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◆ことばを育む◆ 発語 まだなら


円柱さし

モンテッソーリの円柱さしいろいろ


重さや長さ、深さ、大きさでいろんなことを教えてくれる。

「引っ張る」という語彙がまだわからなくても言語聴覚士が1ピースずつ “引っ張って~” と持ってお子さんの目の前に出せば、この突起つまみが“わたしを引っ張って~・ここをつかんで~”と、、、教具がちゃんと、次にやるべきことを教えてくれる。
教具の構造が持つ力。

穴が空いている所に挿す、ということがまだわからない時はゆっくり、まず注目してもらい、挿さっている状態の円柱を外すところから見てもらう。

すべて穴にして10個の穴からスタートし挿していくのか、まずは1つの穴だけを空けて分かりやすくそこに挿すことを誘導してあげるのか。。。はたまたとなり同士ではない、違いがわかりやすいように遠く離れた2ヶ所の穴のみ用意していざなうのか。。。これらは全て、お子さんの外界を認知する状態に合わせてスモールステップで臨機応変に提示していくよ♪︎

はじめは挿すー外すことに楽しみを見出だせないお子さんでも、やり取りを重ねるうちに挿すことが楽しい!と気づき始める。

そうすると次は正誤に気付き、ぴったりが気持ちいいね嬉しいね楽しいね、と進めるように。
穴と円柱の間にわずかな隙間が出来てるね、それならこの円柱は違うんだね。
穴に入りそうで入らないね、それならこの円柱は違うんだね。
順番に大きくなっていってるんだね、それならこれの次はここかな?

正誤が自身の試行だけでわからない場合は、言語聴覚士が声かけで助けてあげます。
「よし!」「惜しい」「あれ~?」「ぶかぶか」「ちがうね~」「ぴったり!」
その内お子さん達が、楽しくなって言語聴覚士のことばを真似してきます。「あえ~(あれ~)?」「ちなうね~(ちがうね~)」「おしっ!(よし!)」
この真似の前にはお子さん達が円柱を挿す前に手をうろうろさせながら言語聴覚士の声かけに全意識を集中させて聴こうとしている場面が見られるようになります。

 これが “相手の発することばに注目してみよう” という、音声言語への興味=言語発達、他者の動き・他者からのはたらきかけへの注目=社会性の育ちに大きく寄与することとなります。

まだ挿すのが楽しめなくても円柱を床でコロコロ転がすのは楽しめたり、“引っ張って~”と円柱を使った綱引きで相手の力加減を感じてもらい他者への注目を強めたり、“ ♪︎♪︎ どっちかな、どっちかな、どっちの手に入ってる?”で追視と相手に答えていく力を育んだり、ほんとうにいろいろなことが出来ます( ※ただし本来のモンテッソーリ教具の使用方法とは大きく異なります(^o^;) )

プラスチック製品にはなかなか出せない、この重さを感じやすい作りも魅力なんだよな~。
“いーっぱい” “ちょっと” “あと1個” もぜんぶ学習できる優れもの。

少し慣れてきた子には2列=10穴×2=20選択肢!をランダムにして挑戦してもらうよ!
重さ軽さ・大きさ小ささ・長さ短さ・深さ浅さそれぞれの違いが秩序立って整えられている列を行ったり来たり、切り替え・思考の柔軟性カダイにも!

言語聴覚士の声かけの“惜しい!”だって、もちろんそんな語彙は知らない1歳・2歳の子だって、楽しみながらトライする内に “この人が「オシイ!」と言う時はお隣りの穴なら正解!という時” とわかってくるよ。新規語彙を獲得する瞬間だね。

訪問支援先の療育センターさんに、ずっと前からあるという、私の大好きな教具のひとつ。
また、上記のような言語セッションでのやり取り遊びは、他の教具やおもちゃでもそれぞれの良さをたくさん生かしていろいろにトライできます、楽しめます。


綺麗な指さしが出てなくったって

いわゆる“綺麗な指さし”が不十分だって
やれること あるある

指さしだって、育児関連ページにはまず興味のあるものを指さし、そしてあれが欲しいの!って指さして教えるようになり、そしていよいよ大人の質問に答える形で指させるようになり、ってあるよね。

だけどいわゆる皆さんのよくいう“綺麗な指さし”が出てなくったってやれることはたくさん!

こちらが提示するものには注目できるようになってきた女の子、“どっち?どっち?どっちがいーい?” ってこちらが二つのピース(二択)を交互に指さして聞くと、中指と親指はくっ付けてリング状、人差し指だけふんわりほわーんとすこーし伸びているような、そんな指さしのような指さしではないようなお手々の形でとりあえずなんとなーく伝えようとしてくれて、そしてすぐ引っ込めてしまいそうになる。

それを、“どれどれ?ビビビビビビーッ”とビームのように、彼女のほわんと少し縮こまった人差し指の先から検討つけた選択肢のピースに言語聴覚士が言語聴覚士の指の先を動かすと、“おおっ!私の指さしには力があるらしいぞ。わかってもらえる力が。”って気付いてくれる瞬間がある。それらを繰り返して積み重ねていくと、人に対して“指し示して教える”ことが上手になってくる。

それは手かざしでもクレーン現象でも同じこと。
少しのサポートがあれば、発達凸凹の子でも“指さし的な意思表出方法の使い方”がうまくなるよ♪︎そしてそれは必ずしもいわゆる“綺麗な指さしの形”から始まるものでなくてもいいんだ。健診で指さしのことについて指摘があった、って落ち込むママパパに、この投稿が届きますように。

 
巾着袋

巾着袋 両端にひっぱる? 片方は押さえる?
両手使うの同じでも、ちょっと違うね。

 同じ日…言語セッションの終わりにもとどおり巾着におままごとグッズをお片付けしてくれたお子さん。発語まだの女の子ちゃん。 全部入れたら彼女の人生の経験の今までどおり、巾着の両端をつまんで左右からひもを引っ張って締めようとしてくれた…のにうまくいかない!残念ながらそれは一重のひもで片口だけ締める巾着。上手く行かないから手を引っ込めちゃった。そうだよね、だってお給食袋もコップ袋も両端ひっぱり上げて締めるよね。ウンウン。 でも“不成功”で終わらせるのはもったいない!!「待って。もう一回」とジェスチャーと声かけで言語聴覚士がはたらきかけ、お子さんの手に言語聴覚士の手を添えて一緒に片口ひっぱってみるよ。でも、経験のない袋の仕様だからお子さんには見通しがつかないよ。だから0,5秒早めに声かけして、お子さんがやるべきことをイメージできるようにするよ、「シューッ」って。 そして二人で成功。“できたよ”を積んでいこう♪︎


【言語ポット・めろり】
・個別学び支援コース( 年長さん~高3 60分/1コマ 月2回~ )
・個別相談ルーム( 2歳~ ) を名古屋市天白区にて主宰。
自治体施設にて言語発達支援、保護者相談、研修講師にも奔走。  

✳️お問い合わせ メール✳️      gengo.pot.merori@gmail.com

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