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「永田、育休取るってよ。」 〜男の育児休暇は絶対に必要です〜

つい先日、二児の父になりました。

三年前、長男が産まれた後の1ヶ月は、産後生活がどれだけハードかもわからず、むしろ「よーし父ちゃん君のオムツ代稼ぐぞ」とばかりに、Triple Standardやいちむじんのツアーに出陣していました。

いや呑気か。

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今から振り返ると、子育て要員が一人欠けるだけで家族にかなりの負担を強いてて、ツアー中の定期連絡でもピリっとしたヴァイブスをスマホから感じました。

正直、僕も最初はそんなに長男を可愛いと感じられず、「なんか予想はしてたけど、ちっちゃいガッツ石松だなぁ」と思いながら、粛々と必要最低限でOK牧場的な「育児の手伝い」をしていました。

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急に真面目な話になりますが、日本社会が国際的競争力と男女平等雇用・登用で世界に遅れを取っている大きな理由の一つが、「イクメン」という意識なんですよね。

育児しなくても別にいいけど、ちょっとしたら褒められるボク、偉いでしょ的な意識の低さ。共に育てるのではなく、お母さんメイン、お父さんサブというポジショニング。

そりゃあ全国のお母さんは疲弊しますって。
子育てしなかったこと、一生恨まれますって
いずれ熟年離婚切り出されますって。

かくいう僕も、当初はイクメンの意識で「後方支援」をしていたのですが…ものの数ヶ月で、僕が与えた愛情以上の笑顔をガッツ石松くんが返してくれるようになって、すっかり考えも変わりました。

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ええ、楽天の「ママ割」という言葉になかなかの苛立ちを感じるくらいには変わりました。なんだよママ割って。割引のタイトルからパパを蚊帳の外に置くなよ、全世界のママに喧嘩売ってんのかよ、Change.orgに投稿すっぞ(憤りすぎ)

(参考 https://event.rakuten.co.jp/family/ )

脱線しましたが、元々2月5日にガッツ弐号が産まれる予定が、少し早まって1月27日の夜に産まれました。

その日は夕方にどうしても外せないオーディションがありましたが、いいタイミングで帰宅し、長男を風呂に入れ、駆けつけてくれた義母に託して分娩室に滑り込みました。

「ゼエゼエ…間に合った…?」
「うん、まだこれから。えっと…」

妻が僕のソーシャルウィンドウを指差します。
はい、モロ全開のオープンハートでした。

助産師さん達「wwww 急いで来たんですね www」

そんな和やかなアイスブレイクも束の間、陣痛の間隔と強さもいよいよ本腰に。

痛みに呻き泣き叫ぶ妻の手を握っては強すぎると怒られ

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暑いと言われたのでうちわであおいではパタパタが早すぎると怒られ
ポカリを何度も手渡しては今はいらないと怒られ

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産む直前は僕の手は何もやることがなくなったので、備え付けのプレイヤーでソロピアノのCDを流すくらいしかできないという…

…とまあ、終始そんな感じで出産時における典型的な男の無力さを感じました。

それでも幸運だったのは、10ヶ月続いたドラマのファイナルファイトのリングサイドに、丹下段平さながら立ち会えたことです。

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「産め、産むんだジョー!」

もし出来心でそんなふざけた事を言ったら、來世まで罵られることが想像に容易い。心身ともに凄まじい負担を母体に強いる、凄惨な戦い。

「出産は交通事故にあったくらいのダメージ」と言われますが、その現場に立ち会わないと、世の男性達にはリアリティを持って感じられないでしょう。

多分僕らだったら痛さのあまり良くて気絶、悪くてショック死します。「鼻からスイカを入れるくらいの痛み」とも言われますが、実際そのくらいのヤバみを現場でヒシヒシと感じながら、ゆっくりと時間をかけて娘が爆誕しました。


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産まれたばかりのフニャフニャの娘を体重計に乗せながら、助産師さんが僕に質問をします。

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「お兄ちゃんはいくつでした?」「3歳です。」
「あ、いや体重です」「12キロです。」
「でなくて…産まれたときの…」

業を煮やし妻がタオルを投げます

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 「3250グラムです」 「あ、そうですそのくらい…」

いや天然か。

長男の産まれた体重なんてこれっぽっちも覚えてない。男なんて、出産においてはとことん無力な生き物です。ですが、出産ファイナルバトルが終わってからが、力の出しどころです。

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掃除洗濯、料理に皿洗い、オムツ替えに寝かしつけ、哺乳瓶消毒にミルクやり、抱っこにおんぶに子守唄、買い物に離乳食作り、上の子の保育園送り迎え…やれることはいくらでもあります。

むしろ、それらを男がやらないで、ほとんどがお母さん任せだったら家庭環境は崩壊します。一人の赤子だけでも崩壊しやすいし、二人以上は数日で崩壊する。

ええ、世の中の育児周りの暗いニュースのほとんどが、男が育児していないのが原因です。ファクトチェックしてないけど、きっとそうじゃね?

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出産後しばしの入院期間も息子とBoy Ⅱ Manで濃密な時間を過ごし、ちゃっちゃと作った夕飯を食べながらNotebookを縦にして動画で病院と繋ぎ、少しずつお兄ちゃんの自覚を芽生えさせました。

ということで、長くなりましたが。
二人目にして、育児休暇です。

「イクメン」ではなく「フツメン」(→男もフツうに育児するぜメーン)として、至極当たり前に家事の担い手として。

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夜のライブ活動は1ヶ月ほど休みます。

昼間のリハーサル、新企画の相談、レコーディング、家からの配信ライブ等は少しずつ行っていきます。なにか面白そうなことがあればいつでもお声掛け下さいませ。並行して、昨年レコーディングした新作アルバムの製作作業も進めています。

会社勤めではないので「育児休暇取ります」なんて仰々しく宣言するまでもないのですが、これを読んで育児への考え方が変わる男性が一人でも増えればいいなと思います。

3年前の自分は、育児の大変さも楽しさも知らず、半ば当たり前のように仕事をしていました。無知ゆえに、それが家庭のためになると思っていたから。

今回は、なるべく近くから、ガッツ永田が可愛らしい女の子へと変化していくのを見守ります。

育て、育つんだジョー!
いやちょっと待って!
ずっと育たないで!
幼いままでいてくれ!

揺れ動く、振り子のような感情。

ふと気づいたら、娘のためっぽい静かな祈りの曲ができてた。"Song for Seri"

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18年間続く、育児という名の楽しいバトル。
Round one, fight! 

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(「あしたのジョー」 Images by ちばてつや大先生)


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