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旅行記いろいろ

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ちょっとした旅行についての小文をまとめました。
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#絵画

ルーヴル逍遥①

ルーヴル逍遥①

久しぶりに行った備忘録として

とにかく朝一か夜間開館。ツアー旅行客でひしめいている10時30分から4時くらいは、モナリザ等があるドゥノン翼はこの世の地獄みたいな混雑で、あの体験を美術鑑賞だと記憶に刻まれてしまうと悲しいことになります。9時開館なのでその時間に予約し8時半には並んでいてください。

古代彫刻を普通に凌駕していると思うミケランジェロの傑作。裏に回ると目に見えないところはちゃんと手を抜

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絢爛のペテルブルク①

絢爛のペテルブルク①

おそらく、いや確実にロシアに行く機会は今後限られてしまうので、思い出によって美化される前にまとめておきたいという、宮殿の話。

ピョートル大帝やエカチェリーナ2世など世界史上のビッグネームが、ロシアをヨーロッパ化するというために膨大な金と時間をかけて生み出した過剰な美の世界が、ペテルブルクにはいくつかあります。この街の宮殿はエルミタージュ美術館になっている冬宮殿、郊外にある夏宮殿、また別個に世界遺

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飛んでエル・エスコリアル🇪🇸

飛んでエル・エスコリアル🇪🇸

理由は分からないですが、世界史の教科書でフェリペ二世についての記述を見て、一目ぼれしてしまいました。あの顎ではなく、別名書類王というところです。

彼は大王国の君主としてアメリカ大陸、ヨーロッパ、フィリピンなどアジア植民地、そしてポルトガル併合によって現在のブラジルまで支配下に置きましたが、ほとんど遠征に出ることはありませんでした。

マドリード近郊エル・エスコリアルに建てた宮殿兼修道院から、文字

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エストニア美術🇪🇪探訪

エストニア美術🇪🇪探訪

極寒のエストニア。首都タリンは鈍重な灰色の圧が脳にのしかかってくるようでした。

人はあまり歩いておらず、幾何学的な郊外の街並みはソ連的な雰囲気が色濃く漂っており、氷点下の冷気よりもそちらに身が堪えます。

こちらがKUMUと呼ばれるエストニア国立美術館です。日本で言えば国立近代美術館のようなもので、エストニアの古〜近代美術品が並んでいます。最近は日本のチームラボの作品が置かれるなど、現代アート関

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