、その無感動さを自然体として携える稀有な人物である。
彼は世間の常識に従って「在るべき姿」を求める者たちとは異なり、眼前の出来事に冷徹なまでの無関心を示し、己の