【アイドル新歴史学】 ④革命のモーニング娘。 祖国か死か!」
モーニング娘。『LOVEマシーン』発売日は1999年9月9日である。
もちろん筆者はリアルタイムのアサヤンで「新曲初公開!」の瞬間を観ている。
確か建築家として独立した年で、カメラマンの友人の事務所で一緒にプロジェクトの作業していた時だ。
アイドル史における「崖っぷちからの大逆転」という、その後に繰り返されるストーリーは、この曲から始まったのである。
歴史は繰り返される。
juice=juiceの「メジャーデビュー直前のメンバー脱退+レコード大賞最優秀新人賞の獲り逃し+エンドレスなドサ回りツアー」から、
「武道館」コンサート~アイドル最強「銀河系軍団」へ。
BEYOOOOONDSの「超不遇メンバーが搔き集められて更に1年間放置+追加オーディションでの年増メンバーの崖っぷち感」から、
『ニッポンのDNA』の衝撃デビュー~ビヨーンズ大フィーバー。
これらの大逆転ストーリーはアイドル・ファンの熱狂を生み出す重要な定番となった。
そして、その元祖であるモーニング娘。のストーリーは、
「まずオーディション落選組が搔き集められて結成。自主CD手売りで自らのデビューを掴むも、常に鈴木亜美の後塵を拝する屈辱。最後の切り札である「グループではなく安倍なつみ+その他という布陣」で臨んだ『ふるさと』の大ゴケ、次売れなければ解散」
という状況で発表されたのがこの曲なのである。
不遇のどん底から世界をひっくり返す、
つまり「革命」のアンセムなのである。
それは、8人乗りのボート「グランマ号」に82人を乗せ、キューバ上陸時にバティスタ軍の攻撃で12人まで減り、そこからたった12人からキューバ革命を成し遂げたフィデル・カストロ、チェ・ゲバラ等の革命軍に歴史は遡る。
果たして、
モーニング娘。「革命」の熱狂は、それまでからっきし冴えなかったメンバーたちが、見事にカラフルに個々のキャラクターを開花させ光輝せた。
その「革命の瞬間」に立ち会うことこそが、
アイドル・ファンとして、
つまりは抑圧されている民衆として、
最大級の喜びなのである。
そんな筆者にとって、9月9日は建国記念日であり、国歌を聴きながら祖国に想いを馳せる日でもある。
革命記念日である。